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第5回アフリカ・クリアリングハウス
(概要と評価)

平成20年4月24日

 4月23日(水曜日)及び24日(木曜日)、東京(於:国際交流会議場(台場))において第5回アフリカ・クリアリングハウス(ACH)が開催されたところ、概要以下の通り。

【参考】アフリカ・クリアリングハウス会合について

(1) ACHは2004年の米国シーアイランド・サミットにて合意された「G8行動計画 世界的な平和支援活動(PSO)能力の拡大」に基づいて発足したG8及び関心国の専門家レベル会合。アフリカ諸国の平和維持能力の強化及びその関連活動の向上に向けた各国・機関の取組を活性化するための情報センター("a clearinghouse")となることが期待されている。

(2) 2004年10月に第1回会合が米国主催にて開催され、以後、年1回を目処としてG8議長国の持ち回りで開催されている(我が国主催による今次会合は、米、英、露、独に続き5回目)。

1. 主要参加者

(1) G8、ベルギー、中国(初参加)、デンマーク、フィンランド、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス(初参加)、国連、EU、AU(初参加)、NATO、SHIRBRIG(国連部隊のための多国籍待機即応旅団)等各国・機関の外務、防衛の主に課長レベルの担当者が参加。

(2) 我が方よりは、牛尾アフリカ第一課長が議長を務めた他、瀬谷日本紛争予防センター事務局長が専門家として我が国代表団に参加した。

2. 主要日程

 23日(水曜日)

全体セッション1:アフリカ平和安全保障アーキテクチャー(APSA)の現状及びアフリカ待機軍(ASF)設立に向けた各国・ 機関の平和支援活動に関するレビュー
全体セッション2:アフリカ待機軍訓練実施計画
全体セッション3:平和支援活動の文民的側面
夕食:アフリカ第一課長主催レセプション

 24日(木曜日)

分科会セッション1:兵站及び装備
分科会セッション2:要員の訓練
分科会セッション3:AU本部の管理能力強化
分科会セッション4:アフリカ要員派遣国の能力強化
全体セッション4:分科会の結果報告
最終セッション:アフリカ・クリアリングハウス会合の今後

3. 概要

(1) 第一日目の第1セッションでは、まず初めにAUよりAPSA、特にASFの進捗状況について説明が行われた。これを受けて、各国・機関が行っているアフリカの平和支援活動について出席者間で活発な意見交換を行った。我が国からも本年の対アフリカ外交に占める重要性を強調するとともに本年より開始したPKOセンター支援について紹介した。

(2) 第2セッションでは、AUよりASFの訓練計画及びその進捗状況について説明があり、EUより、ASFの実現に向けた貢献の一つとしてEURORECAMP(アフリカの平和維持能力向上を目指す仏を中心とするEUのイニシアティブ)について紹介があった。

(3) 第3セッションでは、ノルウェー及び専門家から平和支援活動における文民部門強化の重要性、課題について説明があり、参加者からは、文民、特に警察分野支援の重要性、アフリカ人の人材育成の必要性等について指摘があった。

(4) 第二日目には、今回初めて分科会セッションが設けられ、平和支援活動実施における課題となり得る兵站及び装備、要員の訓練、AU本部の管理能力強化、要員派遣国の能力強化等について専門的見地からの議論が行われた。会合の結果は、全体セッション4において報告された。

(5) 最終セッションでは、当初の予定に変えて、本会合の成果についての議論が行われた。本会合の成果については、本年6月にエチオピアで開催が予定されているG8++会合において我が国がG8議長国として報告することとなった。

4. 評価

(1) 今回の会合にはAUが初めて出席することとなり、ドナー諸国とAUとの建設的な対話が可能となった他、AUからはAPSA、特にASFの整備に関して実態に即した説明がなされ、多くの参加者から高く評価するとの発言が相次いだ。

(2) 参加者からは、アフリカの平和構築におけるAUの中心的な役割に高い期待が表明された他、多くのG8や北欧諸国がASFを中心とするAPSA構築に向けて積極的に支援を行おうとしていることが明らかとなった。今回初めて設けられた分科会については、(プロジェクトベースの調整も含めた)ドナー間の調整強化、AUの能力強化、各PKOセンター間の調整の必要性などについてより突っ込んだ議論を行うことができた。

(3) 我が国は、議長として会議を取り仕切ったことに加え、本年より開始したPKOセンター支援を中心に我が国の取り組みを説明し、一定の存在感を示すことができた。

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