アフリカ

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第11回アフリカ・パートナーシップ・フォーラム
(概要と評価)

平成20年11月21日

 11月17日(月)及び18日(火)、アディスアベバにおいて第11回アフリカ・パートナーシップ・フォーラム(APF)が開催されたところ、その概要以下のとおり。

(注)APFとは、03年のエビアン・サミット議長総括に基づいて発足したアフリカ開発に関する国際的フォーラム。G8議長国が主催して03年11月に第1回会合が開催され、以降年2回開催。

1. 主要参加者

(1)ムウェンチャAU副委員長、マクウェザランバAU経済委員、ネワイ・エチオピア経済担当首相顧問他、開発パートナー、アフリカ双方のアフリカ問題首脳個人代表(APR)が多数参加。

(2)我が方よりは、御法川外務大臣政務官、秋元アフリカ審議官他が参加。御法川政務官は、G8議長国として開会挨拶を行い、第3セッションで議長役を務めた。

2. 概要

(1)開会挨拶では、御法川政務官より、本年、アフリカが国際社会において大きな注目を集めたことに触れ、TICAD IVをはじめとする我が国の取組をモニタリングの重要性を強調しつつ紹介。また、先に開かれたアフリカ財務相・中央銀行総裁会議の結果を歓迎し、金融危機の影響はあるもののこれまでのコミットメントを着実に実施することの重要性を訴えかけた。

(2)「第1セッション:アフリカ相互審査メカニズム(APRM)から生起するガバナンス問題」では、アフリカ諸国のオーナーシップに基づきAPRM参加国におけるレビュー及びガバナンス改善が進展していることが歓迎された。一方で、レビューで得られた改善策の着実な実施の重要性や政府のみならず国内の幅広い層のレビュー・プロセスへの積極的関与、参加国の更なる拡大を求める発言も多かった。

(3)「第2セッション:開発資金」では、アフリカ諸国の国内歳入および民間資金の増加が歓迎された。また、先にチュニジアで開催されたアフリカ財務相・中央銀行総裁会議およびワシントンにおけるG20サミットの結果が評価された。ドナー諸国には金融危機の下でも既存のコミットメントを着実に実施することを確認し、アフリカ側には安定したマクロ経済政策の運営、歳入の増加及び国内資金の開発への一層の動員が求められた。各国からはミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた努力継続の必要性、11月末に開催されるドーハ開発資金国際会議フォローアップ会合に対する高い期待が表明された。

(4)「第3セッション:情報共有(第10回APFのフォローアップ)」では、冒頭でAU/NEPADアフリカ行動計画の改訂状況につき報告があり、第12回APF(於:イタリア)にて最終改訂版が提出されることとされた。後半は御法川政務官が議長を務める中、本年4月に東京で開催された第10回APFで更なる報告が求められた「アフリカにおける炭素市場」について、クヌゼン・デンマーク外務省アフリカ担当局長より報告があった。各国よりアフリカが利用しやすい炭素市場整備の必要性が強調され、気候変動の悪影響に適応するための費用をまかなう方策について議論がなされた。

(5)また今回の会合では、開会式において日本の市民社会代表からの発表が行われ、APFへの市民社会の関与、MDGs達成の重要性等を呼びかけた。

3. 評価

(1)世界的な金融危機で、アフリカ開発の速度が低下することに対する懸念が広がる中、多くのドナー諸国からコミットメントの着実な履行に向けた意思が表明され、国際社会、特にドーハの開発資金国際会議フォローアップ会合に向け、一定の政治的メッセージを出すことができた。

(2)今回の会合においては、G8北海道洞爺湖サミットの議論を踏まえ、APFのモニタリング機能を強化すべく「開発資金」と「ガバナンス」に焦点を当てて議論を行った。討議文書、会合での各国の発言を通じて所期の目的は達成したと言える。他方で、APFのあり方、今後の改革の方向性については引き続き検討していく必要がある。

(3)我が国は、共同副議長として準備段階より議題設定等でイニシアティブを発揮した。さらに会合においても御法川政務官が出席し、開会の挨拶を行った他、第3セッションの議長役を務める等G8議長国として大きな存在感を示すことができた。

(参考)主要日程

日付 日程
11月17日
(月曜日)
開会式:ムウェンチャAU副委員長による基調講演
御法川外務大臣政務官、ボクラル・スイス開発協力庁担当審議官(非G8ドナー・グループ議長)より開会挨拶
市民社会によるプレゼンテーション
第1セッション:アフリカ相互審査メカニズム(APRM)から生起するガバナンス問題
エチオピア政府主催夕食会
11月18日
(火曜日)
第2セッション:開発資金
第3セッション:情報共有(第10回APFのフォローアップ)
   AU/NEPADアフリカ行動計画、アフリカにおける炭素市場
最終セッション:総括・共同議長サマリー
閉会式:秋元アフリカ審議官、ボクラル・スイス開発協力庁担当審議官、ネワイ・エチオピア経済顧問担当首相顧問より閉会挨拶
共同議長によるプレス・ブリーフィング
(写真)

第11回アフリカ・パートナーシップ・フォーラム(開会式)


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