省庁共通公開情報

I.実施計画に基づく事後評価

1. 地域・分野

9-1 原子力の平和的利用のための国際協力の推進

国際原子力協力室長 小溝泰義
平成18年4月
施策の目標
IAEA等の国際機関及び関係国間との共同取組を通じた、原子力の平和的利用の確保及び推進
施策の位置付け
平成17年9月の第60回国連総会における町村外務大臣演説、及び平成18年度の重点外交政策に言及あり。
施策の概要
(10行以内)
(1)二国間原子力協定の締結に向けた取組及び二国間原子力協定に基づく協力等の推進
 原子力の平和的利用を確保しつつ、核物質、原子力関連品目・技術等の移転、原子力の研究・開発等を行うための二国間の国際約束、その他合意文書の締結及び運用。
(2)放射性物質輸送の安全で円滑な実施のための外交的対応
 核物質を含む放射性物質の輸送に対する沿岸国からの理解を得るための外交努力。
(3)原子力の安全とセキュリティの維持・強化のための国際的取組の強化
 多数国間条約の締結、ガイドライン等の策定、国内における実施、諸外国における取組への協力等。

【施策の必要性】

(1)原子力は、エネルギー、医療、農業、工業等の広範な分野において民生利用(原子力の平和的利用)されているが、軍事転用が可能であることから、核不拡散上の懸念が生じることのないよう十分配慮しつつ、原子力の平和的利用を進める必要がある。
(2)我が国においては、原子力発電が総発電量の約3割を占めており、エネルギーの安定供給を図る観点から、平和的目的に限った原子力の利用を確保しつつ、核物質・原子力関連品目・技術の円滑な移転を行うことが求められている。
(3)原子力の平和的利用を進める上で不可欠である原子力安全、核セキュリティ上の措置を推進・強化していくことが、国際社会全体の課題となっている。
(4)原子力は、エネルギー、医療、農業、工業等の広範な分野において多大な利益をもたらしており、国際社会全体の利益の向上の観点から、原子力の平和的利用に係る国際協力を進めることが必要。

【施策の有効性】(目標達成のための考え方)

(1)核物質、原子力関連品目・技術等の移転、研究・開発等に係る国際協力が厳に平和目的に限って行われることを確保すべく、二国間原子力協定等の国際約束の締結、その他合意文書の策定・締結や、効果的な運用等を行う。そのためには、外交ルートを通じた調整を行うことが有効である。
(2)放射性物質の輸送に対する理解の増進に向けて、沿岸国政府との協議、関係者の招聘を着実に行うことにより、放射性物質の輸送についての日本の立場や取組を伝え、沿岸国の理解を深めることにより、円滑な放射性物質輸送が行われることが期待される。
(3)原子力安全・核セキュリティ上の措置の推進・強化に向けて、多数国間条約の締結、ガイドライン等の策定、国内における実施、諸外国における取組への協力等を行うには、専門的な知見が必要であることから、IAEA等の国際機関における協議、IAEAを通じた協力を行うことが必要。
(4)医療分野をはじめ原子力の平和的利用から得られる利益の共有・増進に向けた技術協力は、専門的知見や経験を有する国際機関等を通じて実施することが有効。

【施策の効率性】(3行以内)

 多数国間条約及び二国間協定の署名、また、IAEAガイダンスの国内実施、原子力の平和利用における保健分野でのリード・カントリー就任等により、施策の目標に向けての大きな進展が見られたことは、手段が適切であったことを示している。

【投入資源】

予算
平成17年度
平成18年度
4,262
292,697 *
単位:千円
(注)本省分予算

*
原子力安全関連拠出金を含む
0
283,972
核物質等テロ行為防止特別基金拠出金を含む
0
3,240
人的投入資源
平成17年度
平成18年度
9
9
単位:人
(注)本省分職員数(定員ベース)

【外部要因】

 平成17年度における放射性物質の輸送に係る当該沿岸国の国内政治情勢は安定しており円滑な輸送が実施されたが、基本的に放射性物質輸送は、当該沿岸国の国内政治情勢などの影響を受けやすい。また、核物質、原子力関連品目・技術等の移転については、国内外のニーズの影響を受ける。

施策の評価

【平成17年度に実施した施策に係る評価の考え方】

 本年度は、これまで交渉が行われてきた多国間・二国間の条約・協定の署名やIAEAガイドラインの国内での実施が行われ、IAEA等の国際機関及び関係国間との共同取組を通じた、原子力の平和利用のための確保及び推進に貢献できたので、評価を行う年として適当である。

【評価の切り口】

(1)核物質・原子力関連品目の円滑な移転の実施状況
(2)放射性物質輸送の安全で円滑な輸送の実施状況
(3)原子力の平和的利用確保のための国際協力の進展状況
(4)原子力の平和的利用のための我が国の貢献状況

【目標の達成状況(評価)】

 以下のとおり、IAEA等の国際機関及び関係国間との共同取組を通じ、原子力の平和利用のための確保及び推進が強化され、目標の達成に寄与した。
(1)核物質・原子力関連品目の円滑な移転の実施

(イ)日本とユーラトム加盟国との間で移転される原子力関連品目の平和的利用を確保する法的枠組みである日ユーラトム原子力協定については、継続的にユーラトム側と交渉を行うとともに、国内関係省庁とも調整を行った結果、平成18年2月に署名が行われた。
(ロ)平成17年度においても、原子力関連品目・技術等の輸出入に係る100件以上の外交手続を実施。

(2)放射性物質輸送の安全で円滑な実施状況
(イ)国連、IAEA、NPT運用検討会議等の多数国間会合の機会や沿岸国との二国間会合の機会を捉え、放射性物質輸送に関しての協議を沿岸国と行ってきた結果、平成18年2月~3月の欧州から日本への高レベル放射性廃棄物の海上輸送が円滑に行われた。

(3)原子力の平和的利用確保のための国際協力の進展状況
(イ)原子力の平和利用を進める上で不可欠な核セキュリティの国際的取組である「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約」が、我が国を含むG8等の働きかけの結果、4月の国連総会において採択された。同条約の署名・締結に向け国内関係省庁と調整作業を行ってきた結果、9月の国連首脳会議の会議開催に併せて同条約が署名開放された際に、小泉内閣総理大臣が署名した。
(ロ)核物質防護条約は、核セキュリティの国際的な強化を図る上で重要な多数国間条約であり、我が国は、国内関係省庁間で調整を行い、その強化のための改正案につき、見解を共にする他の諸国と共同提案した結果、7月に改正の検討のための外交会議がウィーンで開催され、同改正案は採択された。
(ハ)放射線源の管理は、核テロ防止の分野で重要な多数国間の取組であり、日本は、平成16年9月のIAEA理事会にて承認された放射線源の管理を強化する「放射線源の輸出入ガイダンス」を積極的に支持した。本ガイダンスは平成16年のG8シーアイランド・サミット、翌年のG8グレンイーグルズ・サミットの成果文書でもその早期実施(平成17年末まで)の必要性が盛り込まれており、我が国としても、その国内実施に向け関係省庁と調整を行ってきた結果、平成18年1月1日より実施された。

(4)原子力の平和的利用のための我が国の貢献状況
(イ)チェルノブイリ・シェルター・プロジェクトにおける新規シェルター計画を進めるにあたり、必要とされる資金確保のための拠出国総会プレッジング会合が開催され、我が国を含む各国による追加資金拠出誓約が行われた結果、新規シェルター計画に進展が見られた。また、IAEAによる核セキュリティ活動については、我が国の資金拠出による新規のプロジェクトが承認・実施された。
(ロ)日本の医療分野、特に子宮頸癌の放射線治療の技術が高く評価され、我が国はRCA(アジア・太平洋地域における原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定)における保健・医療分野でのリードカントリーとして、事業の発掘・形成、評価、実施計画の策定を行い、RCA関係国より評価されている。

【評価の結果(目標の達成状況)】(類型化した表現で自己評価する)

「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)昨年度の高レベル放射性廃棄物の円滑な海上輸送の実施に続き、本年度も平成18年2月~3月の欧州から日本への高レベル放射性廃棄物の海上輸送が円滑に行われた。右に加え、平成17年度は、「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約(仮称)」の署名及び核物質防護条約改正の採択等の多数国間の法的枠組み、さらに、日ユーラトム原子力協定の署名等、原子力の平和利用の法的枠組みの分野で相当程度の進展があった。

【今後の課題】(評価の結果、判明した新しく取り組むべき課題等)(2行以内)

 署名・採択された多数国間及び二国間の法的枠組みについては、今後締結・運用に向け、国内省庁との調整を着実に実施していく必要がある。

政策への反映

【一般的な方針】(2行以内)

 平成18年度の国会承認に向けた、日ユーラトム原子力協定、核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約及び核物質防護条約改正の国内調整を含む準備を強化する必要あり。

【事務事業の扱い】


【平成19年度予算・機構・定員要求への反映方針】

 
予算要求
機構要求
定員要求
反映方針

【第三者の所見】(施策に通じた有識者による当該評価に関する所見とする。)

 浅田正彦  京都大学法学部教授
(1)我が国では、総発電量の約3割が原子力発電によってまかなわれており、原子力の平和利用が支障なく行われることは、まさに国益に直結する重要事項である。しかし、同時に、平和利用される核物質が核兵器の製造やテロ行為にも使用されうることから、いかにそれらを防止しつつ、原子力の平和利用を推進していくかが重要な課題となっている。その意味で、二国間及び多数国間の関連条約・取決めの締結やその円滑な運用を担当する国際原子力協力室には、そのような課題の実現に当たって中核的な役割を果たすことが期待されている。
(2)原子力関連の移転情報は、それ自体機微な側面を有していることから、同室の活動のビジビリティは決して高くないが、平成17年度には、前年同様、原子力関連品目・技術等の輸出入にかかる100件以上の外交手続きが実施されたとの報告は、原子力協定等の実施が円滑に行われている証左であると考えることも可能である。
(3)今後については、平成17年7月に採択された核物質防護条約の改正や、同年9月に署名された核テロ防止条約、更に、平成18年2月に署名された日・ユーラトム協定の締結作業など、国内官庁の調整を含め、最も重要な直近の課題がある。中長期的には、原子力損害賠償関連の諸条約への加入問題や、将来の原子力の国際展開を睨んで、我が国が主要な供給国となる場合を想定した非核兵器国との間の原子力協定の内容などについて、詰めた検討が行われる必要があろう。

【評価総括組織の所見】(評価に関する技術的な所見とする。)

 4つの「評価の切り口」の設定により、施策の論点が整理された形で説明がなされており、この評価シートの記入作業が意図する評価のあり方が示されている一例と言える。

【事務事業の評価】

事務事業名:二国間原子力協定締結に向けた取組、二国間原子力協力に基づく協力等の推進及び二国間原子力協議の実施

事務事業の概要
(1)日・ユーラトム原子力協定の締結に向けた交渉を継続的に実施。
(2)我が国への核物質等の移転に先立ち、二国間原子力協定等に基づく外交手続を行った。これは、我が国にとって重要なエネルギー供給源である原子力発電を実施するための核燃料の輸出入に不可欠なものである。
(3)我が国から原子力関連品目・技術の移転に先立ち、二国間原子力協定等に基づく外交手続を行った。これは、我が国由来の核物質、原子力関連品目・技術の平和的利用等を確保した形での移転を行う上で不可欠である。
有効性
(具体的成果)
(1)平成11年以降交渉が行われてきた日ユーラトム原子力協定の署名が、平成17年2月、ブリュッセルにて実施された。本協定が締結されれば、我が国とユーラトム加盟国との間で移転される原子力関連品目の平和的利用を確保する法的枠組みが整備されることとなる。
(2)二国間原子力協定等に基づく我が国から原子力関連品目・技術の移転に係る外交手続の実施は、原子力の平和的利用を確保する上で有効。平成17年度も、100件以上の原子力関連品目・技術の輸出入の際に、二国間原子力協定等に基づく外交手続を実施し、円滑な輸出入を確保した。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 日・ユーラトム原子力協定の締結に向けた国内調整が必要である。また、二国間原子力協定の運用などにより、原子力発電用の核物質等の輸入や原子力関連品目・技術の輸出を行うことは、我が国が原子力の平和的利用を継続的に行っていく上で必要である。

事務事業名:放射性物質輸送の安全で円滑な実施のための外交的対応

事務事業の概要
(1)資源に乏しい我が国は、原子力発電によるエネルギー供給に活動の多くを依存しており、エネルギーの長期的な安定供給の確保が不可欠である。そのため、原子力発電所の使用済核燃料を再処理し、再度燃料として利用する「核燃料サイクル政策」を基本政策としている。我が国は、自国の過去の使用済燃料を英仏で再処理しており、再処理の結果回収されるプルトニウムはMOX燃料として、また、高レベル放射性廃棄物はガラス固化体として順次我が国に返還されることになっていることから、海上輸送の円滑な実施が不可欠となっている。
(2)放射性物質の海上輸送の実施にあたり、国際法の原則とし て、すべての国の船舶は、領海においては無害通航権が、排他的経済水域および公海においては航行の自由が認められている。しかしながら、万一の輸送中の事故の悪影響を懸念する沿岸国より、現行国際法の枠組みを超える情報提供や補償措置の一層の拡大についての要求や安全性についての放射性物質の海上輸送に対する懸念が表明されてきている。このため、これら沿岸国に対し、我が国にとっての放射性物質輸送の必要性及び安全性につき説明を行う、緊密な対話を通じて理解を増進する等、外交上の措置を継続する必要がある。
(3)沿岸国との協議については、平成17年2月及び8月にニュージーランド、同年10月には太平洋諸島フォーラム(PIF)諸国との協議の機会に、我が国の立場及び輸送の安全性につき説明を行っている。また、5月の核不拡散条約(NPT)運用検討会議、7月のウイーンでの沿岸国との対話、9月のIAEA総会、10月の国連総会等の機会に沿岸国との協議を行っている。
(4)放射性物質輸送沿岸国の在京大使館関係者の我が国原子力関連施設への視察を実施。平成17年6月には中南米諸国在京大使館関係者の、また、10月には大洋州諸国在京大使館関係者の視察を実施した。
(5)平成18年1月、ロス・リンガイリ・フィジー外務省政務・条約担当副次官を招聘。
有効性
(具体的成果)
(1)国際原子力機関(IAEA)、NPT運用検討会議、国連等などの場において、放射性物質輸送に対し沿岸国より懸念が表明されているが、輸送の必要性や安全性については一定程度の理解を得られてきている。
(2)我が国の原子力関連施設を視察した沿岸国の在京大使館関係者や訪日したフィジー外務省副次官からは、視察が原子力発電及び放射性物質輸送を理解する上で有意義であった旨、また、今後ともかかる視察を継続して欲しい旨のコメントを得ている。
(3)平成18年2月~3月に欧州より我が国に向けた高レベル放射性廃棄物の海上輸送が安全かつ円滑に実施された。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 放射性物質の海上輸送は、これまで安全裡かつ円滑に実施されてきており、今後も継続的に円滑に実施していくためには、輸送沿岸国の懸念への対応に向けた長期的な取組などが必要であり、本事業を継続していく必要がある。

事務事業名:原子力の平和的利用に関する多数国間の法的・制度的な枠組策定に向けた取組及び協力の推進

事務事業の概要
(1)原子力の平和的利用のためには国際協力に係る多数国間条約の締結(現行条約改正を含む)等の法的枠組策定及び義務の着実な履行が必要である。具体的には条約締結・改正等に向けた交渉、条約締結・改正受諾等のための国内官庁との調整作業等。平成17年度に行った主な施策は以下のとおり。
(イ)核物質防護条約改正及び「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約(仮称)」採択のための交渉。署名・締結のための国内官庁との調整。署名の実施。
(ロ)原子力損害賠償関連条約加入に関し引き続き検討。
(ハ)平成17年4月、第三回原子力安全条約締約国会合の実施。
(ニ)平成18年5月の第二回廃棄物等安全条約締約国会合に向けて国別報告書作成作業開始。
(ホ)IAEAの放射線源の安全とセキュリティに関する行動規範、同規範実施のための放射線源の輸出入に関するガイダンス等についての国際会議における調整、国内的履行に向けた関係省庁との調整。
(2)原子力の安全とセキュリティの維持・強化のための国際的取組については、欧州復興開発銀行が実施・管理するチェルノブイリ・シェルター・プロジェクト、また、IAEAが実施・管理する核セキュリティ活動に対し資金的・技術的な貢献を行った。
有効性
(具体的成果)
(1)核セキュリティ分野での主要な懸案となっていた「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約(仮称)」と核物質防護条約改正について平成17年度に大きな進展が見られた。
(イ)「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約(仮称)」については、平成10年に草案の交渉が行われて以来大きな進展がなかったが、我が国も交渉妥結に向けて他のG8諸国と協調し、平成17年4月13日には国連総会にて採択された。我が国は、平成17年9月、国連首脳会議の開催に併せて同条約が署名開放された際に、小泉内閣総理大臣が署名した。
(ロ)核物質防護条約強化のための改正については、我が国を含む共同提案国の改正案が、平成17年7月にウイーンで行われた「改正の検討のための外交会議」にて採択された。
(2)原子力の安全とセキュリティ分野でも大きな進展が見られた。平成16年9月のIAEA理事会で承認された「放射線源の輸出入ガイダンス」を2005年末までに実施するとの目標を達成するための国内関係省庁との調整が終了し、我が国は平成17年12月15日付でエルバラダイIAEA事務局長に対し、同ガイダンスを国内的に実施する旨の書簡を提出した。
(3)チェルノブイリ・シェルター・プロジェクトについては、新規のシェルター計画を進めるにあたり、資金不足が障害となっていたが、5月にロンドンで拠出国総会プレッジング会合が開催され、日本を含む各国による追加資金拠出誓約が行われた結果、同計画に進展が見られた。我が国の専門家もメンバーとなっている国際諮問グループにより新規シェルターに係る評価が行われている。
(4)IAEAによる核セキュリティ活動については、我が国の資金拠出による新規のプロジェクトが承認・実施された。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
 (理由と今後の方針)
 平成17年度に採択・署名された核物質防護条約改正及び「核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約(仮称)」については、早急の締結に向けた国内調整を行う必要がある。右に加え、IAEA及びG8原子力安全セキュリティ関連会合への対応、及びこれまで我が国が累計で5500万ドルの拠出をコミットしたチェルノブイリ・シェルター・プロジェクトのフォロー及び追加拠出の必要性等を巡るG8間の調整作業、さらに、原子力損害賠償関連条約加入を視野に入れた情報収集・対応等の作業がある。

事務事業名:「原子力科学技術に関する研究、開発及び訓練のための地域協力協定」(RCA)

事務事業の概要
(1)本協定は、IAEA活動の一環として、アジア・太平洋地域の開発途上国を対象とした原子力科学技術に関する共同の研究、開発及び訓練の計画を、締約国間の相互協力及びIAEAとの協力により、適当な締約国内の機関(我が国の場合は、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所等)を通じて、促進及び調整することを目的としている。我が国は本協定及びIAEA技術協力を通じ、原子力平和利用のための国際協力を推進している。
(2)平成17年4月、マレーシアにおいて政府代表者会合が開催され、我が国代表が出席。
(3)平成18年3月、タイにおいて政府代表者会合が開催され、我が国代表が出席し、方針の策定に貢献。
有効性
(具体的成果)
(1)RCAは、農業、保健・医療、工業、環境、エネルギー/研究/廃棄物管理、放射線防護等の分野において、各種セミナー、トレーニング・ワークショップの開催、研究プログラム等を行っており、その中で、我が国は特に保健・医療分野の活動を重視しており、平成17年よりはリードカントリーとして同分野、特に子宮頸癌の放射線治療分野での事業の発掘・形成、評価、実施計画の策定を行い、RCA関係国より評価されている。
(2)我が国がリードカントリーとしての役割を円滑に実施できるよう、国内におけるリードカントリー・コーディネイターの指名及び国内対応委員会を設立し、平成17年度中には、4回の会合が開催され、保健・医療分野におけるRCAの活動に関する調整が行われた。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 本年より我が国が健康分野におけるリードカントリーを務めることが正式にRCAで決定されたことから、協定加盟国の放射性治療等の現状把握、プログラムの立案を早急に実施していく必要があり、国内のサポート体制と併せ、今後とも本件プログラムを着実に実施する必要あり。

【評価をするにあたり使用した資料】


 資料をご覧になる場合は、外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj)のフリーワード検索に資料名を入力し検索をしていただくか、各国・地域情勢をクリックし、当該地域→当該国と移動して資料を探してください。また、国・地域政策以外の分野・政府開発援助につきましては当該外交政策を選び、資料を探してください。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る