I.実施計画に基づく事後評価
1. 地域・分野
5-1 中東和平実現に向けた働きかけ
中東第一課長 佐藤英夫
平成18年4月
施策の目標
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中東和平の実現への貢献 |
施策の位置付け
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平成17年度重点外交政策に言及あり。
第162回施政方針演説に言及あり。
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施策の概要
(10行以内)
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我が国は、中東地域における中立的な立場を活かし、総理大臣自らの発言や会談を通じ、主に、1)紛争当事者に対する働きかけや関係国との活発な協議などの政治的働きかけ、2)パレスチナ独立国家樹立に向けた対パレスチナ支援、及び3)紛争当事者間の対話と交渉を通じた合意形成に必要な信頼を醸成するための信頼醸成措置に積極的に取り組んでいる。こうした取組を通じ、我が国は、中東地域の平和と安定の確立及び中東政策における我が国の国際的な発言力の強化に努めている。
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【施策の必要性】
大量破壊兵器の拡散問題や国際テロ等、国際社会の平和と安定に大きく影響する問題を抱える中東地域の平和と安定は、国際社会全体の平和と繁栄にも多大な影響を及ぼす問題である。とりわけ原油輸入の9割を中東地域に依存する我が国にとり、この地域の平和と安定は我が国の平和と繁栄に直結する重要な問題である。中東和平問題は中東地域の平和と安定の鍵ともいうべき問題であるところ、我が国としても国際的な影響力を強化し、和平実現に向け積極的な役割を果たす必要がある。
【施策の有効性】(目標達成のための考え方)
(1)中東和平の実現に向け紛争当事者の和平努力を促進するためには、紛争当事者及び関係諸国に対する政治的働きかけが効果的である。
(2)パレスチナ独立国家の樹立を通じたパレスチナ問題の解決のためには、国造りに向けたパレスチナ人自身による主体的努力に加え、こうした国造りに向けた主体的努力を積極的に後押しする我が国をはじめとする国際社会からの対パレスチナ支援が不可欠である。
(3)紛争当事者間の対話と交渉を通じた合意を形成するためには、紛争当事者間の信頼を醸成する必要がある。我が国は、イスラエル・パレスチナ側いずれに対しても中立的な立場にあり、こうした立場を活かし、我が国が信頼醸成措置を行うことは引き続き効果的である。
【施策の効率性】(3行以内)
(1)紛争当事者及び関係諸国に対し働きかけを行う際には働きかけのタイミング、内容及び対象を吟味し、(2)両当事者が評価し、かつ国際社会に対してもアピールできるプロジェクトを精選して対パレスチナ支援を実施し、(3)両当事者および国際社会から高く評価される地道な信頼醸成措置を民間関係者のイニシアティブも活用しつつ積み重ねる等、和平プロセスの前進と両当事者および国際社会からの評価という点において、少ない予算額から通常期待できる以上に効果を上げており、全般的に効率的に事業を実施してきている。
【投入資源】
予算 |
平成17年度 |
平成18年度 |
52,644 |
47,948 |
日本・パレスチナ開発基金 |
192,600 |
179,820 |
シナイ半島駐留多国籍軍監視団拠出金 |
28,890 |
28,890 |
(対パレスチナ支援として、平成17年度は、約7,650万ドルを実施。)
単位:千円
(注)本省分予算
人的投入資源 |
平成17年度 |
平成18年度 |
11.5 |
11.5 |
単位:人
(注)本省分職員数(定員ベース)
【外部要因】
中東和平の実現にあたっては、例えば以下のとおりの外部要因がある。
(1)暴力の発生・激化(パレスチナ自治区におけるイスラエル軍による軍事行動、パレスチナ過激派によるテロ活動等)
(2)イスラエル・パレスチナ間の立場・見解の相違・乖離
(3)イスラエル国内政治状況(時の政権の政策方針、政治勢力バランス、世論、極右ユダヤ人の動向等)
(4)パレスチナ自治区における政治状況(時の政権の政策方針、政治勢力バランス、世論、パレスチナ過激派の動向等)
(5)アラブ諸国の動向
(6)米等国際社会の動向
施策の評価
【平成17年度に実施した施策に係る評価の考え方】
中長期に亘って着実に実施していくべき政策であることから、本年も通常の評価を行う。
【評価の切り口】
我が国の具体的取組と各国等の評価。
【目標の達成状況(評価)】
我が国の具体的取組と各国等の評価
中東和平の実現に向けて行った具体的取組と各国等の評価は以下のとおりであり、目標達成に寄与した。
(イ)我が国の具体的取組
我が国は、イスラエル・パレスチナ両紛争当事者の和平努力を支援し、中東和平問題に積極的に取り組んでいる。平成17年度の主な取組例としては、2005年1月、町村外相(当時)はイスラエル及びパレスチナ自治区を訪問し、6000万ドルの対パレスチナ追加支援の実施を表明したほか、双方首脳の訪日招請を行ったことを踏まえ、同年5月、アッバース・パレスチナ自治政府大統領が来日し、小泉総理より、当面総額1億ドルの支援を表明。当該1億ドルのうち、同年9月にガザ撤退成功に向け約5000万ドルの支援を実施するなど、2006年3月末までに4分の3(約7650万ドル)を実施。2006年1月には小泉総理のイスラエル・パレスチナ自治区訪問が予定されていたが、訪問直前のシャロン首相の入院により延期せざるを得なかったが、平成18年7月に実施する予定。なお、オルメルト現イスラエル首相は、日本政府の招待により、2005年4月に来日した(当時副首相)。また、有馬中東和平担当特使は累次にわたり現地及び関係諸国に出張し、先方首脳・閣僚級と会談。同特使は、現地で我が国の中東和平政策を積極的に発信するほか、先方首脳・閣僚級と深い個人的信頼関係を築き、我が国の中東和平政策に対する公平・中立的な印象の形成に寄与している。
(ロ)各国等の評価
イスラエル・パレスチナ両紛争当事者より、累次の機会に我が国の取組に対する高い評価と今後の役割に対する強い期待が表明されている。また、中東和平プロセスの前進における我が国の役割をはじめ、近年の中東における我が国の地道かつ実質的な役割の増大がアラブ諸国に評価された結果、我が国は、2004年5月以降、2005年3月及び2006年3月のアラブ連盟首脳会議に招待され、有馬政府代表が同会議にオブサーバー参加している。
(イスラエル・パレスチナ両当事者より評価された例)
- 2005年4月にオルメルト・イスラエル副首相(現首相)及び同年5月にアッバース・パレスチナ自治政府大統領が来日した際、我が国の役割につき双方より高い評価が示され、我が国の積極的関与の継続に強い期待が表明された。
- 2005年8月、安保理議長国たる我が国のイニシアティブにより、ガザ及び西岸の一部からの撤退開始を歓迎するとともに「ロードマップ」の完全履行を呼びかける旨の安保理議長声明を発出。イスラエル側は高く評価(イスラエル紙報道振り:「国連によるイスラエルへの希有なジェスチャー」(8月25日付ハアレツ紙)、「シャロン首相は、国連の場において賞賛を受けることになれていないが、同首相の国際的な立場に変化が訪れた」(同日付マアリブ紙))。
- 2005年9月に行われた「サラハディーン幹線道路復旧・拡幅事業計画」(我が国支援)の定礎式の式典において、アッバース・パレスチナ自治政府大統領は、本事業に加えこれまでの我が国の支援に関し日本政府及び日本国民に対し繰り返し謝意を表明。また、2005年11月に駐イスラエル日本大使公邸に招かれたシャロン・イスラエル首相(当時)は、「中東和平に対する日本の支援に感謝したい。パレスチナの経済状態を改善するのは重要であり、日本の各種支援は非常に重要と考えている」と発言。
- 2005年12月に日本外務省の招待で実施されたイスラエル・パレスチナ合同青年招聘(双方青年を日本に招聘するプログラム)の参加者からは、「広島における原爆投下という悲惨な経験をしながら、戦後は復讐ではなく復興に力を注いだ日本人の姿勢に感銘を受けた」(パレスチナ側参加者)、「パレスチナ人と共に行動出来たのは非常に有意義であった」(イスラエル側参加者)との評価が寄せられている。
- 2006年3月、アッバース・パレスチナ自治政府大統領は、アラブ連盟首脳会議出席のためスーダンに出張した有馬中東和平担当特使と2回にわたり会談し、「アラブ首脳や日本を含む国際社会全体の自分(アッバース)に対する支持表明には勇気づけられている」と発言。
- 2006年3月30日付オルメルト現首相発小泉総理宛書簡において、同首相は、「日本は、中東和平を推進していく上で中心的な役割を果たすことができる」として、今後の我が国の役割に対する強い期待を表明。
【評価の結果(目標の達成状況)】(類型化した表現で自己評価する)
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)我が国の取組に関しては、イスラエル・パレスチナ両紛争当事者のみならず、米やアラブ諸国などから高く評価されており、目標達成に向けて進展があった。
【今後の課題】(評価の結果、判明した新しく取り組むべき課題等)(2行以内)
中東和平の進捗状況に関しては、2005年に一定の進展があったものの、2006年1月のパレスチナ立法評議会選挙の結果、イスラエルの存在を否定し、武装闘争路線を標榜するハマスが第1党となるというパレスチナ内政上の外部要因等のため、和平プロセスは見通し不透明となった。
我が国は、和平路線の継続を表明するアッバース・パレスチナ自治政府大統領を一貫して支持・支援してきており、今後も同支持・支援を継続・強化することが課題である。また、パレスチナ人の生活状況の更なる悪化を防ぎ、和平志向の民意を強化することも必要である。他方、我が国は、2006年1月のパレスチナ立法評議会選挙と同年3月のパレスチナ内閣発足の結果、パレスチナ自治政府を主導する立場となったハマスがその責任を十分自覚し、イスラエルとの共存共栄の道を歩むことを強く期待しているとの立場から、パレスチナ自治政府が、イスラエルとの共存共栄を目指すかどうかを引き続き注視し、その他の支援を含めた対応を決めてゆく必要がある。
政策への反映
【一般的な方針】(2行以内)
中東和平の進展にはイスラエル・パレスチナ双方による和平努力が不可欠である。我が国としては、状況を注視しつつ、政治的働きかけや双方間の信頼醸成などを柱として和平推進を積極的に働きかける考え。また、パレスチナ人の生活状況の更なる悪化を防ぎ、和平を志向する民意を強化するために、国際機関等を通じた人道支援を継続する。その他の支援については、パレスチナ自治政府が、平和的手段を通じて和平プロセスの進展に努力するかどうかを見極めつつ、個別に検討する。
【事務事業の扱い】
- イスラエル・パレスチナ間の対話と交渉の促進のための両者及び関係諸国への政治的働きかけ→拡充強化
- 対パレスチナ支援→内容の見直し
- 信頼醸成措置→拡充強化
【平成19年度予算・機構・定員要求への反映方針】
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予算要求
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機構要求
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定員要求
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反映方針
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○
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―
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―
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【第三者の所見】(施策に通じた有識者による当該評価に関する所見とする。)
中島勇 財団法人中東調査会 中東情報センター長
中東和平をめぐる我が国の政策に対する、国際社会の評価は高い。アラブ諸国、イスラエル、パレスチナなど政治的立場の違う人たちが、同じように、日本の中立的で継続的な支援を評価している。こうした外交的資産があることを認識し、これを維持・発展させる政策目標が明確に、かつ中長期的な視点で検討されていることは評価される。紛争関係者への働きかけと信頼醸成措置は強化しつつ、現在のハマス政権の政策を見極めるまでは援助については慎重に対処すべき問題であることも明確に認識されており、的確な現状判断が行われていると思う。ハマス政権後、欧米の対ハマス政権が強化された結果、パレスチナは財政危機に陥り、内部秩序も乱れが表面化している。こうした時こそ、日本の持ち味である中長期視点での地道な援助が和平の下支えとして機能すると思う。
【評価総括組織の所見】(評価に関する技術的な所見とする。)
「評価の切り口」が「我が国の具体的な取組と各国等の評価」であり、中東和平という比較的困難な目標に対するアプローチが明確に示されている。その結果、日本ができることがなされたかという視点が明確に示され、相手国側からの評価も記述される等、成果に関する多面的な評価が行われている。
【事務事業の評価】
事務事業名:イスラエル・パレスチナ間の対話と交渉の促進のための両者及び関係諸国への政治的働きかけ
事務事業の概要
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中東和平の実現に当たっては、紛争当事者及び関係諸国に対する政治的働きかけが最も効果的である。平成17年度には、例えば日本政府の招待により2005年4月にオルメルト・イスラエル副首相(現首相)及び2005年5月にアッバース・パレスチナ自治政府大統領が来日するなど、累次の要人往来の機会を捉え、和平に向けての積極的な働きかけを行った。
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有効性
(具体的成果)
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イスラエル・パレスチナ両当事者のみならず、米国やアラブ諸国の政府ハイレベルからも、我が国のこれまでの取組を高く評価するとともに、今後我が国による一層の積極的関与への期待が繰り返し表明されている。
例えば、2005年4月にオルメルト・イスラエル副首相(現首相)及び同年5月にアッバース・パレスチナ自治政府大統領が来日した際、我が国の役割につき双方より高い評価が示され、我が国の積極的関与の継続に強い期待が表明された。また、2005年8月、安保理議長国たる我が国のイニシアティブにより、ガザ及び西岸の一部からの撤退開始を歓迎するとともに「ロードマップ」の完全履行を呼びかける旨の安保理議長声明を発出。イスラエル側は高く評価(イスラエル紙報道振り:「国連によるイスラエルへの希有なジェスチャー」(8月25日付ハアレツ紙)、「シャロン首相は、国連の場において賞賛を受けることになれていないが、同首相の国際的な立場に変化が訪れた」(同日付マアリブ紙))。2006年3月、アッバース・パレスチナ自治政府大統領は、アラブ連盟首脳会議出席のためスーダンに出張した有馬中東和平担当特使と2回にわたり会談し、「アラブ首脳や日本を含む国際社会全体の自分(アッバース)に対する支持表明には勇気づけられている」と発言。2006年3月30日付オルメルト首相臨時代理発小泉総理宛書簡において、同首相臨時代理は、「日本は、中東和平を推進していく上で中心的な役割を果たすことができる」として、今後の我が国の役割に対する強い期待を表明。
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事業の総合的評価
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○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
(理由)2005年1月に町村外務大臣(当時)がイスラエル・パレスチナ自治区を訪問した際、我が国は、イスラエル・パレスチナ双方からの期待に応え、これまで以上に中東和平問題に深く関与し、積極的役割を果たすとの方針を表明した。
(今後の方針)状況を注視しつつ、有馬中東和平担当特使を引き続き現地及び関係諸国に派遣するなど要人往来を積極的に行う。
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事務事業名:対パレスチナ支援
事務事業の概要
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パレスチナ独立国家の樹立を通じたパレスチナ問題の解決のためには、パレスチナ人による国造りの努力に対する我が国を含む国際社会からの対パレスチナ支援が不可欠である。
我が国は、人道、パレスチナ自治政府改革、信頼醸成の3分野に重点を置いた支援を実施している。この3分野に加え、パレスチナ経済自立化のための中長期的な支援も行っている。
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有効性
(具体的成果)
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我が国による対パレスチナ支援は、パレスチナ側のみならず、イスラエル、米、アラブ諸国等関係諸国からも高く評価されている。
例えば、2005年9月に行われた「サラハディーン幹線道路復旧・拡幅事業計画」(我が国支援)の定礎式の式典において、アッバース・パレスチナ自治政府大統領は、本事業に加えこれまでの我が国の支援に関し日本政府及び日本国民に対し繰り返し謝意を表明。また、2005年11月に駐イスラエル日本大使公邸に招かれたシャロン・イスラエル首相(当時)は、「中東和平に対する日本の支援に感謝したい。パレスチナの経済状態を改善するのは重要であり、日本の各種支援は非常に重要と考えている」と発言。
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事業の総合的評価
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○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
(理由)対パレスチナ支援は、1993年のオスロ合意以降、これまで計8億4400万ドルに上り、米、EUに次ぐ規模となっている。同支援の大きさは、中東和平問題において我が国の発言力を確保する源泉のひとつであり、直接の受益者たるパレスチナ側のみならず、パレスチナ国家の樹立を通じ二国家の平和共存を実現することにより本紛争を解決したいとの立場のイスラエル側にも高く評価されている。他方、パレスチナ自治政府が、イスラエルとの共存共栄を目指すかどうかを引き続き注視する必要がある。
(今後の方針) アッバース自治政府大統領を支援し、パレスチナ人の生活状況の更なる悪化を防ぎ、和平を志向する民意を強化するために、国際機関等を通じた人道支援を継続する。その他の支援については、パレスチナ自治政府が、平和的手段を通じて和平プロセスの進展に努力するかどうかを見極めつつ、個別に検討する。
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事務事業名:信頼醸成措置
事務事業の概要
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イスラエル・パレスチナ側いずれに対しても中立的な立場にあり、こうした立場を活かし、イスラエル・パレスチナ人双方間の信頼醸成に資する事業(例.イスラエル・パレスチナ人双方の青年を日本に招聘し、日本理解を深める等の共同体験を通じ相互理解と信頼の醸成を図る事業)を実施する(信頼醸成措置)。
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有効性
(具体的成果)
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我が国による信頼醸成措置は、イスラエル・パレスチナ双方関係者より評価されている。信頼醸成措置の積み上げを通じ、イスラエル・パレスチナ双方の民衆が互いに理解しあい、将来、平和的に共存するイスラエル・パレスチナ二国家の基盤が形成されることが期待される。
例えば、2005年12月に日本外務省の招待で実施されたイスラエル・パレスチナ合同青年招聘(双方青年を日本に招聘するプログラム)の参加者からは、「広島における原爆投下という悲惨な経験をしながら、戦後は復讐ではなく復興に力を注いだ日本人の姿勢に感銘を受けた」(パレスチナ側参加者)、「パレスチナ人と共に行動出来たのは非常に有意義であった」(イスラエル側参加者)との評価が寄せられている。
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事業の総合的評価
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○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
(理由)紛争当事者間の対話と交渉を促すためには、紛争当事者間の信頼を醸成する必要がある。
(今後の方針)信頼醸成に資する案件を積極的に発掘・支援する。
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【評価をするにあたり使用した資料】
- 中東和平総合ページ「さらーむ・しゃろーむ」(中東和平関係の各種情報を掲載:政治的働きかけ、対パレスチナ支援、信頼醸成取り組み、周辺国支援、現状とこれまでの経緯等)
- 外交青書
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