省庁共通公開情報

I.実施計画に基づく事後評価

1. 地域・分野

1-6 インドネシア及びマレーシア等との友好関係の構築強化

南東アジア第二課長 山田重夫
平成18年6月
施策の目標
 二国間関係の更なる強化。インドネシア、マレーシアに重点を置いた二国間関係を新たな高みに引き上げるための外交の展開。
施策の位置付け
 ASEAN諸国との関係強化については、第159回施政方針演説、平成17年度の重点外交政策等に言及されている。また、第162回施政方針演説等でマレーシア等近隣諸国とのEPA締結交渉に言及されている。
施策の概要
(10行以内)
(1)要人往来等様々なレベルでの対話・交流の継続・促進 ハイレベルの対話・交流に加え幅広い分野での招聘実施等を通じ、より良い相互理解を実現し、二国間関係を拡大・深化させる。
(2)EPA交渉等二国間経済協議の推進 二国間EPAの早期締結を目指し、交渉の加速化を推進。
(3)スマトラ沖大地震発生時及びその後の支援 災害発生直後の緊急支援に加え被災地域の復興支援を着実に実施。
(4)地域の共通課題での協力の推進 テロ、海賊、鳥インフルエンザといった非伝統的な安全保障上の脅威に対応するための協力の推進。

【施策の必要性】

(1)インドネシア及びマレーシアは東南アジア諸国連合の主要国である。東アジア共同体の形成が現実的な課題となっている今日、民主主義・人権、法の支配等のビジョンを共有し得る両国との関係は一層重要になっている。また、東南アジア諸国の中でもインドネシアとマレーシアは、我が国と東南アジア・中東・欧州諸国等を結ぶ海上輸送路に位置するため、地政学的にも重要性が高く、また、我が国にとって重要な資源の供給元、市場、投資先である等経済面でも密接な関係にある。
(2)平成17年度中の外交政策の展開を通じて、インドネシア、マレーシア等の新政権との間で確固たる関係を築くとの政策目標が概ね達成されたことを踏まえ、東南アジアの主要国であるインドネシア、マレーシアに重点をおいて、更に二国間関係を深化・拡大、また、急速に変化する国際環境の中で、緊密に協力できるよう、二国間関係を新たな高みに引き上げるための諸施策を実施する必要がある。
(3)東アジアにおいては、中国経済が急速に発展し、地域における存在感を著しく高めている中で、30年の友好関係の歴史を有する日ASEAN関係が今後もこの地域の発展のために中核的役割を担えるよう、多国間関係の中での我が国のプレゼンスを高める観点に立っての二国間協力関係の再構築も求められる。
(4)更に、近年では、テロ、海賊、鳥インフルエンザといった我が国及び国民の安全に直結する課題についても地域の主要国であるこれらの国々と協力して取り組むべき必要性は益々高まってきている。

【施策の有効性】(目標達成のための考え方)

(1)昨年度までの外交活動の成果を踏まえ、インドネシア、マレーシア等との二国間関係を新たな高みに引き上げるために、ハイレベルでの対話を更に活発化するとともに、議会関係者、政府関係者ジャーナリスト等、様々な分野・レベルでも対話・交流を進め、より良い相互理解を通じ二国間関係を拡大し深化させる必要がある。
(2)また、経済連携協定の締結は、両国間で、人、物品、投資及びサービスの移動を増加させ、経済上の連携を強化する効果を有するところ、二国間関係を更なる高みに引き上げるための不可欠の基盤である。そのため、インドネシア、マレーシア等の東南アジア諸国との間で二国間経済連携協定を早期に締結し、有効に実施する必要がある。
(3)スマトラ沖大地震の甚大な被害からの被災国の立ち直りを助けるため、迅速かつ心のこもった支援を行うことは、両国間関係の強化に資する。
(4)我が国と東南アジア諸国は、テロ、海賊、疾病等非伝等的な安全保障上の脅威に共通して直面しており、こうした新たな脅威と戦うためには各種協力を推進することが重要。また、こうした協力の進展は、二国間関係の強化にもつながる。

【施策の効率性】(3行以内)

 限られた資源を有効に活用するため、平成17年度は、東南アジアの大国であるインドネシア及び平成17年度のASEAN議長国であるマレーシアに重点を置き、二国間関係を新たな高みに引き上げるための外交を戦略的に展開した。

【投入資源】

予算
平成17年度
平成18年度
49,724
78,725
(注)本省分予算
単位:千円

人的投入資源
平成17年度
平成18年度
15
16
(注)本省分職員数(定員ベース)
単位:人

【外部要因】

(1)両国要人の会談、各種協議、招聘等の実現のためには、国会日程をはじめとする我が国要人の都合に加えて、先方の外交日程や国内事情等様々な要因を考慮する必要がある。
(2)インドネシア、マレーシアへの支援は、これらの国々と我が国との緊密な関係を反映し極めて幅広いものとなっているため、これに適切に対応していくためには、外務省のみならず関係省庁との密接な連携の下、省庁横断的な施策が必要である。
(3)また、平成16年12月26日に発生したスマトラ沖大地震・津波災害は事前の予測が困難な自然災害であったが、同災害の発生後に我が国による迅速かつ大規模な支援等の対応は、各国の政府関係者のみならず、幅広い層からも感謝され、二国間関係を一層強化する機会となった。

施策の評価

【平成17年度に実施した施策に係る評価の考え方】

 通常の評価を行う。

【評価の切り口】

インドネシア及びマレーシアとの良好な関係の構築の状況

【目標の達成状況(評価)】

インドネシア及びマレーシアとの良好な関係の構築の状況

 平成17年度中、ハイレベルの二国間会談が一層活発に実施されたのに加え、様々な分野・レベルでの交流・協力が進み、インドネシア及びマレーシアとの二国間関係は一層深化・拡大した。

(1)平成17年度も、インドネシア、マレーシア等の諸国との間で、引き続き活発な要人往来や国際会議に際する二国間会談が行われ、グローバルな課題や地域情勢につき一層率直かつ建設的な意見交換が行われた。首脳、外相間の個人的な信頼関係も一層強固なものとなった。各種招聘事業の実施を通じ、各国の様々な分野のキーパーソンとの間で新たな人的関係が構築されるとともに、対日理解者の裾野の拡大を通じて中長期的な関係の底上げが図られた。また、愛知万博ナショナルデーの機会に、各国の文化等が紹介されたことにより、我が国においても幅広い層において相手国に対する理解が広まった。
(2)経済連携協定については、インドネシアとの間で平成17年度中のみで3回の本会合が開催され、早期の協定締結を目指して強力に交渉が進められた。また、マレーシアとの経済連携協定については、平成17年12月に小泉総理がクアラルンプールを訪問した際に、両国首脳間で同協定の署名が行われた。
(3)スマトラ沖大地震・津波被害への支援をはじめ、我が国の行った支援は、地域における我が国の指導的役割や存在感を示し、各国新政権との関係強化に資するものとなった。
(4)インドネシア、マレーシアを中核とする東南アジア諸国と我が国との間で、海賊、テロ、鳥インフルエンザといった地域の共通課題についての協力が活発に行われ、二国間関係が一層進展した。
(5)本件成果に関する報道振り

【評価の結果(目標の達成状況)】(類型化した表現で自己評価する)

「目標の達成に向けて進展があった。」
(理由)上記のとおり平成17年度中、ハイレベルの二国間会談が一層活発に実施されたのに加え、様々な分野・レベルでの交流・協力が進み、インドネシア及びマレーシアとの二国間関係は一層深化・拡大したため、進展があったといえる。

【今後の課題】(評価の結果、判明した新しく取り組むべき課題等)(2行以内)

 更なる高みを目指して二国間関係を一層発展させるべく、引き続き、二国間の対話・交流の継続、促進、EPA交渉の早期妥結・発効、地域の共通課題への協力強化等に取り組む。

政策への反映

【一般的な方針】(2行以内)

 インドネシア、マレーシアに重点を置きつつ東南アジア諸国との二国間関係を新たな高みに引き上げるべく、対話、交流、EPA、共通課題への取り組み等を更に拡充強化する。

【事務事業の扱い】


【平成19年度予算・機構・定員要求への反映方針】

 
予算要求
機構要求
定員要求
反映方針

【第三者の所見】(施策に通じた有識者による当該評価に関する所見とする。)


【評価総括組織の所見】(評価に関する技術的な所見とする。)

 マレーシアについては、首脳会談の成果として、日マレーシア経済連携協定の署名、東アジア首脳会議に向けての協調に言及があり、また、インドネシアについては、スマトラ沖大地震関連の支援内容及びその成果に関し具体的に示されている等、目標である「二国間関係の更なる強化」への進展状況が評価されている。

【事務事業の評価】

事務事業名:要人往来等様々なレベルでの対話・交流の継続・促進

事務事業の概要
 二国間関係を更に深化・拡大するためには、相手国政府要人や世論形成に影響力を有する要人の往来を通じ、ハイレベルの対話を行うとともに、各国の中堅指導者や次代を担うキーパーソン、将来指導的立場に就くことが期待される優秀な青年等を招聘し、我が国の関係者との間で人的関係を構築することが重要。平成17年度の主要な実績は以下のとおり。
<インドネシア>
1.主要要人往来等
  • 平成17年4月、アグン・ラクソノ国会議長が我が国の招待により来日し、小泉総理大臣に表敬を行った。
  • 平成17年4月、小泉総理大臣及び町村外務大臣(当時)はアジア・アフリカ首脳・閣僚会議出席のためジャカルタを訪問し、二国間首脳会談・外相会談をそれぞれ行った。
  • 平成17年5月、ハッサン外相は、アジア欧州会合(ASEM)第7回外相会合出席のため訪日した。
  • 平成17年6月、ユドヨノ大統領はハッサン外務大臣他とともに我が国の招待により訪日し、小泉総理大臣及び町村外務大臣(当時)と会談を行った。
  • 平成17年12月、クアラルンプールにおけるASEAN+3外相会議に際して、二国間外相会談を行った。
2.主要招聘案件等
  • 平成17年12月、21世紀パートナーシップ招聘により、アッバス法務省人権総局長を招聘。
  • 平成18年2月 21世紀パートナーシップ招聘により、地方議会・政党関係者を招聘。
  • 平成18年3月 戦略対話により、スンビリン福祉正義党総裁を招聘。
<マレーシア>
1.主要要人往来
  • 平成17年5月、アブドゥラ・マレーシア首相は首相就任以来1年半で3度目の訪日を行った。
  • 平成17年12月には、小泉総理大臣及び麻生外務大臣は、クアラルンプールにおけるASEAN+3首脳会議及びASEAN+3外相会議に出席するためにマレーシアを訪問した。
2.主要招聘事業等
  • 平成17年8月、オピニオン招聘により、カマル・スター紙社主が来日。
  • 平成17年10月、21世紀パートナーシップ招聘により、マレーシア与党のUMNO青年部関係者が来日。
有効性
(具体的成果)
 平成17年度においても、首脳・外相等の往来や国際会議等の機会を通じて、ハイレベルの対話が行われ、二国間関係が更に強化されるとともに、各国の中堅指導者や次代を担うキーパーソン、将来指導的立場に就くことが期待される優秀な青年等が招聘され、我が国に対する理解を深めた。中長期的な二国間関係の深化・拡大に資することが期待される。

<インドネシア>
 平成17年度においても、ハイレベルの対話や各種招聘が活発に行われ、二国間関係を発展させた。主要な成果は以下の通り。
 平成17年6月のユドヨノ大統領及びハッサン外相の訪日に際し、両国首脳は、共同宣言「新たな挑戦へのパートナー」を発表し、「より緊密で強固な二国間関係を促進し、また、急速に変化する国際環境の中で、共通のビジョンを共有する両国が新たな挑戦へのパートナーとして緊密に協力できるよう、二国間関係を新たな高みに引き上げる」と述べた。
 また、平成17年12月、麻生大臣のマレーシア訪問の機会に、外相会談が開催され、新たな挑戦へのパートナーシップを再確認し、二国間関係全般について協議するとともに、東アジア首脳会議等について議論を行った。

<マレーシア>
 平成17年5月の首脳会談は、うち解けた雰囲気の下で昼食を共にしつつ少人数で行われた。二国間関係に加えて東アジアサミットのあり方について率直な議論が行われた。
 平成17年12月に、小泉総理大臣及び麻生外務大臣のクアラルンプール訪問に際し、それぞれ首脳会談、外相会談が行われた。首脳会談に際しては、日マレーシア経済連携協定の署名及びマレーシア日本国際工科大学準備センターの開所式が行われるなど、今後の二国間関係の飛躍を象徴する首脳会談となった。外相会談では、二国間関係に加え、第1回東アジア首脳会議の準備などについて率直な意見交換が行われた。
 また、平成17年8月、マレーシアの有力英字紙であるスター紙のカマル社主の訪日は、同社主の対日理解を深め中長期的に同国の対日報道の向上に資することが期待される。
 平成17年10月、マレーシア与党UMNOの青年部関係者が来日し、我が国について見聞を広めた。今後、UMNOやマレーシア政府の要職につくことが期待される人物であり、中長期的な二国間関係の向上に資するものと期待される。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化  今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 二国間関係の更なる強化のためには、要人往来等様々なレベルでの対話・交流の継続・促進が不可欠。
 要人往来や国際会議の機会を活用し、より積極的に二国間の政府ハイレベルでの対話を行い、主要な国際問題や二国間関係についての意見交換を頻繁に行っていくことを通じて、各国との緊密な関係を構築する。また、各種招聘の枠組み等を最大限活用し、中長期的な観点から各国において対日理解者の裾野の拡大を図り、二国間関係の深化・拡大に努める。

事務事業名:二国間経済協議等の推進

事務事業の概要
 ASEANの主要国であり、我が国にとって重要な貿易相手国であるインドネシア及びマレーシアとの経済連携協定の締結を含む各種二国間経済協議等を促進することは、1)二国間の貿易投資拡大による更なる経済緊密化、2)二国間の戦略的パートナーシップの更なる強化、3)日ASEAN包括的経済連携交渉のための大きな推進力として重要。
有効性
(具体的成果)
(1)マレーシアとの間では、平成17年5月に経済連携協定の主要点について大筋合意に達したことを両首脳間で確認し、同年12月の二国間首脳会談において協定に署名した。平成18年4月に国会審議を了し、国内法上の手続を経て同年7月に発効予定。
(2)インドネシアとの間では、両国政府間の合意を受け、平成17年7月に経済連携協定締結交渉の第1回会合を東京にて開催。その後、10月に第2回会合、平成18年2月に第3回会合、4月に第4回会合を実施し、可能な限り早期に協定を完成させるべく交渉中。
(3)これらの協定が発効すれば、日インドネシア間及び日マレーシア間で、貿易・投資の自由化・円滑化が促進されるのみならず、知的財産、競争政策、ビジネス環境整備、更には人材養成等の分野での二国間協力を含む包括的な経済連携が強化されることになる。
(4)また、我が国とインドネシアとの間で実施している「投資のためのハイレベル官民合同フォーラム」では、両首脳間での合意を受け、平成17年3月に第1回、5月に第2回企画調整委員会を開催し、インドネシア側との間で税制・通関、労務関係、インフラ整備、国際競争力強化の4分野で両国が協力すべき行動計画を策定。6月の首脳会談で確認された。12月に開催した第3回企画調整委員会で計画の進捗を確認し、今後の優先課題を明確にした。更に、政治、経済、文化、教育を中心として、今後5年程度の間に両国がとるべき施策について両国首脳に提言を行うことを目的とし、日本インドネシア賢人会議を設置する方向で両国政府により調整が進められている。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
(1)日インドネシア及び日マレーシア間で、物品、サービス、資本の自由な移動を促進することは、双方の経済関係の強化に大きな効果がある。
(2)我が国の重要な貿易相手国である各国における投資・ビジネス環境の整備は、我が国の経済的利益の確保にとって極めて重要なものであり、政府として我が国民間企業の活動を支援していく観点からも、かかる協議の枠組みの拡充強化が必要となる。

事務事業名:スマトラ沖大地震発生時及びその後の支援

事務事業の概要
 被災国であるインドネシアに対し、スマトラ沖大地震発生直後の各種緊急援助に加え、被災地に対して復興事業、開発計画の策定、技術支援等が行われている。
有効性
(具体的成果)
(1)インドネシアに対し、平成17年1月の地震直後に146億円のノンプロ無償資金協力を決定し、平成17年度中に、様々な復興事業への支援を行っている。現在政府間協議会を通じ調達品目等を順次確定し各種事業を実施中。平成18年3月現在、146億円のうち、政府間協議において全額の使途が確定し、80億円が契約済みであり、26億円が業者に支払い済み。
(2)具体的な事業としては、平成17年3月より、北スマトラ沖地震津波災害緊急復興支援プログラムを実施し、バンダ・アチェ市都市緊急復興計画及び、バンダ・アチェ-ムラボー間道路復旧基本計画策定等を行った。また、平成17年11月より、津波災害により水没した土地台帳の修復作業を支援するため、修復専門家1名を現地に派遣し、修復作業を支援している。その他、医薬品・医療器材の供与、保健所の再建事業、ラジオ・テレビ放送支援事業、放水路(護岸工事)等の修復事業等々が実施されている。
(3)これらの支援に対しては、平成17年6月の大統領訪日の際など複数の機会に、ユドヨノ大統領やその他の政府高官より、「日本国民及び日本政府により提供された、寛大な、迅速で心のこもった支援に対し」感謝の意が表明されている。
(4)また、平成17年12月末に発表された「スリランカ沖大地震及びインド洋津波被害二国間無償資金協力に関する中間報告」においても、「支援の進捗状況については、全体的に進捗の遅れが指摘されている。しかし、他ドナーとの支援の比較では、日本の支援の進捗は最も早いことが、繰り返し、インドネシア政府関係者との発言と併せて紹介されている。また、インドネシア政府による被災地支援事業の調整機能の整備に時間を要したことなどを考慮すると、今回の遅れは回避することが困難なものであったと総括されている。
(5)案件の妥当性については、各案件の目指す目的(取り組む課題)に関しては総じて妥当性が高いとの評価がなされている。また、施設・機材の活用度については、まだ多くの案件が調達や施行の最中であるため、現時点での評価が困難であるとしつつも、各案件において施設・機材の引渡後の活用度は今後非常に高くなるものと評価されている。期待されている効果については、すべての案件において肯定的に評価されているなど、全般的に高く評価されている。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 平成18年度も残りの事業を引き続き着実に実施。

事務事業名:地域の共通課題(海賊対策、テロ対策、鳥インフルエンザ等)での協力の推進

事務事業の概要
 インドネシア、マレーシアを中核とする東南アジア地域は、我が国のシーレーンに位置するため、地政学的にも重要性が高く、更に、貿易・投資等、経済面で我が国と密接な関係にある。この地域が今後も安定し発展を続けることができるようにするため、我が国が、海賊、テロ、鳥インフルエンザといった地域の共通課題について支援を行うことは、我が国の平和と繁栄にも資するもの。
有効性
(具体的成果)
(1)テロ対策
 インドネシア、マレーシア等の東南アジア諸国においては、地域的なテロ組織より、日本が西側権益の代表的な存在としてテロの対象となる可能性が高いため、各国捜査当局等のキャパシティビルディングを支援することは、現地日系企業、在留邦人等の安全に直結するとともに、二国間関係の拡大・深化につながる。平成17年度中にも、10月に、インドネシアのバリ島において、大規模な爆発事件が発生し、邦人を含む多数の死傷者が生じている。
 平成17年度には、インドネシア、マレーシア他の東南アジア諸国等を対象として、出入国管理、疑変造文書鑑識技術についての研修、海空保安についてのセミナー、専門家派遣等の事業が行われた。

(2)海賊対策
 近年マラッカ海峡等の東南アジア地域で多発する海賊問題は、我が国の海上輸送に対する深刻な脅威となっているが、インドネシア、マレーシア等の各国海上保安機関の個別の能力向上に加えて、各国の領海が複雑に入り組むこの海域では、各国海上保安機関の間での情報共有体制の確立と協力強化が不可欠。
 平成17年度には、インドネシア、マレーシア等の海上保安機関の能力向上のため、我が国海上保安庁より専門家を派遣し、その機能強化・人材育成のための各種助言を行わせた。また、我が国のイニシャティブの下、各国の情報共有・協力実現のための制度的枠組みとして、平成16年11月に海賊に対するアジア海賊対策地域協力協定が採択されたが、我が国は、両国の同協定への加入を求めてねばり強い働きかけを行っている。その結果、平成17年6月、日インドネシア首脳会談の機会に、インドネシアは同協定の締結を真剣に検討する旨回答している。

(3)鳥インフルエンザ
 平成17年12月、日ASEAN首脳会議の際に、小泉総理より、インドネシア、マレーシア等の東南アジア諸国に対し、抗鳥インフルエンザ薬50万人分の備蓄及びその他の必要物資の備蓄支援を表明し、必要物資の備蓄のため着々と準備を実施中。また各国のキャパシティビルディング支援のため、研修員受け入れ、機材供与等を行っている。
事業の総合的評価
○内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 各国の自助努力を促しつつ引き続き各支援を継続し、またインドネシア、マレーシア等に対して海賊協定の締結を求めて働きかけを続ける。なお、各種支援の実施に際しては、各国との二国間関係の底上げにも資するよう留意する。

【評価をするにあたり使用した資料】


 資料をご覧になる場合は、外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj)のフリーワード検索に資料名を入力し検索をしていただくか、各国・地域情勢をクリックし、当該地域→当該国と移動して資料を探してください。また、国・地域政策以外の分野・政府開発援助につきましては当該外交政策を選び、資料を探してください。
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