省庁共通公開情報

I.実施計画に基づく事後評価

1. 地域・分野

17-3 外交実施体制基盤の整備・強化

総務課長 上月豊久
人事課長 片上慶一
危機管理調整室長 河原節子
警備対策室長 和田明範
平成18年4月
施策の目標
 激動する国際社会の中で我が国の平和と繁栄を確保するための外交を実施する上で必要な体制の整備・強化
施策の位置付け
(1)能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化
 平成17年度重点外交政策に言及あり。
(2)在外公館の警備体制の一層の強化
 平成17年度及び平成18年度重点外交政策に言及あり。
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備
 平成17年度重点外交政策に言及あり。
施策の概要
(10行以内)
(1)新規業務に対応するための人的資源の確保や機構を整備することにより能動的・戦略的な外交実施体制を強化する。
(2)在外公館に対する攻撃から館員の生命及び身体の安全確保を図り、これら攻撃を抑止するために在外公館警備体制を整備強化する。
(3)在留邦人の安全確保及び我が国の権益の保護のため、本省及び在外公館における危機管理体制を整備・強化する。

【施策の必要性】

 激動する国際社会の中で我が国の平和と繁栄という国益を担い追求するための外交を実施する上で外務省が組織として最大限の能力を発揮する必要がある。外務省は、平成17年度重点外交政策において、我が国の安全保障と邦人安全対策、新たな国際秩序の構築、戦略的な情報発信、情報収集の強化、ODA及び国際文化交流の積極的展開、能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化に取り組んでいく旨決定している。
 これらの重点外交政策を円滑に実施するため、外務省による外交実施体制基盤の整備・強化という本施策を推進することは不可欠である。

【施策の有効性】(目標達成のための考え方)

(1)能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化
 外務省の業務が益々増大している中で、新規業務に対応するための人的資源を確保すること、新規業務に対する省全体としての優先度を判断しつつ機構を整備することは、外交実施体制を強化する上で有効である。
(2)在外公館の警備体制の一層の強化
 ソフト面での警備対策として、警備対策官及び警備専門員に対する研修、館員に対する警備関係講義を行うこと、各在外公館において、所在国の治安情勢や脅威を勘案した警備訓練を実施すること、大規模行事の実施に際しては安全な実施に万全を期すことは、在外公館に各種の物的な警備強化措置を講じ、安全確保のための体制を一層強化する上で有効である。
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備
 緊急事態発生時の本省連絡体制を定期的に更新すること、本省及び在外公館におけるマニュアルを策定すること、本省及び在外公館における危機対応に必要な設備の保守・整備を行うことは緊急事態の発生に備えた体制整備として有効である。

【施策の効率性】(3行以内)

(1)能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化
 体制強化のために人員を拡充することは、省全体が最大限の能力を発揮し、課題に取り組むために必要であり、効率性の観点からも重要である。
(2)在外公館の警備体制の一層の強化
 物的な警備強化措置、専門家研修、警備関係講義、警備訓練等の実施は、在外公館の警備体制を一層強化する上で、効率性の確保の観点からも重要である。
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備
 本省連絡体制の更新、対応マニュアル作成、設備の保守・整備等の実施は、緊急対策本部等の短時間の設置、初動体制の整備を行う際の効率性の確保の観点からも重要である。

【投入資源】

予算
平成17年度
平成18年度
7,237,132
6,798,548
単位:千円
(注)予算は、(2)在外公館の警備体制の一層の強化及び(3)緊急事態の発生に備えた体制整備に関連する予算のみを計上。

人的投入資源
平成17年度
平成18年度
112
113
単位:人
(注)人的投入資源は、本省の官房総務課(含む危機管理調整室)及び警備対策室の定員を計上。

【外部要因】

 政府の人的資源の制約、我が国在外公館が所在する国の治安状況、国際的なテロ組織による攻撃の発生、及び在留邦人が巻き込まれる事件・災害等の発生回数・規模等外部要因の影響を受ける。

施策の評価

【平成17年度に実施した施策に係る評価の考え方】

 激動する国際社会の中で我が国の平和と繁栄を確保するための外交を実施するという施策の性質上、毎年実施体制を強化するために通常の評価を行うことになる。

【評価の切り口】

(1)外務省の人員、機構の整備状況
(2)在外公館の警備体制の強化の状況
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備の状況

【目標の達成状況(評価)】

(1)外務省の人員、機構の整備状況
 以下のとおり、能動的・戦略的な外交を展開するための体制の整備に進展がみられた。
(イ)平成18年度定員要求では、経済連携協定関連や在外公館における邦人保護、情報収集担当をはじめとして合計118の定員増を達成(純増5、アタッシェを含めた増員は19)した。
(ロ)同年度の機構要求においては、増減なしとなった。
(2)在外公館の警備体制の強化の状況
 以下のとおり、在外公館の警備体制が一層強化され、外交を実施する上で必要な体制の整備・強化に寄与した。
(イ)ペルー大使公邸占拠事件(平成8年)、瀋陽事件(平成14年)、外務省員殺害事件(平成15年)の発生を踏まえ、各種の物的な警備強化措置を講じ、公邸及び移動時の安全確保のための体制を整備した。
(ロ)ソフト面での警備対策として、警備対策官及び警備専門員に対する専門的知識を施す研修、館員に対する警備関係講義、危険度の高い公館に赴任する者に対する安全講習を行った。
(ハ)各在外公館において、所在国の治安情勢や脅威を勘案した警備訓練を実施させた。
大規模行事実施に際しても、その安全な実施に万全を期し、すべての行事を無事終了させた。
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備の状況
 以下のとおり、緊急事態に備えた体制の整備に進展がみられ、外交を実施する上で必要な体制の整備に寄与した。
(イ)緊急事態発生時の本省連絡体制を定期的に更新した。
(ロ)本省及び在外公館における危機管理に関する基本事項マニュアルを策定した。
(ハ)これらにより、実際の緊急事態発生時に、緊急対策本部等を短時間に設置し、円滑に初動体制を整えた。

【評価の結果(目標の達成状況)】(類型化した表現で自己評価する)

 「目標の達成に向けて進展があった。」
(理由)
(1)能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化については、厳しい制約の中、平成18年度の定員要求で合計118の定員増を達成し、純増を確保したことにより一定の進展が得られた。
(2)在外公館の警備体制の一層の強化については、各種の物的な警備強化措置やソフト面での警備対策や警備訓練を実施した等、想定どおりの進展があった。
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備については、緊急事態発生時の本省連絡体制や基本マニュアルを策定活用し、想定どおりの進展があった。

【今後の課題】(評価の結果、判明した新しく取り組むべき課題等)(2行以内)

(1)能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化
 外交実施体制は今後とも更に強化する必要があるので、目標の達成に向けて取組を継続する。
(2)在外公館の警備体制の一層の強化
 テロリストの攻撃は年々威力を増しており、適切な措置を施さないと甚大な人的・物的損害を蒙ることは避けられないので、目標の達成に向けて拡充・強化する。
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備
 緊急事態は多様化しつつあり、右を踏まえて常に最善の体制を整備する必要があるので、目標の達成に向けて今のまま継続する。

政策への反映

【一般的な方針】(2行以内)

(1)能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化
 能動的・戦略的な外交を展開するための体制は今後とも更に整備・強化する必要がある。
(2)在外公館の警備体制の一層の強化
 テロリストの攻撃は、年々威力を増しており、在外公館の警備体制は、常に整備する必要がある。
(3)緊急事態の発生に備えた体制整備
 緊急事態発生に備えた体制は常に整備する必要がある。

【事務事業の扱い】


【平成19年度予算・機構・定員要求への反映方針】

 
予算要求
機構要求
定員要求
反映方針

【第三者の所見】(施策に通じた有識者による当該評価に関する所見とする。)


【評価総括組織の所見】(評価に関する技術的な所見とする。)

 外務省の人員、機構の整備状況については、定員増の状況、在外公館の警備体制の一層の強化については、物的・人的な面の対応の状況、緊急事態の発生に備えた体制整備については、対策本部等の初動体制の整備の状況と具体的な成果が数値等で示されており、適切な評価といえる。

【事務事業の評価】

事務事業名:能動的・戦略的な外交を展開するための体制強化

事務事業の概要
 新規業務に対応するための人的資源の確保や機構を整備することにより能動的・戦略的な外交実施体制を強化する。
有効性
(具体的成果)
 外務省の業務がますます増大している中で、限られた人的資源を有効活用しつつ新規業務に対応するための人的資源を確保すること、新規業務に対する省全体としての優先度を判断しつつ省内の機構を整備する。
 平成18年度定員要求では、経済連携協定関連や在外公館における邦人保護、情報収集担当をはじめとして合計118の定員増を達成(純増5、アタッシェを含めた増員は19)した。
 なお、同年度の機構要求においては、増減なしとなった。
事業の総合的評価
○ 内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 激動する国際社会の中で、外務省の業務はますます拡大しており、外交実施体制を更に整備・強化する必要がある。

事務事業名:在外公館の警備体制の一層の強化

事務事業の概要
 過去、ペルー大使公邸占拠事件(平成8年)、瀋陽事件(平成14年)、外務省員殺害事件(平成15年)などの事件が発生している。在外公館は外交政策遂行の拠点であり、適切な警備対策を実施することで、不法な攻撃からの館員の生命及び身体の安全確保を図るとともに、これら攻撃を抑止する。
有効性
(具体的成果)
 上記事件の発生を踏まえ、在外公館等に各種の物的な警備強化措置を講じ、公館及び移動時の安全確保のための体制を整備した。
 ソフト面での警備対策としては、警備対策官及び警備専門員に対し在外公館警備に関する専門的な知識を施すための研修を実施したほか、館長を含むその他の館員を対象とする様々な研修の機会を捉えて警備関係講義を実施した。特に危険度の高い公館に赴任する者に対しては、銃器使用犯罪につき、正しい理解と知識に基づく対策を習得せしめることを目的に安全講習を実施した。
 さらに、各在外公館においては、所在国の治安情勢や脅威を勘案した警備訓練を実施させるとともに、大規模行事実施に際しても、その安全な実施に万全を期し、結果としてすべての行事を無事終了させた。
事業の総合的評価
○ 内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 テロリストの攻撃は年々威力を増しており、適切な措置を施さないと甚大な人的・物的被害を蒙ることは避けられない。これら攻撃から、我が方公館の安全を確保するため、警備対策を一層強化する必要がある。

事務事業名:緊急事態発生に備えた体制整備

事務事業の概要
 在留邦人の安全確保及び我が国の権益の保護のため、外務省及び在外公館における危機管理体制を整備・強化する。
有効性
(具体的成果)
 緊急事態発生時の本省連絡体制を定期的に更新するとともに外務省及び在外公館における危機管理に際しての基本事項マニュアルをそれぞれ策定した。また、外務省及び在外公館における危機管理対応に必要な設備の保守及び整備を継続的に行った。これらにより、実際の緊急事態発生時においては、緊急対策本部等を短時間に設置し、円滑に初動体制を整えた。
事業の総合的評価
○ 内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 緊急事態は多様化しつつあり、右を踏まえて常に最善の体制を整備する必要があるので、取組を継続することとする。

【評価をするにあたり使用した資料】


 資料をご覧になる場合は、外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj)のフリーワード検索に資料名を入力し検索をしていただくか、各国・地域情勢をクリックし、当該地域→当該国と移動して資料を探してください。また、国・地域政策以外の分野・政府開発援助につきましては当該外交政策を選び、資料を探してください。
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