省庁共通公開情報

I.実施計画に基づく事後評価

1. 地域・分野

11-7 国際機関における邦人の参画の促進及び邦人職員の増強

国際社会協力部政策課長 大菅岳史
平成18年4月
施策の目標
 国際機関において、より多くの邦人職員が、管理監督を行い或いは専門的事項を処理する地位を占めるようになること
(具体的目標としては、国際機関における邦人職員数(専門職以上)は平成16年1月現在610名のところ、平成21年1月までの5年間で10%増加させる。)
施策の位置付け
平成17年度重点外交政策に言及あり。
平成18年度重点外交政策に言及あり。
モデル事業(平成17年度~平成20年度)
施策の概要
(10行以内)
 近年のグローバル化を背景に、国連等国際機関及び国際機関職員の責務の重要性が高まる一方で、これら国際機関に勤務する日本人職員数は著しく少ない状況にある。
 国際機関等における邦人職員の任用に関する必要な措置をとることを所掌する外務省(外務省組織令第28条第6号)としては、国際機関における邦人職員数の増加と、質的向上(意思決定のラインに当たるポストの確保)を目指し、必要な施策を行うものである。

【施策の必要性】

 国連等国際機関に対する我が国の財政的貢献と比較して、これらの機関における邦人職員は著しく少ない状況にあるところ、国際機関等における邦人職員の任用及び勤務に関する事項を所掌事務とする外務省が責任を持って邦人の参画の促進に取り組む必要がある。

【施策の有効性】(目標達成のための考え方)

 国連等国際機関への就職に向けての広報及び情報提供、また、国際機関勤務希望者への必要な機会・経験の付与及びその採用に向けての国際機関への働きかけにより、近年邦人職員数が大幅に増加(平成14年:521人 →平成18年:671人)しており、今後も着実にこれらの施策を実施することで、さらに中長期的に成果が現れる可能性が高い。

【施策の効率性】(3行以内)

 国際機関における人的貢献の推進は、ごく短期間では成果が上がりにくい事項であるものの、オンライン上の「国際社会協力人材バンクシステム」の整備等により効率的な情報提供が可能となっているところである。

【投入資源】

予算
平成17年度
平成18年度
1,242,687
1,089,914
単位:千円
(注)本省分予算

人的投入資源
平成17年度
平成18年度
4.5
4.5
単位:人
(注)本省分職員数(定員ベース)

【外部要因】

 国連等国際機関における職員の新規採用については、これら機関での空席ポストの出現状況のほか、当該空席ポストに求められる資質・能力に合致する邦人候補者の存在の有無や、他国の候補者との競合といった点によっても、その効果が左右される面がある。

施策の評価

【平成17年度に実施した施策に係る評価の考え方】

 本件施策は、重点外交施策に掲げられているものであることから、通常の評価を行う。

【評価の切り口】

(1)「国際社会協力人材バンクシステム」による情報提供の状況を見ることで、施策目標の達成に向けた、国民間の意識の高まりを見ることができる。
(2)国際機関における邦人職員数を見ることで、実際の施策目標の達成状況を見ることができる。

【目標の達成状況(評価)】

(1)「国際社会協力人材バンクシステム」による情報提供の状況
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
19,289
31,344
41,066
40,364
平成16年
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
9,509
9,763
10,074
10,399
10,518
10,721
10,949
11,137
11,197
平成16年
平成17年
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
11,260
11,418
11,668
11,522
11,725
11,919
12,141
11,814
11,862
平成17年
平成18年
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
11,955
12,015
12,081
12,279
12,399
12,571
12,730
12,858
平成16年
平成17年
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
248
321
407
600
648
693
717
731
739
748
757
766
平成17年
平成18年
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
781
790
796
806
814
821
829
840
850
861
856
(2)国際機関における邦人職員数(国連システムにおける専門職以上。各年1月1日現在。単位:人)
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
521
557
610
642
671(注)
うち幹部職員
59
51
59
60
58
(注)671人がモデル事業の目標値であり、既に達成したと言える。

【評価の結果(目標の達成状況)】(類型化した表現で自己評価する)

「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)モデル事業の目標値は達成した。国際機関における邦人の参画の促進と邦人職員の増強という目標自体は、ごく短期間では成果が上がりにくい事項であるものの、上記のとおり、国際機関における邦人職員数が近年大幅な増加となっており、中長期的な目標達成に向けて、想定以上の成果があったことを示している。

【今後の課題】(評価の結果、判明した新しく取り組むべき課題等)(2行以内)

 より一層の邦人職員の増強を目指す。若干ではあるが、国際機関人事センターホームページへのアクセス件数が減少したことを受け、当センターHP及びその業務について、より周知広報していくことが必要。

政策への反映

【一般的な方針】(2行以内)

 本件施策の目標については、ごく短期間で達成する性格のものではないことを踏まえ、現在行っている事務事業を着実に継続実施していく必要がある。

【事務事業の扱い】


【平成19年度予算・機構・定員要求への反映方針】

 
予算要求
機構要求
定員要求
反映方針

【第三者の所見】(施策に通じた有識者による当該評価に関する所見とする。)

 伊勢桃代 元国連本部人事担当デイレクター、元国連大学事務局
 ここで必要とされていることは、国際職員の増加を目的としたHPやオンラインによる空席の情報提供に関する活動の評価であると理解している。アクセス件数については、平成16年から17年にかけ少々の減数が観られたとは云え4年間に2倍以上に増加したことと、加えて配信数と登録件数の増加も明らかであり、IT による情報提供が必要であることを実証している。ただし、国際機関の職員数を増加するという目的と情報提供を結び付けるのであれば、アクセスした使用者からのアンケートなりデータを増やす努力が必要であろうし、配信相手を個人に限定せず、大学や自治体や政府・企業界をも含めた情報提供に展開していくことが大事であろう。又、配信受領者や登録者が実際採用されていくことが期待されているわけであるから、採用による減少がどのくらいあり、新しい登録者が何人くらいでどういう人達であるかなどのもっと深い分析が必要であり、それによって初めて人事採用という種々なプロセスの中でのIT活用戦略が出来るのではないかと考える。

【評価総括組織の所見】(評価に関する技術的な所見とする。)

 モデル事業として、数値目標が予め設定されており、達成状況も定量的に把握できるので、国民にわかりやすい評価書である。

【事務事業の評価】

事務事業名:国際機関への就職に係る各種資料の各方面への配布

事務事業の概要
 国際機関における邦人職員数(とりわけ幹部職員)の増加を目指すという施策目標の達成に当たっては、幅広い人々に国連等国際機関で勤務することに関心を持っていただくことが重要であるため、国際機関人事センターパンフレット等を大学、地方自治体等に積極的に配布し、当センター業務等の周知を行うもの。
有効性
(具体的成果)
 人事センターホームページへのアクセス件数が大幅に増加しているほか、当センターからのメール配信サービスの配信件数についても、平成18年に入って12,500件を超すなど、確かな増加傾向にある。
 国際機関への就職への関心が高まることによって、真剣に国際機関への就職を目指す邦人が増えることで、実際に国際機関に採用される可能性が高まると考えられることから、本件事務事業は効果がある。
事業の総合的評価
○ 内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 施策目標の達成の観点からは、国際機関勤務を希望する人材の裾野を拡大し続ける必要があることから、引き続き当センター業務等の周知を行う必要がある。

事務事業名:国際機関人事センターホームページ等オンラインによる国際機関への就職に関する情報提供の充実

事務事業の概要
 国際機関における邦人職員数(とりわけ幹部職員)の増加を目指すという施策目標の達成の観点から、国際機関勤務に関心を持った人々を対象に、国際機関人事センターホームページ等オンラインを通じて、国際機関の空席情報や国際機関就職に係る各種イベント等に関する情報提供を行うもの。
有効性
(具体的成果)
 国際機関邦人職員数については、近年30~40人ずつ増加して平成18年には671名に達しているが、これらの者の中には、当センターホームページ等オンラインによる情報に基づき、就職活動をしているものが多いと考えられる。
 真剣に国際機関への就職を目指す邦人に対して、効率的な情報提供を行うことにより、実際に国際機関に採用される可能性が高まると考えられることから、本件事務事業は効果がある。
事業の総合的評価
○ 内容の見直し ○拡充強化 ○今のまま継続 ○縮小 ○中止・廃止
(理由と今後の方針)
 国際機関への就職に当たっては、空席公告をはじめ各種情報を迅速に入手して対応することが必要となるため、引き続き当センターホームページ等オンラインを通じた情報提供を充実させる必要がある。

【評価をするにあたり使用した資料】


 資料をご覧になる場合は、外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj)のフリーワード検索に資料名を入力し検索をしていただくか、各国・地域情勢をクリックし、当該地域→当該国と移動して資料を探してください。また、国・地域政策以外の分野・政府開発援助につきましては当該外交政策を選び、資料を探してください。
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