省庁共通公開情報

政府開発援助(ODA)

I-2 政府開発援助(ODA)

(2)政府開発援助に係る未着手案件、未了案件

(イ).政府開発援助に係る未着手案件(事後評価)

 平成17年度においては、政策評価法第七条第二項第二号イで定められている、政策決定後5年を経過した時点で、当該案件がその実現を目指した効果の発揮のために不可欠な諸活動が行われていない(貸付契約が締結されていない、あるいは、締結されているが貸付実行が開始されていない)有償資金協力案件1件について、案件の目的の実現に向けた取組を開始するために見直すべき点があるか否か、また、社会経済情勢の変化を踏まえ、案件そのものを見直すべきか否かといった観点から評価を行った。評価結果の概要は以下のとおり。
1 案件名(借入国) ジャカレパグア流域環境改善計画(ブラジル)
交換公文締結日 平成12年7月14日
貸付契約締結日
事業目的 リオ・デ・ジャネイロ市南東部のジャカレパグア地域において頻発する洪水による人的・経済的被害の軽減を図り、もって同流域の生活環境改善を図る。
経緯・現状 連邦政府と州の間で連邦政府保証に関する意見の相違があるため、遅延が生じている。現在、ブラジル政府内において調整中。
評価の結果・今後の対応方針 現在、連邦政府と州政府との間で調整中のため、当面の間、ブラジル側の動向を見守ることとする。

(ロ)政府開発援助に係る未了案件(事後評価)

 平成17年度においては、政策評価法第七条第二項第二号ロに基づき、政策決定後10年を経過した時点で、当該案件がその実現を目指した効果が発揮されていない(閣議決定締結から10年を経過したときに貸付実行が未了である)有償資金協力案件計13件について、案件の目的の実現に向けた取組を的確、着実に推進するために見直すべき点があるか否か、また、社会経済情勢の変化を踏まえ、案件そのものを見直すべきか否かといった観点から評価を行った。評価結果の概要は以下のとおり。
1 案件名(借入国) アグサン河下流域潅漑計画(フィリピン)
交換公文締結日 平成7年7月10日
貸付契約締結日 平成7年8月30日
事業目的 ミンダナオ島北部のアグサン川下流域において、灌漑施設を建設することにより、約8,000ヘクタールの灌漑可能農地を開発し、これにより同地域の米の生産の増大及び農民の生活水準向上を図る。
経緯・現状 準備段階での遅延や調達手続きの遅延により事業が遅れていたが、これらの遅延要因は解決し、現在工事はほぼ完了している。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決しており、工事もほぼ完了していることから、貸付を継続し、早期に完了する。
2 案件名(借入国) メトロセブ開発計画(III)(海岸道路)(フィリピン)
交換公文締結日 平成7年7月10日
貸付契約締結日 平成7年8月30日
事業目的 都市交通の効率化を目的とした約8キロメートルの海岸道路の建設を行うことにより、メトロセブの更なる地域経済の発展を図る。
経緯・現状 治安問題及びフィリピン側の予算手当てに関する調整等で事業が遅延したが、これらの要因は既に解決しており、その後工事は順調に進んでいる。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決していること、フィリピン側には事業実施能力が引き続き認められること、メトロセブの急激な都市化、人口増加への対応は依然必要であることから貸付を継続する。
3 案件名(借入国) 地方道路網改良計画(II)(フィリピン)
交換公文締結日 平成7年7月10日
貸付契約締結日 平成7年8月30日
事業目的 全国11州で地方国道の舗装化を行い、安全且つ効率的な地方道路網を確保する。
経緯・現状 調達手続きの遅延や天候不順により事業が遅延したが、これらの要因は解決し、工事はほぼ完了している。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決し、工事もほぼ完了していることから、貸付を継続し、早期に完了する。
4 案件名(借入国) リマ-カヤオ上下水道整備計画(ペルー)
交換公文締結日 平成7年7月24日
貸付契約締結日 平成8年3月27日
事業目的 上水道では無収無効水率の軽減とシステム拡充を実施して水需給バランスの改善を図り、下水道では緊急リハビリと末端システム拡充を実施して地域の衛生環境改善を目指す。
経緯・現状 当初より政策決定から10年を超える貸付実行期間を設定していたものであり、何ら遅延は発生しておらず、現在全ての工事は完了している。
評価の結果・今後の対応方針 当初の予定通り進捗していることから、貸付を継続する。
5 案件名(借入国) 日・タイ技術移転計画(タイ)
交換公文締結日 平成7年9月11日
貸付契約締結日 平成7年9月12日
事業目的 チュラロンコン大学の教育研究水準の向上を図ることにより、タイ国の理工系分野の人材育成及び日本から同国への科学技術移転を促進し、同国の一層の経済発展を図る。
経緯・現状 調達手続きの遅れ、留学生の学位取得の遅れにより事業が遅延したが、これらの要因は既に解決しており、現在事業は順調に進んでいる。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決していること、タイ側には事業実施能力が引き続き認められること、また、事業の必要性も高いことから、貸付を継続する。
6 案件名(借入国) 水力発電所改善計画(アルバニア)
交換公文締結日 平成7年10月26日
貸付契約締結日 平成7年11月28日
事業目的 北部にある既存5水力発電所の設備改善を行うことで、電力の安定供給と発電能力の向上を図り、同国における電力需要の伸びに対応するととともに、余剰電力の輸出とによって外貨を獲得し、同国の経済発展に貢献する。
経緯・現状 電力セクター改革の影響等により事業が遅延したが、これらの要因は既に解決しており、機器の据付はほぼ完了している。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決していること、機器の据付もほぼ完了していることから、貸付を継続し、早期に完了する。
7 案件名(借入国) 二次系送電網拡充計画(パキスタン)
交換公文締結日 平成7年10月26日
貸付契約締結日 平成7年3月22日
事業目的 本事業は220キロボルト送電網の拡充を通じて電力需要増に対応した送電能力を確立すると同時に、効率的な送電システムを構築することで送電ロスを減少させ、エネルギーの有効活用を図る。
経緯・現状 調達手続きの遅延等により事業が遅延したが、これらの遅延要因は解決し、工事はほぼ完了している。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決していること、工事もほぼ完了していることから、貸付を継続し、早期に完了する。
8 案件名(借入国) ジャワ・バリ系統基幹送電線建設計画(インドネシア)
交換公文締結日 平成7年12月1日
貸付契約締結日 平成7年12月1日
事業目的 ジャワ島の新クラテン変電所及び新タシクマラヤ変電所を結ぶ50万ボルト基幹送電線等を建設する。
経緯・現状 通貨危機の影響により調達手続きが遅れたため、事業が遅延したが、これらの遅延要因は解決し、現在、工事はほぼ完了している。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決していること、工事もほぼ完了していることから、貸付を継続し、早期に完了する。
9 案件名(借入国) 防災船調達計画(インドネシア)
交換公文締結日 平成7年12月1日
貸付契約締結日 平成7年12月1日
事業目的 マラッカ・シンガポール海峡におけるタンカー等の船舶事故防止および原油流出事故など災害対応のための専用船を調達・配備する。
経緯・現状 通貨危機の影響による調達手続きの遅れ等から、事業が遅延したが、これらの遅延要因は既に解決し、2隻の防災船は引き渡し済みである。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決していること、防災船の引き渡しも完了していることから、貸付を継続し、早期に完了する。
10 案件名(借入国) 海員学校整備計画(インドネシア)
交換公文締結日 平成7年12月1日
貸付契約締結日 平成7年12月1日
事業目的 船員需要の増加に対応すべく、船員養成のための海員学校を3ヶ所に建設する。
経緯・現状 調達手続きの遅れ等により遅延が生じたため、現在1校は完了したものの、残り2校については調達手続き中である。
評価の結果・今後の対応方針 インドネシア側の海員養成に対する需要は依然強いものの、貸付契約後10年を経てもなお契約に至っていない状況等を勘案し、貸付を終了する方向でインドネシア側と協議を実施する。
11 案件名(借入国) チタリック川流域保全林造成計画(インドネシア)
交換公文締結日 平成7年12月1日
貸付契約締結日 平成7年12月1日
事業目的 チタリック川流域中心とした約3万3千ヘクタールを対象として、土壌侵食を防止するとともに農民の収入増大を図る。
経緯・現状 通貨危機の影響及び1999年地方分権法の施行の影響で事業が遅延したが、これらの遅延要因は解決し、現在事業は順調に進捗している。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は解決していること、インドネシア側には事業実施能力が引き続き認められること、事業の必要性は依然高いことから、貸付を継続する。
12 案件名(借入国) アタパディ地域総合環境保全計画(インド)
交換公文締結日 平成8年1月11日
貸付契約締結日 平成8年1月25日
事業目的 急速に荒廃が進行しているケララ州アタパディ地区において、住民参加による植林、水資源開発などの事業を通じ、持続性のある発展を図りつつ、環境保全を図る。
経緯・現状 事業実施体制整備や住民参加による詳細計画策定の遅れにより事業が遅延したが、これらの遅延要因は解決し、現在事業は順調に進んでいる。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は解決していること、インド側には事業実施能力が引き続き認められること、当該地区における土地の後輩状況に鑑み、事業の必要性は依然高いことから、貸付を継続する。
13 案件名(借入国) カイラン港拡張計画(ベトナム)
交換公文締結日 平成8年3月29日
貸付契約締結日 平成8年3月29日
事業目的 ハイフォン港の東北東約50キロメートルのバイチャイ港の南側に位置するカイラン港の既存の1バースに新たに3バースを増設する。
経緯・現状 準備段階での遅延や調達手続きに時間を要したことから事業が遅延したが、これらの遅延要因は解決し、現在事業は順調に進んでいる。
評価の結果・今後の対応方針 事業の進捗を妨げていた要因は既に解決していること、ベトナム側には事業実施能力が引き続き認められること、北部ベトナム地域の港湾貨物取扱量は増加しており本事業に対するニーズは高いことから、貸付を継続する。
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