省庁共通公開情報

I. 実施計画に基づく事後評価

I-1 地域・分野

(12)国際法の形成・発展に向けた取組

施策名 12-1 国際法規の形成への寄与と外交実務への活用
目標
(1)国際法規の形成への我が国の主張の反映及び新たな国際ルール作りへの積極的貢献
(2)研究会及び意見交換等を通じて得られた国際法に関する知見の外交実務における国際法解釈及び法的な助言への活用等
(3)国際約束に関する情報の集約・活用
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)国際法に関連する主要な国際会合すべてに我が国関係者が出席し、我が国の立場を表明することを通じて、国際法規の形成に貢献するとともに、30回以上の研究会等を通じて得られた知見を基礎に、我が国の国益を踏まえ、海洋権益問題、反日デモをめぐる中国への対応などに際して、案件処理の指針となる国際法上の解釈を提示してきたことは、目標の達成に向けて進展があったことを示している。
今後の課題 平成18年度においても引き続き積極的な取組みが求められるが、近年ルール作りが活発化している国際私法の分野における取組みを一層強化する必要がある。
事務事業の扱い
  • 国際法に関連する各種会合における我が国の立場の主張。そのような会合において、国際法規の形成及び発展の促進。主要な国際フォーラムにおける我が国からの知的貢献→今のまま継続
  • 国際法局長と主要各国のカウンターパートとの協議の実施。→今のまま継続
  • 国際法の諸分野、特に最近の国際情勢に関連がある、または国際法を解釈する上で有益な分野について研究会等を通じた、知見の蓄積・法的な検討への取組。
    (種々の外交案件につき、一般国際法をはじめとする国際法規に基づく解釈を提示し、法的な観点から案件の的確な処理に資する指針の提示。)→今のまま継続
  • 要請に基づく公開講座、大学における臨時の講義の実施。研究者、学生等との意見交換、交流の実施。→今のまま継続
施策名 12-2 政治・安全保障分野における国際約束の締結・実施
目標
(1)我が国の外交・安全保障の基盤的枠組み作り
(2)テロその他の犯罪や大量破壊兵器等の拡散などの国際社会の不安定要因の除去
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)
(1)戦後残された課題である日朝国交正常化交渉及び日ロ平和条約交渉につき、日朝関係において、六者会合及び日朝政府間協議が再開されたのみならず、六者会合においては六者会合として初の共同声明が発表され、その中で北朝鮮が、「すべての核兵器及び既存の核計画」の検証可能な廃棄を約束するなど、重要な前進があったこと、及び日露関係において、プーチン大統領訪日及び日露首脳会談が実現したのみならず、同会談において日露平和条約問題について両国が共に受け入れられる解決を見いだすよう努力することで一致したほか、テロやエネルギー等の分野における12の文書に署名するなど、「日露行動計画」に基づき幅広い分野で両国の協力を一層強化していくことで一致したことは、日本の周辺諸国と安定した関係を築くことにより、我が国の外交・安全保障の基盤的枠組みを構築するという目標に向けて、国際法的論点についても適切に対処しつつ、一定の成果があったことを示している。
(2)テロその他の犯罪や大量破壊兵器等の拡散に関連する条約の締結・実施につき、包括テロ防止条約等の条約の交渉妥結に向け、我が国としての貢献を強化したのみならず、核テロ防止条約、核物質防護条約改正、海洋航行不法行為防止条約の改正議定書等が採択され、日韓刑事共助条約及び国連腐敗防止条約の締結につき国会の承認を得られたことは、我が国における対策を強化するとともに、国際的な法的枠組みの構築及びその下での国際的な協力の実施に寄与し、テロその他の犯罪や大量破壊兵器等の拡散などの国際社会の不安定要因の除去等の目標に向け、着実な成果があったことを示している。
今後の課題
(1)平成18年度においても、引き続き、日朝間の諸問題及び日露平和条約に向けた交渉への積極的な取組が求められる。
(2)テロその他の犯罪や大量破壊兵器の拡散に関する条約については、核テロ防止条約、中国・ロシア等との刑事共助条約等につき締結に向けた準備を進めて行くことが課題となる。
事務事業の扱い
  • 日朝間の諸問題、日露平和条約に向けた交渉に適切に対処
    (法的な検討及び助言を含む。)→拡充強化
  • テロその他の犯罪や大量破壊兵器等の拡散に関連する条約の締結・実施 (法的な検討及び助言を含む。)への取組
    →拡充強化
施策名 12-3 経済・社会分野における国際約束の締結・実施
目標
(1)多角的自由貿易体制の強化と自由貿易・経済連携の推進
(2)国民生活に影響を与える様々な分野での国際的ルール作りへの参画や日本国民・日系企業の海外における利益の保護・促進
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)
(1)経済連携協定につき、平成17年12月にマレーシアとの間で署名(その後、平成18年4月に国会の承認を得た。)。平成18年2月にタイとの間で条文を基本的に確定。また、平成17年度においては、フィリピンとの交渉を継続するとともに、ASEAN全体、インドネシア及びチリとの間での交渉を開始するなどの進展が見られた。
(2)国民に影響を与える経済・社会分野での国際約束につき、平成17年度には6本の条約が国会で承認され、平成18年通常国会には6本の条約を提出するなどの進展が見られた。
(3)我が国の国民や企業が海外において行う経済活動の法的基盤を提供するための二国間協定につき、平成17年度には2本の条約が国会で承認され、平成18年通常国会には4本の条約を提出し(前述の日・マレーシア経済連携協定を含む。)、更に協定作成交渉が進められるなどの進展が見られた。
今後の課題
(1)FTA/EPAが分量的に膨大であるため、締結のための作業量も甚大なものになってきている。取組方法について工夫が必要。WTO新ラウンド交渉についても、交渉結果を条約化する段階が迫っており、法的な検討を強化する必要あり。
(2)国際約束作成に当たって、一層の情報収集や意見交換等により、他の交渉参加国の立場への理解を深め、働きかけを強めることが有益。
事務事業の扱い
  • WTO新ラウンド交渉の成功に向けて最大限の努力を払う。
    また、WTOの紛争解決手続において、日本の主張・立証を行うのに際し、法的な検討及び助言を行う。→拡充強化
  • 東アジア諸国等との自由貿易協定・経済連携協定の交渉・締結及びその実施(法的な検討及び助言を含む。)→拡充強化
  • 環境、人権その他新しい分野における国民生活に直結する国際的ルール作り及びその適切な実施(法的な検討及び助言を含む。)への取組→今のまま継続
  • 社会保障・投資関係の協定への取組等海外における国民の利益を守る法的枠組みの構築及びその適切な実施(法的な検討・助言を含む。)→今のまま継続
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