省庁共通公開情報

I. 実施計画に基づく事後評価

I-1 地域・分野

(11)地球規模の諸問題への取組

施策名 11-1 人間の安全保障の推進
目標 人間の安全保障の概念を普及させ、国際社会に存在する人間の生存、生活、尊厳に対する脅威となっているグローバルな問題の解決への貢献。
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)国連の主要公式文書においてはじめて「人間の安全保障」を明記し、今後、そのフォローアップを通じて「人間の安全保障」の普及に取り組む確固たる基礎を形成することに成功した他、数多くの国際的フォーラムの採択文書において「人間の安全保障」への言及を確保した。現場での人間の安全保障を増進するため、「人間の安全保障基金」、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」による具体的な事業の実施も着実に進展。
今後の課題 国連首脳会合成果文書の「人間の安全保障」関連部分のフォローアップ、「人間の安全保障基金」の実施プロジェクトの事後評価制度の導入。
事務事業の扱い
  • 人間の安全保障基金→今のまま継続
  • 草の根・人間の安全保障無償資金協力→今のまま継続
施策名 11-2 国際的な枠組みを通じた感染症対策への取組
目標 感染症対策への支援
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
  但し、
(1)世界基金に対する拠出金は平成17年の1億ドルから平成18年は1.3億ドルに増加しているが、政府のODA予算、外務省予算が軒並み削減されている中にあって、期待された程の伸びを示すことができず、世界基金事務局やその他一部の世界基金関係者からは失望の念や我が国政府の意向に対する疑念が表明されている。この点においては「部分的な進展」と評価する。
(2)「小さく、効率的な事務局の維持、支援事業・実績のモニタリング及び制度の円熟化に向けた貢献」については、事務局規模の拡大は必要最小限に止めることができ、事務局による透明性確保の努力もあってモニタリングは十全に行える体制にあった。また、現在進行中の戦略文書作成や包括的財政原則の堅持についても、少なくとも現時点においては我が国として満足の行くものであり、「目標の達成に向けて相当な進展があった。」と評価する。
今後の課題 平成19年、20年の世界基金に対する拠出を一層増加することにより、期待される成果の達成に貢献する。
事務事業の扱い
  • 世界基金への拠出→今のまま継続
  • 世界基金の最高意思決定機関である理事会における積極的関与→今のまま継続
施策名 11-3 国際社会における人権の保護・促進のための国際協力の推進
目標 国際社会における人権の保護促進
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)国際社会における人権分野の意見や価値観の相違は、短期的に解消されるものではなく、継続的に積極的な関与が必要であるが、強化された人権理事会の設立等国連での人権主流化の動きや、我が国も共同提出した「北朝鮮の人権状況」決議が国連総会で初めて採択されるなど、その動きは着実に進んでいる。
今後の課題 国連改革の一環として、3月に総会決議によって人権委員会に替わって設置が決定された人権理事会においても、国際社会の人権の保護・促進のため議論に積極的に参加する。
事務事業の扱い
  • 国連総会(第三委員会)、人権委員会(人権理事会)等多国間の枠組みにおける人権分野の議論への積極的参画→今のまま継続
  • 二国間での人権対話の実施を通じた開発途上国の人権の保護、促進→今のまま継続
  • 人権関連分野でのセミナーの開催、国際法模擬裁判の実施を通じた人権分野における知識の普及と意見交換→今のまま継続
  • 国連人権関係基金等への拠出 →今のまま継続
施策名 11-4 国際組織犯罪への取組
目標 国境を越える組織犯罪への対処のための国際的な連携・協力の強化
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)国際的な法的枠組みづくりへの参画については我が国の条約締結について国会承認が得られたこと、多様な国際的枠組の会合に積極的に参加し他国との関係構築を図ったこと、人身取引対策についても政府の施策が浸透しつつある点等があげられる。
今後の課題 犯罪防止に関する一般市民の意識啓発と国際的な連携・協力分野でのより積極的なイニシアティブに努めていきたい。
事務事業の扱い
  • 人身取引対策等、国際組織犯罪対策としての国際協力の取組→拡充強化
施策名 11-5 難民・国内避難民等に対する人道支援を通じた人道問題への取組
目標
1) 大規模自然災害、紛争等により生じた大量難民、国内避難民等に対し国際機関への支援を通じ、人道的な緊急支援を実施。
2) 国内における難民及び難民申請者に対する支援
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)
(1)平成17年度は、インド洋津波支援、パキスタン等大地震被害支援等大規模災害に対する緊急人道支援が行われたが、我が国としては、国連等緊急アピールに早急に応えるべく、迅速な支援実施を行うことが出来たことは評価できる。また、厳しい財政事情の中、人道支援国際機関に対して継続的に資金を拠出することで、国際人道支援業務の円滑な実施に向けての貢献を行うことが出来た。そうした中、グテーレス国連難民高等弁務官、モリスWFP事務局長、エグランド国連事務次長(人道問題担当)、アブザイドUNRWA事務局長等が訪日し、人道支援政策、継続的な協力関係の構築、「人間の安全保障」の考えに基づくパートナーシップの促進について協議することが出来た。
(2)国内における難民及び難民申請者に対する支援については、平成16年度に引き続き、平成17年度も100人を超えるインドシナ難民の家族を我が国に受け入れ各種定住支援を実施し、インドシナ難民受け入れ業務を終了することが出来た。また、平成18年度より、条約難民を対象として実施する定住支援事業の継続的な実施の体制作りを行うことができた。
今後の課題 人道支援への取組は、中長期的視点からの取組、国連等での議論をどのように施策に組み込んでいくか引き続いての検討が必要。我が国での難民等の支援については、今後条約難民定住支援の円滑な実施に向け、後継施設を含めた条約難民の定住支援の支援実施体制の強化を行う必要がある。また関係省庁・NGO等との連携強化によるきめの細かい支援を引き続き追求していく必要がある。
事務事業の扱い
  • 人道支援を行う国連・国際機関、関係国政府への政策提言・協力を行いつつ、現地のニーズに基づいた人道支援の実施→拡充強化
  • 難民の本邦定住促進等のための事業の実施、及び関係省庁、NGOとの連携→今のまま継続
施策名 11-6 地球環境問題への取組
目標
1) 国際機関を通じた支援や条約の策定、締結、実施及び国際会議の開催を通じて地球環境問題への国際的取組への貢献
2) 防災政策の普及を通じた持続可能な開発の支援
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)
(1)京都議定書の発効・運用ルールの確立、G8グレンイーグルズ行動計画の策定、南極条約の環境上の緊急事態から生じる責任に関する附属書(仮称)の採択、ITTA改定交渉の妥結等に実質的に貢献したことにより、国際的なルールの策定、実施に向けた取組みを促進したため。
(2)クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップの発足、DESDや水問題への関心の高揚、違法伐採対策の推進に実質的に貢献したことにより、既存の枠組みがない分野の取組みを促進したため。
(3)世界的な「兵庫行動枠組」の実施を推進し、防災政策の普及に貢献したため。
今後の課題 引き続き、多数国が参加した形での地球環境問題の取組み促進に貢献する。
事務事業の扱い
  • 国際機関を通じた支援、多数国間環境条約の策定・締結・実施を通じた地球環境問題への取組み→今のまま継続
  • 持続可能な開発に関わる新しい課題に対する世界への発信と定着のための取組み→拡充強化
  • 気候変動に関する対話の推進→拡充強化
  • 防災政策の普及を通じた持続可能な開発への貢献→拡充強化
施策名 11-7 国際機関における邦人の参画の促進及び邦人職員の増強
目標
国際機関において、より多くの邦人職員が、管理監督を行い或いは専門的事項を処理する地位を占めるようになること
(具体的目標としては、国際機関における邦人職員数(専門職以上)は平成16年1月現在610名のところ、平成21年1月までの5年間で10%増加させる。)
評価の結果
「目標の達成に向けて相当な進展があった。」
(理由)モデル事業の目標値は達成した。国際機関における邦人の参画の促進と邦人職員の増強という目標自体は、ごく短期間では成果が上がりにくい事項であるものの、国際機関における邦人職員数が近年大幅な増加となっており、中長期的な目標達成に向けて、想定以上の成果があったことを示している。
今後の課題 より一層の邦人職員の増強を目指す。若干ではあるが、国際機関人事センターHPへのアクセス件数が減少したことを受け、当センターHP及びその業務について、より周知広報していくことが必要。
事務事業の扱い
  • 国際機関への就職に係る各種資料の各方面への配布→今のまま継続
  • 国際機関人事センターHP等オンラインによる国際機関への就職に関する情報提供の充実→今のまま継続
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