省庁共通公開情報

I. 実施計画に基づく事後評価

I-1 地域・分野

(7)国際の平和と安定に対する取組

施策名
7-1 日本の安全保障政策に関する外交政策イラク・アフガニスタンの復興・テロ対策、平和活動への自衛隊派遣、2)ASEAN地域フォーラム(ARF)、及び安保対話の実施による地域安全保障促進と協力関係強化)
目標
1)中東地域の平和と安定、繁栄の実現
2)アジア太平洋地域の平和と安定の確保
評価の結果
1)中東地域の平和と安定、繁栄の実現
「目標の達成に向けて進展があった。」
(理由)イラク復興支援、アフガニスタンにおける「テロとの闘い」に対して成果があがっており、また、各国要人より高い評価が示されている。
2)アジア太平洋地域の平和と安定の確保
「目標の達成に向けて進展があった。」
(理由)第12回ARF閣僚会合で、テロ対策、海上安全保障、大量破壊兵器の拡散問題及び地域の防災・災害対策の分野に協力して取り組むことの重要性を確認し、テロ対策等における情報の共有に関する声明が採択され、また、「海上安全保障のキャパシティ・ビルディングに関するARFワークショップ」が東京で開催される等、アジア太平洋地域の平和と安定の確保という目標に向けて、進展があったと言える。
 さらに、二国間の安保対話を行ったことは、各国との相互の信頼関係を高め、安全保障分野での協力関係を進展させる上で有益であった。
今後の課題
1)中東地域の平和と安定、繁栄の実現
 イラク、アフガン等における国際的な安全保障を改善するための国際社会の取組の状況、現地の情勢を踏まえ、我が国の活動のあり方を検討する。
2)アジア太平洋地域の平和と安定の確保
(イ)ARFが安全保障問題について議論するアジア太平洋地域における唯一の政府間対話と協力の場として、「信頼醸成」の段階から「予防外交」の段階に前進しているが、予防外交(具体的な行動)に本格的に取り組むための機能強化が必要である。
(ロ)各国との安全保障分野での協力関係の更なる進展をはかる必要がある。
事務事業の扱い
1)中東地域の平和と安定、繁栄の実現
  • イラク・アフガニスタンでの復興・テロ対策、平和活動への自衛隊派遣に関する事業→今のまま継続
2)アジア太平洋地域の平和と安定の確保
  • アセアン地域フォーラム(ARF)を通じた地域安全保障の促進に関する事業→拡充強化
  • 各国との安保対話を通じた地域安全保障の促進に関する事業→拡充強化
施策名 7-2 国際平和協力の拡充、体制の整備
目標 平和の定着(和平プロセスの促進、国内安定・治安の確保、人道復旧支援)
評価の結果
「目標の達成に向けて進展があった。」
(理由)「平和の定着」支援は対象国・地域における変化する現地情勢や各国・機関等の動向をにらみつつ、我が国として行いうる支援を検討する多角的取組。今年度実施したスーダンPKO(UNMIS)への物資協力は、UNMISに参加する地域諸国の平和に向けた取り組み(オーナーシップ)と組み合わせた協力として初めての試みであり、高い政策的意義が認められる。また、当省よりUNMISに省員を一名派遣したほか、ODAによる1億ドルにのぼるスーダン支援も8割近くが実施中であり、スーダン和平に対し、我が国として包括的な取組を実施することができた。
 また「平和の定着」のための国内体制・人的基盤整備については、今年度から開始した国際平和協力調査員を活用しつつ、例えば国際平和協力セミナーを契機として有識者やNGO関係者とのネットワークの整備・拡充を実施。平和活動の現場における課題(例:軍民協力のあり方)の最新状況について認識を共有し、政策的議論への反映を試みている。かかる取り組みについて、内外有識者・実務者を問わず好意的な評価を得ている。
今後の課題 本年度の実績も踏まえ、引き続きPKOミッション等に対する人的貢献を検討すると共に中長期的な国際平和協力のための拡充・整備により重点を置くことが重要である。
事務事業の扱い
  • 国際平和協力の拡充、体制の整備(含国際平和協力懇談会のフォローアップ) →拡充強化
施策名 7-3 国際テロ対策協力
目標 国際テロ対策への貢献
評価の結果
「目標の達成に向けて進展があった。」
(理由)テロリストは、現在、高度に発達した情報通信技術や国際交通網等の現代社会の特性を最大限利用し国境を越えて活動している。我が国は、テロリストに安住の地を与えず、いかなる国もテロ対策の抜け穴となってはならないという立場から、資金面での援助に加え、各国の国内法整備や人材育成において、ODAを活用しつつ、途上国のテロ対処能力向上支援を実施しているが、テロ対策関連セミナーへの研修員の受け入れ及び専門家の派遣等によって、知見・体験を共有し、参加国のテロ対処能力向上に貢献した。また、各国のテロ対策への取組、課題を克服しようという意思も強化されてきており、我が国の継続的取組が一定の成果を挙げていることを現していると言える。テロ防止関連条約締結促進セミナーにおいて、最終的に、今後各国が条約締結及び履行を行う上での課題及び目標を特定できたことは、同セミナーの趣旨及び目的に即した成果であり、今後の取組に資するものと言える。
 また、国連、G8等の枠組みへの参画及びより多くの国との多国間協議及び二国間協議の実施によって、様々な分野で各国との情報交換や政策協調を行うことは、幅広く実効的な協力体制の強化につながり、国際社会における隙のないテロ対策構築へ貢献していると言える。
今後の課題 テロとの闘いは複雑で息の長い取組が必要とされるものであり、継続的に国際テロ対策協力を行っていくことが重要である。
事務事業の扱い
  • 途上国のテロ対処能力向上支援 →拡充強化
  • 多国間、二国間協議を通じたテロ対策強化の働きかけ →拡充強化
施策名 7-4 国連における我が国の地位向上
目標 国連における我が国の地位向上
評価の結果
「目標の達成に向けて進展があった。」
(理由)「評価の切り口」で提示した3つの観点((1)議論の活性化、我が国の立場に対する国内外の理解促進、支持拡大の状況、(2)国連改革に関する積極的な広報の状況、(3)安保理非常任理事国としての国際社会の平和と安全に関する積極的な取組の状況)からは、大きな進展があった。
 他方、国連における我が国の地位向上と、それを実現するための我が国の常任理事国入りを含む安保理改革については、現時点では具体的な成果に結実していない。しかしながら、安保理改革は、各国の利害が複雑に絡み合う困難な問題であるが、これまで長い間、改革に向けた具体的な動きがとられてこなかったにもかかわらず、第59回国連総会(会期平成16(2004)年9月~平成17(2005)年9月)においては計3本の安保理改革決議案が提出され、また今次総会(会期平成17(2005)年9月~平成18(2006)年9月)においてもすでに2本の決議案が上程され、改革の具体案が提示される段階に至った点は、大きな前進であると評価できる。また、かかる具体案の提示に伴い、加盟国間で安保理改革に関する議論が活発となり、改革に向けた気運が高まっているところ、この面でも着実な進展が見られている。
今後の課題 多数の加盟国の支持を得て改革を実現させるため、米国をはじめとする関係国との協議を通じ、改革の具体案及び改革実現のための方策を検討する。
事務事業の扱い
  • 国連、安保理改革の議論活性化、我が国の立場に対する理解促進と支持拡大→拡充強化
  • 国内では、公開シンポジウムや「安保理改革」をテーマにした外務大臣主催のタウミーティング等を頻繁に開催→今のまま継続
  • 安保理非常任理事国(任期2006年12月末迄)としての貢献の強化→今のまま継続
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