平成19年6月15日(金曜日) 10時30分~12時20分
(1)平成19年度(平成18年度に実施した施策に係る)外務省政策評価書について
(2)平成20年度(平成19年度に実施した施策に係る)外務省政策評価実施計画(案)について
(3)その他
(1)冒頭、藤原考査・政策評価官より、多忙な中、委員の先生方の来訪に謝意を述べ、前回の同会合における指摘への対応及び今年度の政策評価の結果について説明を行った。
(イ)議題1の平成19年度(平成18年度に実施した施策に係る)外務省政策評価書については、総括・概要部分において取りやめを検討していた「外交レビュー」に替わる重点外交政策に沿った外交政策の概観を作成中であり、昨年度は設けていた「評価総括組織の所見」はこの概観の中で反映させる、また3月の省内説明会で長期的な目標に加えて短期的な目標設定についても説明を行ったが更なる改善が必要であること等を述べた。73施策の評価結果は、5段階のうち、上から4段階目の「一定の進展があった」と評価した4施策を除くその他全てが上から2段階目の「相当な進展があった」と3段階目の「進展があった」に評価されて、「達成した」と「進展なし」との評価がなかったこと、また263の事務事業は、「拡充強化」が約3割、「今のまま継続」が6割弱であったのに対し、「内容の見直し」は約20件、「縮小」と「中止・廃止」は1件ずつにとどまった旨述べた。
(ロ)これに対する委員からの発言ポイント(○で表示)及び外務省出席者側からの発言ポイント(●)は次のとおり。
○重点外交政策に沿った形での評価の概観は、評価体系にある基本目標との整合性が取りにくく、評価の要旨としての性格を出しにくいのではないか。概観には、評価書の要旨として、評価書のレファレンス機能があると望ましい。
○中長期的な達成状況を測る評価を行うべきではないか。
○我が国だけでは達成できない目標設定が多い。目標を「達成した」とする施策がないのは、目標の立て方に問題があるか、「達成した」とする基準を設けることに意味がないと考えられる。外交政策の特質があるとは言え、「達成した」との評価がない状態が続くようであれば、基準を再考する余地がある。事務事業には達成度の基準が設けられていないが、事業の方が単年度で目標を立てやすいのではないか。
○ほとんどの施策が「相当な進展があった」と「進展があった」に評価されたが、評価結果は担当課の判断に任せているのか。担当課による絶対評価が基本であるが、省全体のバランスを見た施策間の相対評価も必要ではないか。淡々と進めている施策と努力しているにも拘わらず成果が遅れをとっている施策では、同じ評価でも質が異なるのではないか。また、事業については、「内容の見直し」が狭義に解釈され、ほとんどが「今のまま継続」となっており、本当に改善されていくのか見えてこない。
○事務事業の方が、短期的な達成度については測定可能なのではないか。
○事務事業には第三者の所見はなく、全ての事務事業に対して所見を付すことは困難であるが、施策と事業では見方が異なることから、事業の実効性や効率性についても第三者が指摘を行う余地があるのではないか。
●中長期的な評価については、まだ具体的ではないが、数年毎に進捗状況をまとめることや5年に1回レビューを行うなどが考えられる。評価結果の基準は事前に担当課に対して説明してあり、担当課が出した評価結果を尊重しているが、相対的に見て全体の位置づけを調整することは検討の余地がある。第三者の所見については、施策と事務事業をパッケージにして所見を依頼しているが、第三者の所見のあり方を今後どうするか課題であると認識している。
●予算プロセスとの連携も進められており、抽象論ばかりではなく、具体的な評価結果を求められている。
(2)議題2の平成20年度(平成19年度に実施した施策に係る)外務省政策評価実施計画(案)については、まだ調整中のものではあるが、前年度の実施計画と比較して、新たに基本目標VIIを設けて、分担金・拠出金についても評価を行うこととし、具体的な評価対象はローリング方式で選択していくことを考えている旨説明した。委員から具体的な評価方法について質問があったが、検討中である旨回答した。評価と予算の連携に関連し、藤原考査・政策評価官より、政策評価が実施後一巡してきた昨今、今後の評価システムのあり方等についての議論が出てきている。経済財政諮問会議でも本件が取り上げられ、評価の重点事項が今後、同会議より示される可能性がある旨発言した。
(3)引き続き上月官房総務課長より、政策評価にも密接に関連する最近の外交力強化の取組に関して、6月8日の自民党外交力強化特命委員会の発表など外交力強化に向けた最近の動きと外務省の取組について説明し、意見交換を行った。
(4)最後に、藤原考査・政策評価官より、委員の先生方よりご意見を頂いたことに対して謝意を表し、引き続き一層のご指導をお願いしたい旨述べ、会合を了した。