省庁共通公開情報

外務省政策評価アドバイザリー・グループ第10回会合議事概要

1.日時

 平成20年7月16日(水曜日)14時00分~16時00分

2.出席者

(メンバー)
秋月 謙吾・京都大学公共政策大学院教授、添谷 芳秀・慶應義塾大学法学部教授、廣瀬 克哉・法政大学法学部教授(五十音順)(外務省)
(外務省)
山﨑官房総務課長、八重樫考査・政策評価官、齋木官房会計課長、徳田総合外交政策局総務課首席事務官、石田総合外交政策局政策企画室企画官、伊藤国際協力局政策課長、飯塚国際協力局評価室上席専門官他

3.議題

(1)平成20年度(平成19年度に実施した施策に係る)外務省政策評価書について

(2)平成21年度(平成20年度に実施した施策に係る)外務省政策評価実施計画(案)について

(3)その他
 外交力強化と行政効率化推進の取組について

4.会合経過

(1)議題1:平成20年度(平成19年度に実施した施策に係る)外務省政策評価書について

(イ)まず、八重樫考査・政策評価官より次の通り説明を行った。
 基本的な構成は平成19年度評価書と同じで、施策レベルおよび事務事業レベルで評価を行った。評価の対象とした施策数が昨年度の73から66に、事務事業数が263から231に減少しているのは、霞ヶ関全体で評価の対象をまとめていく傾向にあり、それに沿ったもの。
 平成20年度評価書の特徴は次の3点である。

(a)評価書の立て方は予算書の立て方とほぼ一致している。最も苦労したのは、最後の基本目標VII「分担金・拠出金」。右基本目標の下で3グループに分けて、とりあえず初の試みということで、評価に際しては、各グループから額が大きい、あるいは政策的優先度が高いものを選びサンプル評価を行った。

(b)総務省より、外務省の評価は客観性・具体性に欠けるので、目標とその評価がわかる書き方をするようにとの指摘を受けている。具体的に目標を立て、その評価が分かるような評価の切り口としたが、引き続き来年度以降も工夫していきたい。

(c)一昨年度から取り入れた第三者の所見は、客観性を高める上で有益であると考えている。昨年は所見がない評価シートもあったが、今年はすべての評価シートに第三者の所見が入る見通しである。

(ロ)これに対する委員からの発言ポイント(○で表示)及び外務省出席者側からの発言ポイント(●)は次のとおり。

○施策数及び事務事業数については、評価対象の数や単位を安定的にした上で継続して評価がなされる方がよいと思う。

●対象をまとめた方が大きな視野に立った評価ができるだろうという総務省のアドバイスがあった。施策と事務事業の関係は、前者を全て細分化したものが後者というわけではなく、施策の中の重要な事務事業を評価の単位としている。基本的な方向性としては、数をさらに絞り、まとめる方向である。

○評価対象は、あくまでも評価の観点から減らしているのか。それとも予算との連携という観点からか。

●評価の観点からである。予算との連携という面では、平成20年度の予算要求から、施策レベル評価の要約版を資料として財務省に提出している。

○外交という性格上仕方がないかも知れないが、ここ数年、周年事業を除くと、目標を「達成」してこれで終わるという事業はなく、これではいつまでたっても未完のままである。評価の結果をフィードバックしていることをより分かりやすくするためにも、その年に何をすべきかを設定して、カテゴリーの中の3つ(「相当な進展」、「進展」及び「一定の進展」)に入っているものの見分けをつければ、次の課題が見えるのではないか。達成度は同じでも、そのままのものか、あるいは施策の展開段階として次が求められているのか、外交の中でそういうマネージメントがあることを示せればよいのではないか。

○施策と事務事業の評価のカテゴリーを同じにしてはどうか。1~2年で達成可能な目標を事務事業として設定すれば、「達成」という評価をすることもあり得る。逆に、そもそも施策に「達成」というカテゴリーを設ける意味はないかもしれない。

●ご指摘頂いた点は理論的には興味深いので、検討したい。なお、たとえば、日・アフリカ関係について評価する場合、担当者は目標を「達成」したと評価することをもって、外部(読み手)には日・アフリカ関係には何も問題がないと受けとられることを懸念しているのではないかと思う。

○今のカテゴリーに従えば、事務事業が目標を達成して終わったときはどのカテゴリーに入れるのか。

●現在は「中止・廃止」のカテゴリーに入るが、工夫が必要だろう。

●読んでいてメリハリのわかる評価書にという点については工夫したい。それでは、平成20年度(平成19年度に実施した施策に係る)外務省政策評価書について、だいたい御了承頂いたと理解してよいか(委員御了承)。

(2)議題2:平成21年度(平成20年度に実施した施策に係る)外務省政策評価実施計画(案)について

(イ)まず、八重樫考査・政策評価官より次の通り説明を行った。
 体系は現在と同じだが、工夫したのは以下の3点である。

(a)予算との連携に配慮した。

(b)先ほども説明した評価の大括りを進めるため、関係課室の理解を得ながら、統合できる具体的施策を積極的に統合した。

(c)ODAについては従来第三者評価(国別評価)を基に評価を行っていたが、予算との連携に留意し、予算額の大きな事業を事務事業として評価することとした。

(ロ)これに対する委員からの発言ポイント(○で表示)及び外務省出席者側からの発言ポイント(●)は次のとおり。

○施策と事務事業の書き方があまり変わらない部分がある。事務事業については、具体的なプロジェクトがイメージできるような書き方ができないか。

●事務事業についてはできる限り具体的に記述するよう、省内に働きかけたい。

○今の書き方では、毎年内容的に同じようなものが続き、組み合わせが変わるだけになってしまう。2~3年の目標を設定し、今年は目標に近づけたとか、ロードマップをイメージして前に動いているという感じが出た方がよい。

○ODAについて、これまでは施策と事務事業について違う観点から書かれているという印象を持っていた。今度はこれまでの施策の書き方に合わせて事務事業を書き換えたわけだが、その場合施策と事務事業の区別がつけられるのか。

●事務事業は幅広い事業の中からポイントとなる事業を選んでおり、全体としての経済協力(施策)とは重ならない具体論を書く。他方、確かに、たとえば平成20年度施策評価において、切り口1に「世論調査の変化」とあり、これは平成21年度実施計画では事務事業 1)「ODAの理解促進」と重複している。何を切り口にするかは現在も試行錯誤の段階だが、政策としての切り口を施策レベル評価で出して書くことにより、切り分けができるのではないかと思う。

○前回会合で、在外公館について単体では評価できないという説明があったが、それは窓口評価を拒否していることにならないか。在外公館はサービス提供施設として代替のない役割を果たしており、評価は可能と思う。その場合、評価を利用者に委ねてはどうか。

●在外公館の利用者に対するアンケート結果は外務省ホームページに掲載している。また、基本目標IV領事政策の中の「IV-1領事サービスの改善・強化」にも一部掲載している。

○アンケートをしているならそれを追跡調査してきちんとプレイアップしてはどうか。政策評価とどのようにリンクさせるかという課題はあるが、サービス提供機関として受給者側からも評価してもらうことを検討してほしい。

(3)引き続き、山﨑官房総務課長より、政策評価にも密接に関連する最近の外交力強化の取組及び外務省行政効率化推進計画に関して説明し、意見交換を行った。

(4)最後に、八重樫考査・政策評価官より、委員の先生方より貴重なご意見・ご助言を頂いたことに対して謝意を表し、会合を了した。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る