1.日時
平成23年7月25日(月曜日) 午後2時~午後5時
2.場所
外務省666会議室
3.出席者
- (委員)
- 建畠晢分科会長,手納美枝分科会長代理,南直哉委員長,青山伸一委員,縣公一郎委員,上野田鶴子委員,上子秋生委員,吉本光宏委員
- (外務省)
- 村田広報文化交流部長,米谷文化交流課長,徳永考査・政策評価官室首席事務官他
- (国際交流基金)
- 小倉理事長,坂戸理事,柳澤総務部長,土井経理部長,平野総務部次長 他
4.議題
- (1) 平成22年度の業務実績の評価(案)について(小項目,中項目,総合評価)
- (2) 第2期中期目標期間の暫定評価(案)について
5.議事概要
- (1) 平成22年度の業務実績の評価(案)について
冒頭,徳永官房考査・政策評価室首席事務官より,独立行政法人の業績評価に当たって,業務・マネジメント等に係る国民の意見募集を行い,その結果を評価に適切に反映させるべく,22年度国際交流基金業務実績報告書に対するパブリックコメントを外務省ホームページにて募集したが,寄せられたコメントはなかった旨報告。
- ア コンプライアンス部会活動報告
- 青山委員部会長より,コンプライアンス部会における議論および部会評価コメントについて報告が行われた。
- イ 小項目(26項目)
- 議論の結果,小項目(26項目)の評定は,「No.1:一般管理費の平成18年度比15%削減」「No.2:業務経費の毎事業年度1.2%以上削減」「No.14:文化芸術交流事業の重点化」「No.17:日本語事業の重点化」「No.19:日本語能力試験」「No.20:海外日本語教師に対する施策」「No.22:海外日本研究の促進」「No.25:海外事務所・京都支部の運営状況」がロ評定,右以外の15項目についてがハ評定となった。3項目が評定の対象外となった。審議における委員からの主なコメントは以下のとおり。
- 一般管理費について,目標の平成18年度比15%程度削減を上回って削減されており,人件費についても計画を上回って削減されている。中期計画の数値目標の達成と,事業の効率化の促進という意味では評価するが,国際文化交流事業の効果的な実施という目的にかんがみ,単に一般管理費を減らすことを評価対象とすることには疑問なしとしない。
- 行政刷新会議による事業仕分けの指摘事項をふまえ,平成22年度中に342.8億円の運用資金を国庫返納したが,外貨建債券の売却により累計10億円余の為替差損が実現した。この為替差損は,円貨建の売却益で補填され結果として赤字にならなかった。債券保有は常に下落のリスクを伴うものであり,独立行政法人はリスクをとってまで運用すべきではないのではないか。これは政府の定めたルールに則って行っていることから法人自体の問題ではないが,そもそも債券を保有する業務上の必要性についてどう考えるかについても議論の余地があり,今後引き続き当評価委員会において注視する必要がある。
- 文化芸術交流事業の重点化について,中期計画に定めた重点化が具体的に実施されている。国内事業を原則廃止し,政府の政策方針に沿った事業等海外事業への重点化の実施状況は評価に値する。但し,国内事業の廃止による国際交流基金の国内におけるプレゼンスの低下が,海外における国際交流事業にマイナスの影響を与える可能性にも留意し,そのような悪影響を避けるため,下に述べるとおり,国内広報等においてより一層の工夫を行う等の協力が必要である。
- 日本語事業に関し,他国が行っている自国語教育機関の海外展開の規模等に鑑み,他国機関に比して法人としての規模が小さい国際交流基金が中期計画の目標である100機関を上回るメンバーの拡大を実現したことを評価したい。
- 広報について,広報誌「をちこち」のウェブマガジン化等工夫が見られるが,事業広報についてはまだ移行期であるとの印象がある。SNSの使い方についてもう少し工夫が必要。基金の国内での認知度を上げられるよう期待したい。
- ウ 中項目(16項目)
- 小項目の議論を踏まえて審議した結果,中項目(16項目)の評定は,「業務の合理化と経費節減」及び「海外における日本語教育,学習への支援」がロ評定,右以外の項目については11項目がハ評定となった,3項目が評定の対象外となった。
- エ 総合評定
- 今回の国際交流基金分科会における小項目及び中項目の評定に関する議論及び,「行政刷新会議による事業仕分けへの対応」についての指摘を踏まえ,事務局が原案を作成し,第2回分科会にて議論することとなった。
- (2)第2期中期目標期間の暫定評価(案)について
業務実績説明会において基金から説明した第2期中期目標期間の実績に基づき,事務局が策定した原案に対する,委員からのコメントを踏まえ事務局にて修正案をまとめた上で,第2回分科会にて同案について議論することとなった。