省庁共通公開情報

外務省独立行政法人評価委員会
第2回国際交流基金分科会

1.国際交流基金の海外事務所報告に関する新聞報道(8月14日付読売新聞)について

 基金より事実関係、現状、外部への説明責任等についての基金の認識等を説明した。委員からは、監事監査等の対外公表文書の表現については、基金の公的な性格に照らし、さらに慎重を期すことが望ましい旨述べた。

2.平成18年度業務実績評価について

(1)小項目(31項目)の評定案及び「評定の決定理由及び指摘事項等」

 イ.S1、A26、B1、対象外3項目につき了承。

 ロ.B評定となった「施設・設備の運営」の項目に関し、宿泊施設月別稼働率について説明した他、一般の宿泊施設を利用した場合や空室コストの分析作業に着手しており、今後指摘事項フォローアップで説明していく旨説明した。これに対し、委員より以下の発言があった。

(イ)今後、宿泊施設稼働率だけではなく、日本語教師研修事業をトータルに評価する指標を考えていくことを希望する。宿泊施設稼働率だけの指標はなじまないと考える。例えば、どれくらいの満足できる業務量をこなしたかということが分かる指標などが望ましいと考える。

(ロ)宿泊施設の稼働率だけだと、ホテル経営になってしまう。例えば教室の利用・稼動状況なども含めて見る必要があろう。勿論、宿泊施設稼働率も定量的な参考資料になるが、これだけが全面的に強く出すぎている。

 これに対し、右委員発言を受けて、久枝統括役より、元研修生からは、同じ目的を持つ各国の日本語教師達と生活も共にしながら研修生活を送れたことがよかったとの感想が寄せられており、こういったことも宿泊施設を併設していることの効果ではないかと考える旨述べた。また、宿泊施設稼働率以外の指標に関し、他に何があるか検討する旨述べた。

(2)中項目(20項目)の評定案及び「評定の決定理由等」

 A16、B1、対象外3項目につき了承。

(3)総合評価

 第1回分科会後に事務局にて委員の意見をとりまとめた案を了承。なお、同案には、独法整理合理化計画論議における主要課題の一つとされるラスパイレス指数の適正化(国家公務員との5%以上の差)について継続的な対応を求める趣旨を記載。

3.第1期中期目標期間の業務実績評価について

(1)中項目(20項目)の評定案及び「評定の決定理由及び指摘事項等」

 A17、対象外3項目となった。なお、本分科会の冒頭に国際交流基金から説明のあった報道記事に関しの評価委員会としての処理を検討した結果、1)評価の信頼性に影響がない点、及び2)基金が自主的に措置済みである点を委員会が認める旨を評定表に残すこととなった。

 具体的には、中項目「その他」(海外事務所の運営状況を含む項目)の「評定の決定理由及び指摘事項等」欄に、以下の文章を追記。

 「なお、中期目標期間中に、一部の海外事務所において、内部通達に規定する定期業務報告が本部に提出されていないことが報道されたが、当評価委員会において事情を聴取した結果、本件が評価に影響しないことが認められた。また、海外事務所における報告の負担軽減を図るため、関連する内規改正もすでになされていることも認められた。」

(2)総合評価

 以下を末尾に「III追記」として盛り込んだ事務局案を了承。

 「現在、国際社会を展望すれば、諸外国ではあらためて文化外交が政策的に重視されている。とりわけ、中国や韓国などが近年急速に文化交流と自国語・自国文化の紹介事業を強化している事実は、我が国文化交流事業の海外展開において考慮されるべき重要な要素であろう。翻って国内においても、最近の政府の政策ビジョンや各種提言において、海外日本語普及の政策的重要性や、世界の若者の間での新しい日本への関心の増大に適切に応える必要が指摘されている。

 文化外交のいわば国際競争が激しくなりつつある今日、将来のわが国の対外関係の安定(平和)と国際社会における地位、発言力の確保(繁栄)のために、文化交流を一つの重要な柱とする外交力をオールジャパンで一層強めてゆくことが求められている。そのためには、内外の諸公的機関、海外進出企業や在留邦人NPO、大学など、官民の多様な担い手の良きパートナーとして連携をさらに深める核となりつつ、文化交流へのさらなる国民の参加を進め、国民の理解と支援を広げることが基金の責任ではないだろうか。国際交流基金の評価と今後のあり方を考えるにあたっては、このような長期的なわが国の利益の観点も重要であろう。

 各独立行政法人が政府の厳しい財政状況を認識し、一層の効率化に継続的に取り組むことは必須であり、国際交流基金においても同様であるが、同時に、長期的な国益とのつながりについても併せて考察する必要がある。」

4.その他

 最後に、藤原評価官から、8月10日に閣議決定にて独立行政法人整理合理化計画を主務大臣が作成することが決定している旨を報告するとともに、及び9月以降の作業日程について紹介した。

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