1.日時
平成23年7月11日(月曜日) 14時00分から16時00分
2.場所
外務省南庁舎6階666号室
3.出席者
- (委員・専門委員)
- 青山伸一委員,上子秋生委員,出雲明子専門委員,猪鼻聡専門委員,建畠国際交流基金分科会長(基金部分のみオブザーバー参加)
- (外務省)
- 麻妻考査・政策評価官,徳永考査・政策評価官室首席事務官,高橋広報文化交流部文化交流課首席事務官,辻国際協力局政策課首席事務官,他
- (国際交流基金)
- 土井経理部長,平野総務部次長,下山経理部次長,他
- (国際協力機構)
- 乾総務部次長,小池資金・管理部次長,越知調達部次長,他
4.議題
平成22年度業務実績にかかわるコンプライアンス部会評価コメントの決定
5.議事概要
(1)青山部会長の議事進行により,国際交流基金及び国際協力機構の平成22年度業務実績のうち,コンプライアンス部会「評価のポイント」について,関連する小項目毎に検討を行い,部会評価コメントを決定した。
(2)委員からの主な指摘事項
ア 国際交流基金
小項目No.3「機動的かつ効率的な業務運営」
- 内部統制について,組織全体としてリスクを把握し,対応すると共に,適切な再発防止を行う環境整備が行われており評価できる。法人の長がリーダ-シップを発揮し諸課題を把握して対応を指示する環境も整備され有効に運用されている。監査についても特にコメントはない。今後は,新たに設置されたコンプライアンス推進委員会が実効性あるものとして,内部統制がより一層強化されることを期待。
- 随意契約の見直しについては,自主点検や契約監視委員会での議論の結果を反映した改善措置が適切に実施されている。ただし,個々の契約の類型ごとに,適正価格での契約がより良く保証される方法の検討など,引き続き見直しに向けた努力は必要である。1者応札・応募については,今後も要因を確認するとともに,解消に向けた努力を期待する。その他,再委託件数や関連公益法人との契約についても運用上の改善がなされており,契約・調達にかかわる取り組みについては,努力及び一定の成果は認められるが,今後も継続的な取り組みが必要と考えられる。
小項目No.8「予算・収支計画・資金計画及び財務内容の改善」
- 不要資産の国庫返納に向けた取り組みについて,現在保有する職員宿舎の個々の必要性の精査及び不要分の処分について検討を継続されたい。なお,東日本大震災の被災者向け提供住居リストに含まれる宿舎について,利用の要望があれば適切に対応されたい。
- 金融資産について,外貨建て債券の運用は政府の定めたルールに則って行っていることから,基金自体の問題ではないが,今後も外貨建て債券の運用・監理については注視する必要がある。
イ 国際協力機構
小項目No.1「組織運営の機動性向上」
- 統合効果をより発揮するためにも,海外拠点の配置適性化に向けたより具体的な検討が望まれる。また,国内拠点の見直しに向けた検討をさらに進めることを期待する。なお,施設運営・研修実施に係るコスト削減の各施策も継続して実施してもらいたい。
小項目No.2「事務手続きの効率化」
- 随意契約については,数値目標未達の原因は,主に在外契約について相手先が決まっている在外研修などがあるためとしているが,今後も目標達成に向けた努力は必要である。契約監視委員会の活動状況や成果については概ね良好と判断できる。
- 一者応札・一者応募については,JICA独自の登録制度を廃止し契約対象者を拡大する等,その削減に向けた努力は評価できるが,目標値に達していないこともあり,今後も引き続き努力が必要である。
- JICAにおける契約形態の特徴として,企画競争・公募等(いわゆる競争性のある随意契約)の件数,金額が多いことがあげられるが,プロセスの透明性を明らかにするため,第三者による審査を行う制度を試行的に行っており高く評価できる。今後は,同制度の定着化に向けた更なる努力を行う必要がある。なお,競争性の担保状況について,特に競争性のない随意契約から移行された契約については重点的に,継続したモニタリングが求められる。なお,全般を考慮すると,既に数値目標を掲げることにより全体として契約の適正化が進むという局面ではなく,個々の類型ごとの契約手法の適正化を考えるべき状況となっているものと考える。
小項目No.24「不要財産の譲渡等の計画」,No.25「重要な財産の譲渡等の計画」
- 独立行政法人通則法の改正を踏まえて不要財産と整理された保有資産について,売却手続き,売却価格等に問題はない。重要な財産の譲渡と共に,計画に沿った順調な手続きがなされている。
小項目No.31「監査の充実」
- コンプライアンス態勢の強化については,現地版のコンプライアンス・マニュアルの作成,コンプライアンス研修の実施等,運用上の試みが認められる。今後,その試みの成果につき検証していく必要がある。新たに整備された包括的かつ横断的なリスクモニタリングの体制の運用等を通じて,コンプライアンスに係る職員の意識向上及び内部統制の一層の充実が望まれる。法人の長のマネジメントについては,理事長がリーダーシップを発揮しつつ組織運営・業務遂行にあたるとともに,必要な情報収集,議論を行いつつ,組織のミッションや課題を役職員に浸透させるよう努めている。
- また,図らずも内部統制が機能していることの証左として,東日本大震災の対応に当たっては,法人の長のリーダーシップの下,関係者の安否確認や国内拠点の被害状況の把握,国内拠点を活用した被災者支援を含むJICAとしての震災支援等について迅速に対応を行っている。