1 日時
平成24年8月23日(木曜日)16時00分から18時00分
2 出席者
(委員)
井口武雄委員長,建畠晢国際交流基金分科会長,白石国際協力機構分科会長,青山伸一委員,縣公一郎委員,上子秋生委員,小松浩委員,手納美枝委員,都丸潤子委員,榛木恵子委員,吉田和浩委員,吉本光宏委員,出雲明子専門委員
(外務省)
木寺官房長,越川国際協力局長,芝田国際文化交流審議官,細野考査・政策評価官,鈴木国際協力局政策課長,米谷広報文化外交戦略課長他
(国際交流基金)
櫻井理事,柳澤総務部長,下山経理部長,古屋総務部次長他
(国際協力機構,以下JICA)
渡邉理事,植澤総務部長,山田企画部長,新井人事部次長,木野本財務部次長他
議題
- (1) 国際交流基金の平成23年度財務諸表に関する意見について
- (2) 国際交流基金の平成23年度及び第2期中期目標期間の業務実績に関する評価
- (3) JICAの平成23年度及び第2期中期目標期間の業務実績に関する評価
- (4) 国際交流基金の役員給与規程の改正について
- (5) JICAの役員給与規程の改正について
- (6) JICAの中期計画の変更について
- (7) 国際交流基金の退職役員の業績勘案率について
- (8) JICAの退職役員の業績勘案率について
4 議事概要
- (1)冒頭,井口委員長から,開会の辞に続き,委員の出席が定足数を満たし会議が成立していることを確認した。続いて,木寺外務省官房長から挨拶があった後,井口委員長が議題について確認を行い,委員各位の了承を得た。
- (2)【国際交流基金】の平成23年度財務諸表に関する意見について,細野考査・政策評価官より,国際交流基金分科会での決定に従い,評価委員会から外務大臣に対し,財務諸表の承認に異存なしとの意見書を提出する案を説明し,了承を得た。(なお,JICAの財務諸表については,6月18日付で評価委員会から「承認に異存なし」との意見書を外務大臣に提出済み。)
- (3)【国際交流基金】の平成23年度及び第2期中期目標期間の業務実績に関する評価について,建畠国際交流基金分科会長から,以下のとおり分科会での議論の結果について報告がなされ,平成23年度業務実績評価,第2期中期目標期間業務実績評価のいずれも,分科会での取りまとめどおり決定された。
ア 平成23年度業務実績評価について
- 26の小項目の評定について分科会の結論は,「ロ評定」が「一般管理費の平成18年度比15%削減」,「業務経費の毎事業年度1.2%以上削減」,「外交政策を踏まえた事業の実施」,「文化芸術交流事業の重点化」,「日本語事業の重点化」,「日本語能力試験」,「海外日本語教師に対する施策」,「海外日本研究の促進」,「海外事務所・京都支部の運営状況」の9項目,「ハ評定」が14項目,基金に該当しない項目が3項目であった。
- 16の中項目の評定については,「ロ評定」が「業務の合理化と経費節減」,「国際文化交流に係る外交政策を踏まえた事業の実施」,「海外における日本語教育,学習への支援」,「海外日本研究及び知的交流の促進」,「その他」の5項目,「ハ評定」が8項目,該当しない項目が3項目となった。
- 総合評価案の主なポイントは,次のとおり。
- (全般的評価)
- 全般的評価としては,平成23年度は,第2期中期目標期間の最終年度であり,中期計画に掲げた業務運営の効率化に関する事項や各事業分野の実施事項等,総じて順調な取り組みがなされたと評価できる。
- 平成22年12月に閣議決定された「事務・事業の見直しの基本 方針」に対しても,引き続き適切に対応したことを確認した。
- 基金の活動の3本の柱である文化芸術交流,日本語教育,日本研究・知的交流の各分野において,外交政策上必要な事業を精査し,重点化した上で着実に実施していると評価する。
- 特に,海外日本語教育事業については,従来の支援型からより能動的な日本語普及事業の展開に重点をシフトする方針を打ち出し,計画を上回り優れた実績を挙げていると高く評価する。
- また,東日本大震災からの復旧・復興を図る「東日本大震災復興基本法」に基づく取り組みとして,復興に向かう日本の姿を海外に紹介する事業等,積極的な事業展開を実施したことを評価する。
- (今後考慮が必要な事項)
- 今後考慮が必要な事項としては,随意契約の見直しに向けた更なる努力が必要であるが,その際「真に随意契約によらざるを得ないもの」を今以上に明確に区分するなど,契約の適正化についての評価方法の再検討が望まれる。
- 一般管理費や人件費等の合理化努力は必要であるが,一方で,職員の能力の維持・向上や士気の低下を防ぐ取り組みにも留意する必要がある。
- 国内における国際交流事業が大きく削減されている現状において,基金が海外で展開している有意義な事業や基金が蓄積している情報を如何に日本国内に伝達するかが課題である。
イ 第2期中期目標期間に係る業務実績評価について
- 16の中項目の評定については,分科会の結論は,「ロ評定」が「業務の合理化と経費節減」,「海外における日本語教育・学習への支援」,「海外日本研究及び知的交流の促進」,「その他」の4項目,「ハ評定」が9項目,該当しない項目が3項目となった。
- 総合評価案の主なポイントは次に述べるとおり。
- (全般的評価)
- 全般的評価としては,中期期間業務実績については,掲げられた定量的目標値の達成も含め,十分な成果を挙げたと評価できる。
- 特に業務運営の効率化に関する事項では,一般管理費の削減において,目標値を上回る削減実績を挙げるなど,その取り組みを高く評価する。また,外部人材の活用や事業部門におけるチーム制の導入,外部との連携強化など,組織運営の見直しも積極的に取り組んだことが伺える。
- 日本研究分野では,外交上の必要性を踏まえ,米国・中国・韓国に重点化しつつ,各地の状況に即して日本研究フェローシップや中核的日本研究機関への包括的支援等,適切な事業スキームを用いて日本研究を促進した。外部アンケートでも高い評価を得るにいたった。
- (今後考慮が必要な事項)
- 今後考慮が必要な事項として,文化芸術交流の分野については,外交上必要性の高い事業への重点化の取り組みが,様々な工夫を凝らし実施されており,高く評価すると同時に一方で,平成22年度以降,文化芸術交流分野での国内事業を基金は原則的に実施しないことになったが,このことが「文化の交流」や「文化の協働」の足かせになることがないか危惧する。基金の活動や基金が有する多くの情報を如何に日本国民に伝達して行くかが大きな課題と考える。
- 実施した事業の効果を確実に把握し,その評価を次の事業企画に反映させるPDCAサイクルの運用には,事業対象国の事情を踏まえた地域・国別方針が不可欠であるが,その方針に則した目標設定のもと,事業分野を越える柔軟性を持ちつつ,機動的に事業スキームを運用することが重要である。
- 東日本大震災後に高まった海外の人々の日本に対する関心を,より深い日本理解につなげる事業や,震災の経験を国際社会と共有することで日本が国際貢献をする事業等を行い,日本と世界の人々との連携を強化することに留意するべきである。
(4)【JICA】の平成23年度及び第2期中期目標期間の業務実績に関する評価について,白石JICA分科会長から以下のとおり分科会での議論の結果について報告がなされ,分科会でのとりまとめのとおり決定された。
(以下,白石分科会長による分科会報告)ア 平成23年度業務実績評価について
- 32の小項目の評定につき,分科会の結論は,「ロが12項目」,「ハが17項目」,「対象外が3項目」となった。23の中項目の評定につき,分科会の結論は,「ロが9項目」,「ハが12項目」,「対象外が2項目」となった。
- 「総合評価」の主なポイントは,次のとおり。
- (全般的評価)
- 平成23年度業務実績については,より質の高い事業を推進すべく,技術協力,有償資金協力,無償資金協力の3つの援助手法を一体的に運用した包括的な支援,内外の関係者との開発パートナーシップの推進,発展の段階に応じた連続的な支援,研究機能と対外発信の強化に取り組み,統合効果の一層の発揮や,効率的かつ透明性の高い組織運営において成果を上げてきたと評価できる。
- 「統合効果の発揮」について,統合時に掲げられた,援助の迅速な実施,援助効果の拡大,援助効果の普及・展開の3S(Speed up,Scale up,Spread out)は,統合後の制度改革,各種援助手法を有機的に組合せた協力,国内外の多様な関係者との連携等によって発現してきている。具体的に,円借款案件審査を終了した48案件のうち,36件において技術協力との連携が形成段階から計画され,技術協力の成果を,資金協力を通じてスケールアップさせる連携においても,国際的に注目されうる事例等が実現したことを確認した。
- 「業務の質の向上」については,効果的な事業の実施,環境社会配慮,ボランティア事業,NGO等との連携,国民参加支援,災害援助等協力,調査及び研究において取組が進展し,優れた実績を挙げたと評価する。
- 「業務運営の効率化」については,海外拠点の事務の合理化,国内拠点の配置計画の最適化を念頭に置いた包括的な見直し,契約監視委員会を通じた随意契約の着実な見直し,経費の効率化目標の達成等を確認した。
- (今後考慮が必要な事項)
- 各スキームの連携がスムーズに行われ,一層の相乗効果が発揮されるよう,引き続き本部の部課室の継続的な見直しを進めるとともに,職員の能力強化に取り組む必要がある。
- 一者応札・応募の改善について,コンサルタント等契約において対策が講じられているが,引き続き契約の適正性確保に向けて,不断の努力が求められる。
- プログラム・アプローチを一層進め,3つの援助手法の一体的な運用を通じた開発課題に対する包括的な協力を推進し,協力効果を発現できるように引き続き取り組むことを期待する。
- 人件費の抑制について,引き続き取組が求められるが,モラールの低下や人材の流出に繋がらないよう,適切な配慮を合わせて行うことが求められる。
イ 第2期中期目標期間に係る業務実績評価について
- 23の中項目の評定につき,分科会の結論は,「イが2項目」,「ロが6項目」,「ハが13項目」,「対象外が2項目」となった。
- 「総合評価」の主なポイントは次に述べるとおり。
- (全般的評価)
- 第2期中期目標期間の業務実績は,統合を機に掲げたビジョン,「全ての人々が恩恵を受ける,ダイナミックな開発(Inclusive and Dynamic Development)」に沿って,グローバル化に伴う課題への対応や公正な成長と貧困削減,ガバナンスの改善,人間の安全保障の実現を使命とし,中期目標・中期計画の達成に向けた取組を着実に行うとともに,更なる自己改革を精力的に進めてきた。中期目標期間終了時において,中期計画で定めた目標は全て達成されたほか,中期目標期間を待たずして目標値を達成したものについても,さらに努力を継続したことは高く評価できる。
- 「統合効果の発揮」について,開発途上国の開発課題により戦略的に対応すべく,中長期的なプログラム目標を設定し,その達成に向けて,3つの援助手法を一体的かつ有機的に運用していくプログラム・アプローチを推進するとともに,迅速化を実現した点が評価できる。また,組織運営や人事管理においても一体的な運営が定着したことが認められた。
- 「業務の質の向上」について,事業に関する横断的事項,国民等の協力活動,災害援助等協力,調査及び研究において,中期計画で定めた目標を上回る取組を進め,事業の改善につなげる等,実績を上げている。
- 「業務運営の効率化」については,運営費交付金を充当する業務経費について,業務委託,旅費制度,研修制度,随意契約,各種手当の見直し等に取り組み,目標としている毎事業年度1.3%以上の効率化を達成したほか,運営費交付金を充当する一般管理費,人件費についても目標を上回る効率化を達成したこと等を確認した。
- (今後考慮が必要な事項)
- 第3期中期目標の下では,プログラム・アプローチを一層進め,より高度・多様な開発課題に対応できるように,国別分析の質の向上,事業構想力の向上,案件採択・事業予算の予見性の向上等に取り組むことを期待する。また,国別分析ペーパーを着実に完成させ,知見の蓄積を図るとともに,多様な関係者との共有を期待する。
- 調査及び研究について,政策実施機関としての優位性を発揮し,国際的な援助潮流に影響を与えるべく対外発信を更に強化していくとともに,事業形成・実施へのフィードバックを一層推進し,将来の事業や他国の参考にもなる調査や研究を行うことを期待する。
(5)平成23年度業務実績評価作業の締めくくりにあたり,井口委員長から,「委員長所見」をとりまとめた旨説明があった。委員長所見案については,特段の意見はなく原案どおり了承された。また,平成23年度業務実績評価及び第2期中期目標期間業務実績評価の結果については,独立行政法人通則法第32条及び34条に従い,政策評価・独立行政法人評価委員会(以下,政独委)に通知すると共に外務省のホームページで公表する旨,説明があった。
(6)【国際交流基金】及び【JICA】の役員給与規程の改正について,独立行政法人通則法第53条の規定に基づく通知として,国際交流基金及びJICAからそれぞれ,「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(平成24年3月施行)における指定職の棒給表改定及び給与減額支給措置に準じた改正内容などについて以下ア,イのとおり説明があった。これに対し委員より,以下ウのとおりコメントがあったが,評価委員会としては特段の意見はない旨決定した。
ア 国際交流基金役員給与規程の改正について(国際交流基金の説明)
- 平成24年4月1日より,1)平成23年人事院勧告に基づく平成24年4月以降の役員本俸の改正,2)1)の本俸改定を平成23年4月から適用したと仮定した場合の給与額と実支給額との較差相当分を解消するための平成24年6月期末手当における減額調整,3)平成24年4月から平成26年5月まで(2年2ヶ月)の9.77%の給与及び賞与の減額支給措置,を行った。
イ 国際協力機構役員給与規程の改正について(JICAの説明)
- 平成24年3月1日より,1)平成23年人事院勧告に基づく平成24年4月以降の役員本俸の改正,2)1)の本俸改定を平成23年4月から適用したと仮定した場合の給与額と実支給額との較差相当分を解消するための平成24年6月特別手当における減額調整,3)平成24年4月から平成26年3月まで(2年)の9.77%の給与及び賞与の減額支給措置,を行った。また,平成24年4月1日より,平成23年度までの実施としていた地域手当の支給割合引き下げ措置(「一般職の職員の給与に関する法律」(昭和25年4月施行)に準拠し,本俸の100分の18となる役員の地域手当について,総人件費削減のための取組の一環として100分の16に据え置くもの)を24年度も継続する。
ウ 委員からのコメント(括弧内は独法側の回答)
- 人事院勧告に基づく役員本俸の引き下げについて,準拠している国家公務員指定職の棒給表で平均0.51%の引き下げが行われたのに比べ,各法人の役員本俸はそれ以上の減額幅となっている(例えば国際交流基金の規程改正では,理事長は0.61%減,理事は0.62%減)のは何故か。
(各法人における本俸の引き下げ幅が1000円刻みであるため,公務員以上の引き下げ幅を選択すると減額率が大きくなるもの。) - 毎回,公務員の引き下げ幅を上回ることを選択し続けると,一定期間の前後で比較した場合に,公務員の下げ幅と大きな乖離が生じるのではないか。また,職員給与との関係なども懸念され,今後の対応にあたっては何らかの検討を行っては如何。
(ご意見を踏まえ検討して参りたい。)
(7)【JICA】の中期計画の変更について,JICAから以下アのとおり概要の説明があった。これに対し,以下イの質疑応答を経て,「申請のとおり承認することに異存なし」との委員長名の意見書を外務大臣に提出することとなった。
ア JICAによる概要説明
- 第2期中期目標期間に生じた積立金の処分及び債券の回収により取得した資産の取扱いに関し,関連法令の規定に基づき,第3期中期目標期間における業務の財源として充当する金額について,6月29日付けで外務大臣から承認が得られたところ,中期計画の別表(予算,収支計画及び資金計画)の変更が必要となる。
- また,独立行政法人通則法第46条の2の規定に基づく不要財産として,8月10日付けで施設整備資金及び留保資金の国庫納付に係る外務大臣認可が得られたことから,併せて同別表の変更を行いたい。
- 具体的には,予算について「前中期目標期間繰越積立金取崩収入」(新規項目)として,安全対策経費及び事業継続計画経費に係る外務大臣承認額1,043百万円を計上し,これに伴い,予算,収支計画,資金計画の業務経費の金額などを変更する他,資金計画の「不要財産に係る国庫納付による支出」について施設整備資金及び留保資金の国庫納付額(約34.5億円)を反映するなど。
(なお,積立金の処分,回収金の取扱い,不要財産の国庫納付のいずれについても外務大臣の承認乃至認可に先立ち,独立行政法人評価委員会において書面審議が行われ,「承認に異存なし」との意見書を提出ずみ。)
イ 質疑応答(括弧内は独法側の回答)
- 前期中期目標期間からの繰越金の使途については,法人側の発意によるものか。 (繰越金については,安全対策経費及び事業継続計画経費に使途を限定した形で財政当局から承認を得ているが,当該使途については,JICA側より申請したもの。)
(8)【国際協力基金】の退職役員の業績勘案率について,細野考査・政策評価官より,3月に開催された評価委員会の決定(役員1名の業績勘案率を「1.1」とする)に対し,政独委から再審議を促す意見が示された旨を理由と共に説明し,再審議が行われた。再審議の結果,井口委員長より,3月の評価委員会において活発かつ真摯な議論を経て各委員の意見を基に決定したものではあるがとしつつ,政独委の意見も踏まえ,当該退職役員の業績勘案率を「1.0」とする事務局案について異論はない旨が確認され,国際交流基金へ通知することとなった。
(9)【JICA】の退職役員の業績勘案率について,細野考査・政策評価官から,業績勘案率の決定方法(留意事項等)について説明した後,JICAから当該役員(3名)の業績について,また,事務局より業績勘案率(案)について説明した。続いて,同役員の業績及び業績勘案率の決定にあたって考慮すべき事情等について審議を行った結果,対象役員2名については業績勘案率を「1.0」とし,対象役員1名については以下の理由により業績勘案率を「1.1」とすることが決定された。
退職役員1名の業績勘案率(1.1)の決定理由
独立行政法人化とともに理事長に就任し,国際場裡における日本政府代表としての様々な任務や,国際機関の長を10年にわたり努めてきた経験等を通じて培ってきた高い見識,人脈とリーダーシップによって,2期8年半の長期に亘って法人の経営を担い,顕著な成果を上げた(中期目標期間の業績評価において,第1期は4項目,第2期は2項目で最上位の評価)。特に,以下の事項については高く評価される。また,基準業績勘案率(1.1)から減算する要因はない。
- 職員数,事業規模及び援助手法(技術協力,有償資金協力,無償資金協力を一元的に扱う)において世界最大級の二国間援助機関の発足となる旧国際協力銀行(海外経済協力業務)との統合を円滑に実現し,第2期中期目標期間を通じて,3つの援助手法の一体的運用のための組織運営と人事管理体制を定着させ,事業面でも事業の迅速性の向上と協力効果の拡大を実現した。
- 様々な改革に取り組み,現場機能の強化を実現すると共に,人間の安全保障の視点を反映した平和構築・復興支援を早期から迅速に実施する体制を確立し,国際的に課題とされてきた人道援助と開発援助のギャップの解消に大きく貢献した。
- 日本政府が国際的なリーダーシップを発揮するアフリカ及びアフガニスタンに対する支援に重点的に取り組み政府の国際公約の達成に大きく貢献すると共に,国際会議における共同議長などを務め,両地域に対する支援において国際的にも主導的な役割を果たした。
- 研究所の設立を通じて国の内外に向けた発信機能の強化を図り,国際的な開発パートナーシップを強化する一方,国内においては国民参加の促進や自治体,NGO,民間団体・企業との連携強化を実現した。
- 第1期は一般管理費について,第2期は業務経費,一般管理費,人件費において,それぞれ中期目標を上回る経費の効率化を達成した。事務手続きの効率化や契約の適正化にも着実に取り組み,中期目標を達成した。
(9) 最後に,外務省の越川国際協力局長と芝田国際文化交流審議官,桜井国際交流基金理事及び渡邉JICA理事より,長期間にわたる評価作業について評価委員会委員各位の尽力に謝意を申し述べると共に,指摘された事項を踏まえ引き続き業務改善及び質の向上にしっかりと取り組む旨の挨拶があった後,井口委員長より閉会を宣言した。