平成20年8月27日(水曜日)16時30分から17時30分
(委員)
南直哉委員長、井口武雄委員長代理兼国際協力機構分科会長、建畠晢国際交流基金分科会長、縣公一郎、入江容子、川上照男、手納美枝、榛木恵子、渡邉紹裕の各委員及び青山伸一臨時委員
(外務省)
林官房長、八重樫考査・政策評価官、門司広報文化交流部長、松永広報文化交流部長代理、中川文化交流課長、渡邉国際協力局参事官、梨田国際協力局政策課長他
(国際交流基金)
雨宮理事、櫻井総務部長、茶野経理部長、清水総務部次長
(国際協力機構)
黒木理事、大部企画部長
(国際協力銀行)
岡村開発業務部長
(1)国際交流基金
(イ)平成19年度財務諸表に関する意見
(ロ)平成19年度業務実績評価
(ハ)役員給与規程の改正
(2)国際協力機構
(イ)平成19年度財務諸表に関する意見
(ロ)平成19年度業務実績評価
(ハ)国際協力銀行海外経済協力部門統合に伴う中期目標、中期計画の改定
(ニ)国際協力銀行海外経済協力部門統合に伴う業務方法書の改定
(1)冒頭、南委員長から、開会の辞に続き、議題について説明を行い、委員各位の了承を得た。
(2)その後、議事に入り、まず、平成19年度財務諸表に関する意見について、八重樫考査・政策評価官より、各分科会での決定に従い、財務諸表を承認することについて異存がない旨の意見書を評価委員会から外務大臣宛に発出する旨説明し、了承を得た。
(3)次に国際交流基金の平成19年度業務実績評価を行った。まず、建畠国際交流基金分科会長から、資料にもとづき以下のとおり概要の報告がなされ、分科会の取りまとめどおり決定された。
○国際交流基金の業務実績については、小項目について「S評価が1項目」、「A評価が22項目」、「B評価が1項目」、「評価対象外が2項目」であった。中項目については、「A評価が13項目」、「B評価が1項目」、「評価対象外が2項目」であった。
(注)評定対象外は、小項目No.9(中項目No.7)(短期借入金の限度額)、同No.11(中項目No.9)(剰余金の使途)であり、いずれも平成19年度においては実績がなかった。
○平成19年度の独立行政法人国際交流基金の業務実績全体を俯瞰すれば、主要な中期的数値目標の達成に向けて1年目として順調な効率化・経費節減を行っているとともに、各事業分野ごとに中期計画に沿って総じて順調に事業を行ったと評価できる。
○特に日本語能力試験事業は、基金の所管する海外受験者数が37.4万人、受験料収入の基金への還元額は前年度比で77%増の220百万円となり、費用効率を高めつつ受験者の顕著な増加を達成し、費用対効果の点でも極めて良い成績である。
(4)次いで国際協力機構の平成19年度業務実績評価に移り、井口国際協力機構分科会長から、資料にもとづき次の報告がなされ、分科会の取りまとめどおり決定された。
○国際協力機構の業務実績については、31の小項目の評定につき、分科会の結論は、「Sが1項目」、「Aが27項目」、「対象外が3項目」となった。また、19の中項目の評定につき、分科会の結論は、「Aが17項目」、「対象外が2項目」となった。
(注)評定対象外は、小項目No.6(外務大臣の要請への対応)、同No.24(中項目No.13)(短期借入金の限度額)、同No.26(中項目No.15)(剰余金の使途)であり、いずれも平成19年度においては実績がなかった。
○総合評価の主なポイントは、次のとおり。
(5)今時評価作業の締め括りにあたり、南委員長から、平成19年度業務実績評価に関し、「委員長所見」という形でとりまとめ、発表する旨説明があった。
(6)続いて、国際協力機構の国際協力銀行海外経済協力部門統合に伴う中期目標及び中期計画の改定につき、南委員長から、独立行政法人通則法第29条3項及び第30条3項によれば、これらを変更するときは、「あらかじめ、評価委員会の意見を聴かなければならない」ことになっていることを説明し、国際協力機構分科会での議論の模様について、井口分科会長から次のとおり説明し、分科会の決定のとおり了承された。
○改定のポイントは主に3点ある。1点目として、「はじめに」に、昨今のODAを取り巻く状況を踏まえた課題や、新JICAが、技術協力、有償資金協力及び無償資金協力の3つの援助手法を一元的に実施する総合的な援助機関として、統合効果を最大限発揮し、国際競争力のある援助が展開できるよう、一層質の高い業務の実施に努めるべき旨が記述された。2点目として、「統合効果の発揮」という目標が新たに設定された。3点目として、3つの援助手法が一体的に取り組むべき目標が「横断的事項」として整理された。
○13府省庁との法定協議において「政府開発援助以外の公的資金(OOF)との連携を図る」旨が追記された他、主な変更点として、PCIによる不正経理等の事案を踏まえ、執行状況のチェック体制を強化する主旨で修文を行った。
○これらを踏まえ、分科会で議論した結果、機構の中期目標・中期計画改正案について、異存なしで合意した。
(7)また、国際協力機構と国際協力銀行の海外経済協力部門との統合に伴う業務方法書の改定について、南委員長から、独立行政法人通則法第28条3項によれば、これらの変更を認可するときは、「あらかじめ、評価委員会の意見を聴かなければならない」ことになっていることを説明し、この件に関する国際協力機構での議論の模様について井口分科会長から次のとおり説明し、分科会の決定のとおり了承された。
○業務方法書には、法人の具体的な業務の方法の要領が記載されている。現行業務方法書は、JICAが独法化した際に作成したものだが、今回、統合後のJICAの業務内容が変更されることに伴い修正を行った。主な変更点は、1)現行JBICの業務方法書をもとに、「有償資金協力に関する業務」を作成したこと、また、2)「無償資金協力の実施の促進に関する業務」を「無償資金協力に関する業務」に変更し、必要な修正を行ったことである。これらを踏まえ、分科会で議論した結果、機構の業務方法書改正案について、異存なしで合意した。
(8)南委員長から、8月1日に国際交流基金が新たに非常勤理事を置くため、役員給与規程を変更したことについて、独立行政法人が役員報酬の支給基準を変更した場合は、独立行政法人通則法第53条に従って、主務大臣から評価委員会に通知され、評価委員会はこれについて主務大臣に意見を申し出ることができる旨説明した。これを受け、国際交流基金から役員給与規程の変更点について説明を行い、建畠国際交流基金分科会長から、特に意見なしとの分科会の結論を報告した。評価委員会としても、特に異論はなく、分科会の案どおり特に意見なしと決定した。
(9)以上の審議を受け、林官房長から、今回の会合においては例年の業務実績評価に加え、国際協力機構の中期目標、中期計画の改定案等多岐に及ぶ議題を審議いただき、大変貴重な指摘、助言を頂き、感謝するとともに、外務省としても、ODAの信頼性確保を含め、今回の評価を踏まえ、両法人の業務の一層の適正化、合理化に努め、両法人の着実な発展に向け鋭意努力したい旨発言した。
また、雨宮国際交流基金理事から、経営のあり方を含め、今後とも様々な改革に取り組んでいきたい旨述べた。また、黒木国際協力機構理事から、10月1日に新JICAが発足するが、引き続き改革に前向きに取り組んでいくとともに、ODAを巡る不正事案の再発防止のためにチェック体制の強化に努めていきたい旨発言した。
(10)最後に、9月末で退任予定の川上委員、城山委員への感謝の意が表明され、南委員長が閉会を宣言した。