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第13回外務省独立行政法人評価委員会議事概要

1.日時

平成19年1月19日(金曜日) 14時01分から16時19分

2.出席者

(委員)
南直哉委員長、東田親司国際交流基金分科会長、井口武雄国際協力機構分科会長、縣公一郎、伊藤るり、伊奈久喜、上野田鶴子、浦田秀次郎、建畠哲、西尾隆、榛木恵子の各委員

(外務省)
別所国際協力局長、山本広報文化交流部長、深田国際協力局審議官、上月官房総務課長、藤原考査・政策評価官、中井文化交流課長、上村国際協力局政策課長、和田無償資金・技術協力課長他

(国際交流基金)
久枝統括役、柳澤企画評価部長

(国際協力機構)
黒木理事、粗総務部長、大部企画・調整部長

3.議題

(1)国際交流基金の退職役員3名の業績勘案率

(2)国際交流基金の役職員給与規定の改定について

(3)平成17年度評価における評価委員会の指摘事項に対するフォローアップについて

(4)新中期目標等について
  (イ)国際交流基金
  (ロ)国際協力機構

4.議事概要

(1)冒頭、南委員長による開会の挨拶に引き続き、南委員長から、上記議題に基づく議事進行につき委員各位の了承を得た。

(2)議題に入り、藤原考査・政策評価官から、「外務省独立行政法人の役員の退職に係る業績勘案率の決定方法について」を含む、業績勘案率の決定方法について説明が行われた。引き続き、国際交流基金(以下「基金」)より、平成18年に退職した3名の役員の業績について説明が行われた後、藤原考査・政策評価官から、上記決定方法に基づき監事1名の基準業績勘案率は1.0に決定されること、2名の理事の基準業績勘案率については、各年度の独立行政法人評価の結果から機械的に算出した場合の業績勘案率は1.2となるが、総務省の「審議会」が決定した「役員退職金にかかる業績勘案率に関する方針」及び基金が改革の途次にあること等を踏まえて検討した結果、標準の業績勘案率である1.0を提示したとの説明があった。これを受けて審議が行われ、3名の役員の業績勘案率(案)を1.0とすることが最終的に了承された。
 また、南委員長から、3名の業績勘案率(案)については、総務省の「審議会」に通知するが、同「審議会」から異見がない場合には、再度審議を行うことなく、業績勘案率(案)を委員会としての正式決定としたい旨を提案し、了承された。

 主なやりとりは以下のとおり(○は委員から出された質問・意見、●は事務局側の回答)。

○ 業績を評価する際に、前歴に関する情報も参照することは出来ないのか。

● 制度的にどうなっているか確認したい。

○ 退職してから1年近く経っている役員もあり、業績勘案率の決定が遅いことが気になる。

●本評価委員会と総務省の「審議会」において審議される必要があり、遅くなった背景には審議のタイミングという技術的な理由がある。

○事情があることは分かったが、決定が遅い即ち、支払いが遅れるということも事実であり、意見としては残していただきたい。

(4)続いて、柳沢基金企画評価部長から、基金の役職員給与規定について、国家公務員指定職と同様の改定が必要であること、ラスパイレス指数抑制対応及び人件費全体の削減への対応の必要性等を踏まえて、国家公務員指定職平均改定率(△6.65%)にさらに△1%の追加削減を含む改定を平成18年12月1日に行ったことについて説明がなされた。委員から意見はなく、了承された。

(5)次いで、平成17年度評価における評価委員会の指摘事項に対するフォローアップについて、基金及び国際協力機構(以下「機構」)から説明がなされた。

(イ)基金
 一般管理費削減の一環として給与制度改革を実施した。事業目的等の明確化・外部評価の実施については、次期中期目標期間内に成果指向の評価を導入すべく平成18年度中に評価手法の見直しを進める。平成18年度事業計画策定にあたっては、外交上の必要性に基づく検討の上で、事業費の重点的配分を図った。他団体との連携については、平成18年度評価において、連携の成果を可能な限り定量的に算定する評価手法の導入を検討する。施設・設備の運営については、例えばJET青年日本語研修において、附属機関の稼働率を高める一策として、研修参加者の受益者負担を増やして参加人数を増加させた。市民青少年交流は、具体性をもったテーマに絞り込んで、適当な団体・個人の派遣あるいは招聘を行うなどの改善を図る。海外事務所については、果たすべき機能及び役割を更に明確化し、在外公館の業務との関係を一層明確に整理した上で、外部リソースや現地職員の活用に努める旨の見直し案を外務省が基金に提示する。

(ロ)機構
 在外強化について、独立行政法人化後の諸改革の中間総括を実施し、課題と対応方針を整理中であり、在外レビューの結果を踏まえて適切な範囲で在外シフトを推進している。関連公益法人等との随意契約については、19年度からプロポーザル方式の導入を進める。効果的な事業実施のため、JBIC(国際協力銀行)との統合準備の一環として、パイロット国を選び、国別の事業方針に関するJBICとの調整を進めている。NGO等との連携推進については、海外ドナー機関等の取組を参考にしつつ現場レベルで適切な連携のあり方を検討していく。男女共同参画については、各事務所のジェンダー担当者が積極的な役割を果たすために担当チームとの連携を強化している他、専門家等に対しては非違行為防止とともにセクハラ等に対する注意喚起を行っている。国民等との協力活動の充実に向けては、ボランティアの派遣人数の目標達成に向けて概ね順調であるとともに、「地球ひろば」への訪問者も増加し、NGO等に活用されて活発な活動を展開している。寄附金の受入については、今後積極的に受け入れるための具体的な方策の検討を進めている。また、20年度の新JICA(機構)発足に向け、JBIC、機構それぞれの在外体制について情報交換を始めている。

 主なやりとりは以下のとおり(○は委員から出された質問・意見、●は事務局側の回答)。

○ 基金の評価の施設・設備の運営において、JET青年日本語研修実施の際に、参加費用の受益者負担を増やすことによって参加人数を増加させたとは如何なる意味か。

● 参加者の自己負担額を増やすことによって一人あたりの基金の負担額を減らして、一定の予算で参加者数を増やした。

○ 機構のフォローアップの説明全般では、「検討予定」又は「方針である」との表現ぶりが多かったが、検討中のものは実行するとの理解で良いか。

● 日々の業務においては何をいつまでに行うかを明らかにして目標管理を行っているところ、記述も見直すようにする。

○ 機構の開発教育支援において、教師海外派遣以外も充実させていく方向か。

● 開発教育のフォローアップは戦略的に行っている。開発教育関連人材のネットワークを活用するほか、開発教育と市民参加協力に関する5か年計画を策定中である。

○ 機構の男女共同参画において、セクハラ等問題が発生した際の対応の基準と手続きはどうなっているか。

● 人事部等にも確認の上改めて回答する。

○一般管理費の削減に関し、人件費削減の取組によるラスパイレス指数の低下への影響についてもしっかりフォローする必要がある。

(6)次に、基金及び機構の次期中期目標の議論に入る前に、藤原考査・政策評価官から、12月8日の前回会合以降これまでの動きについて報告がなされ、また、政独委の委員を務められている縣委員より、「各法人の状況に応じて削減目標の多様化、あるいは必要に応じてはもはや削減ではなく充実といった方針をとっても良いのではないか、また、充実の方向で、当評価委員会が積極的に発言して良いのではないか」との提言がなされ、委員長等からも同感の意が示された。その後、山本広報文化交流部長(「基金」について)及び別所国際協力局長(「機構」について)から、次期中期目標案について説明がなされた。

(イ)基金
 事務手続きの簡素化や競争契約等の推進により一層の業務効率化を進める。次期中期目標期間においては、外交政策上必要な事業を効率的かつ効果的に実施する。文化芸術交流においては、ポップカルチャーの要素を取り入れた事業の実施、民間企業からの寄附金等により経費の効率化に留意する。日本語教育については、初歩的な日本語教育を行って裾野を広げ、JICAや関係省庁と協力してオールジャパンとして取り組む。日本語能力試験については、経費縮減を促進する観点から受益者負担を適正化する。日本研究については、中核となる機関等を重点的に支援する。海外事務所は、外部リソースや現地職員の活用、海外事務所間の連携に努める。財務内容については、自己収入の拡大に努める。

(ロ)機構
 組織運営の機動性の向上のため、在外強化の取組を一層促進する。業務運営全体の効率化のために、随意契約の妥当性について外務省独立行政法人評価委員会による検証などの仕組みを導入する。包括的な効率化目標による効率化を進めつつ、効率化が業務の質の低下をもたらすことがないようにモニタリング手法の確立に努める。改正機構法の施行に向け統合準備を適確かつ着実に進める。各事業については、青年招へい事業では開発教育効果にも配慮しつつ技術研修へ絞り込む。国民の参画促進等の観点から寄附金受入を積極的に行う。

 主なやりとりは以下のとおり(○は委員から出された質問・意見、●は事務局側の回答)。

○ 基金の日本語能力試験について、受益者負担を適正化するとあるが、適正の基準如何。

● 効率的な検定試験を多く行うために、主に受験料の見直しを念頭においている。

○ 基金の日本語教育について、関係省庁や民間と連携しつつ、オールジャパンとして日本語教育に取り組むとあるが、如何なる連携を図るのか。具体的に連携を鳥瞰できる資料を提出頂きたい。

● 文部科学省、JETRO、民間の学校も視野に入れた連携を検討している。世界の日本語教育については現在綿密な調査を実施中である。

○ 機構において、具体的な成果等も含め情報提供と広報活動の充実を図るとあるが、調査研究の充実化を図るということか。また、国民の理解を深めるためには、途上国へもたらした成果のみならず、日本や日本人にとっての意義・意味まで広げて取り組んでもらいたい。

● 成果の広報は工夫していきたい。調査研究も改正機構法に明記されたことから、体制を強化していく考えである。

○ 機構において、外部委託に関する記述が削除されているのはなぜか。

● 外部委託については今期中期目標期間に進展があり、外部委託による効率的な事務処理を進めるという認識は定着したと考えている。

● 管理業務はほぼ委託に移行している。また、今後も業務軽量化の取組みは続けていく。

○ 機構の寄付金受入活動の積極的展開について、どのように進めていく考えか。

● NGOとの間で寄付金獲得の競争をすることは想定していない。機構の事業を補完するような、NGOとの共同事業に充てるなどの整理が必要。開発教育や機構の事業の広報等の側面も十分認識し進めていきたい。

 南委員長から、今回提示された新中期目標案は議論のたたき台であることから、追加の意見・質問等は期日までに事務局へ連絡し、委員から提起された諸点を踏まえつつ委員長、東田基金分科会長及び井口機構分科会長によってとりまとめられ、次回会合において新中期目標(最終案)について報告するとの手続きが提案され、これが了承された。

(7)最後に、藤原考査・政策評価官から連絡事項の説明があり、南委員長から、長時間に亘り、各委員より貴重な指摘や発言を頂いたことへの謝意を表明し、併せて今後の協力も要請して、閉会を宣言した。

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