
第437回 外務人事審議会議事要旨
1.開催日時:
平成17年11月9日(水曜日)17時~18時25分
2.開催場所:
霞ヶ関庁舎(北庁舎幹部会室)
3.出席者:
高垣佑委員(会長)
有馬真喜子委員
武政和夫委員
下村満子委員
林貞行委員
塩尻幹事(官房長)
片上副幹事(人事課長)
能化副幹事(在外公館課長)
伊藤中東アフリカ局参事官(報告者)
4.議題:
- イラク情勢について
- 外務省の人員体制に関する提言について
- 在勤諸手当の改定に関する勧告について
- 質問主意書について
- 国家 I 種採用活動の結果について
5.議事要旨:
報告者から、最近のイラクにおける政治プロセス、治安情勢及び我が国の復興支援について説明し、その後、質疑応答が行われた。
「外務省の人員体制に関する提言(案)」について、委員から意見が出され、最終的な提言文がまとまった。
副幹事から、本年度の国家 I 種採用活動の結果について報告した。
在勤諸手当の改定に関する勧告及び質問趣意書については、別紙のとおり。
(別紙)
第437回外務人事審議会議事概要
(在勤手当関連部分)
1.在勤諸手当の改定に関する勧告について
(1)副幹事から、1名の委員から、在勤手当について中長期的に留意することについては、基本的課題への対応という形で表現するのが良いという意見が出された旨紹介し、他の出席委員も支持した。
(2)委員から概要以下の意見があった(カッコ内は副幹事からの回答ないし補足説明)。
- 格差がないと言うとすればおかしいのではないか。
- イラクやアフガニスタンの住居手当を改善すべきではないか。
- (住居手当については、前回の意見に従い、アフガニスタン、セルビア・モン テネグロ、サンパウロが列記されている。イラクについては、大使館の別棟に合宿生活をしているため、館員は住居手当支給を受けていない状況。アフガニスタンの場合には、例えば2階建ての一軒家を6,000ドルで借りる場合、現在男女の別もなく3人で住んでいて、プライバシーも確保出来ない。現在3人で各2,000ドルを払っていたところを、せめて2人で住むようにしたい、つまり一人3,000ドル払えるようにしたいということである。)
- サンパウロ、セルビア・モンテネグロ以外の具体例を挙げることはできないのか。(限定列挙よりは例示の方が良いというご意見もあった。セルビアは館員の過半数が8万円の自己負担をしており、サンパウロは、ブラジルの通貨が対ドルで20%も上昇しているという状況があり6万円の自己負担をしている。)
- 実際に自己負担している分は後に支給されるのか。(否。住居手当が引き上げられた時点からのみ負担が減るということである。)そのような場合、企業ならば実費を支給するところである。
- サンパウロがそうならば、リオ等も当然同じであろう。(特にサンパウロが深刻である。)
- 前回、具体的国名を列挙するよう求めたので、これでいいのではないか。
- 「在勤基本手当の水準回復を図る」というそもそも論と、主要国や企業との比較との関係につき、考え方を整理しておいた方がよいと思う。個人的には比較の結果、3,4割削減された水準を回復するということであると思った。
- 削減される前の水準に回復したらそれでいいという話なのか。国情も変わっているし、そういうわけではないのではないか。(主要国、民間企業と比較した時に在勤手当は2~3割低いというデータがあったので、それを元に戻せば大体前の水準に戻るという指摘もあった。)
- 以前、在勤手当の水準を元に戻さければ主要国と同様のレベルに戻らないことを踏まえた主張で良いのではないか。
- 我々は何回も議論しているから分かってきているが、一般の人は実情をよく知らない。最近色々な人に(在勤手当について)話をすると、こんなに削減されたのかと皆びっくりする。
- テレビなどを見ている人は皆外務省はひどいところだと思ってしまうので、こういう時こそ、萎縮することなく堂々と言うべきだ。
2.質問主意書について
委員からの要望に従い、副幹事より蓮舫議員からの質問主意書につき、概要を説明したのに対し、概要以下の意見があった(カッコ内は副幹事からの回答ないし補足説明)。
- この主意書は、鈴木議員のものと同じか。(共通点が多い。)
- 在勤手当に関し、あたかも非常に高いかのように言われているが、外務人事審議会では低すぎることを心配している、実際には(ニーズとの間に)ギャップがありすぎる。
- 答弁書の三.に「主要国の外交官及び日本企業の駐在員の給与や手当と比べて、必ずしも高額であることはない」と書いてあるが、高いけれど非常に高いわけではないという印象を与える。低い、ということを明記すべきである。(複数の委員が同意見)
- 必ずしも低くないのに、こんな勧告を出すのかということになってしまう。我々は外務省と利害関係はないので、客観的にものを言っているつもりだ。
- 不遜になってはいけないが、外務省には言うべき事は言って頂きたい。