
2011インターン実習レポート
アジア大洋州局 南部アジア部 南西アジア課
慶應義塾大学法学部政治学科三年
嘉戸明日香
1)実習中の業務内容
次回日インド共同声明案・関連資料の作成
過去の日インド共同声明と、P5諸国(安保理常任理事国5カ国)とインド間の最近の共同声明等関連資料を収集・分類、さらにこれらを参照しながら、次回日インド共同声明に盛り込むべき内容を考案しました。目まぐるしく変化する国際情勢に留意しつつ、様々な分野にわたる二国間・多国間双方の交渉の進展状況などを調査しました。
新総理、新政務三役(外務大臣・副大臣2名・政務官3名)それぞれの、南西アジア課所管国(インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブ)との関係の調査
各人のブログや国会答弁の記録から、上記諸国に関連する発言を探し出し、各国への訪問歴や要人との会談歴を調査しました。
南西アジアに関する講演用資料のためのデータ収集
各国の貿易額や、地域内の貿易依存度などの最新の数値を、各国ホームページやIMF発行のデータブック(省内の図書館に所蔵)を参考に調査しました。
BIMSTEC(ベンガル湾多分野技術・経済協力イニシアチブ)に関する説明用資料に、近年開催された会合の内容や変更点など、最新の情報を追加し修正する作業もおこないました。
2)業務に携わった感想
- 上記の業務内容の中でも最も強い思い入れがあるのが、日インド共同声明案の作成です。安全保障、経済、文化など、あらゆる分野にまたがる二国間あるいは多国間の動きを把握するのには長い時間と労力を必要としましたが、様々な多国間協定の存在など調査中に初めて知った事柄も多く、大変勉強になりました。各国の共同声明を徹底的に分析するという作業を通じて、外交とは何たるかを学び、またその複雑さを実感しました。自分なりの作成案がまとまった時の達成感はこの上なく、実際の外交の場で活用されるかもしれないという期待で胸が膨らみました。
- 実習期間がちょうど閣僚交代の時期と重なったため、興味深い経験が出来ました。国会議事堂が臨める霞ヶ関の職場で、日々刻々と変化する政治状況と官僚の仕事が密接に結びついていることを実感しました。
- 経済成長著しく希望に満ちた南西アジア諸国の雰囲気が後押ししてか、課内にはいつも活気が溢れていました。忙しい中でも生き生きと仕事をこなす省員の姿がとても印象的でした。
3)課省員のコメント
インターンの方々には、我々の仕事のサポートに加え、外務省の地域課がどのようなことをやっているのか、南西アジアとはどのような地域なのかを知っていただきたいと考え、関連の仕事をお願いしました。普段は接点の少ない若い学生の方と、仕事を通じて、あるいは昼休みにご飯を食べながらいろいろと話をすることができ、我々も刺激を受けました。ここでのインターン経験が皆さんの財産となることを願っています。今後も関心のある学生の方々は積極的に応募してください。