山中外務大臣政務官は、7月10日(日本発)~19日(日本着)、英国、アゼルバイジャン及びグルジアを訪問したところ、概要以下のとおり。
日付 | 予定 |
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7月10日(月曜日) | (日本発、ロンドン(英国)着 ケイン賞授賞式(オックスフォード大学)出席 |
7月11日(火曜日) | チップマン英国国際戦略研究所(IISS)所長他との意見交換 ウィリアムズ上院議員及びガーデン上院議員との意見交換 コープ英議会科学部長との意見交換 グールディングOxford大学セントアントニーズ・カレッジ学長との意見交換 王立統合防衛安保研究所(RUSI)主催レセプション出席 |
7月12日(水曜日) | RUSI主催「日英安全保障協力会議」における基調講演 BBCラジオ4インタビュー |
7月13日(木曜日) | (ロンドン発、機中泊) |
7月14日(金曜日) | (バクー(アゼルバイジャン)着) ヘイダル・アリエフ前大統領墓地にて前大統領への献花 シャリホフ副首相との会談 ラシザデ首相との会談 メへレモフ日本・アゼルバイジャン友好議連会長との会談 ハラホフ外務次官主催昼食会 マメドフ大統領府顧問との意見交換 メメディヤロフ外相との会談 シャリホフ副首相主催夕食会 |
7月15日(土曜日) | サンガチャル石油基地視察 在留邦人との昼食懇談会 (バクー発、トビリシ(グルジア)着) |
7月16日(日曜日) | スターリン博物館(於:ゴリ)視察 ムツヘタ(世界遺産の町)視察 「児童の家」(平成15年度無償援助協力を行った孤児院)視察 在留邦人代表との夕食会懇談会 |
7月17日(月曜日) | 朝市視察 ジョルジョリアーニ日本・グルジア友好議連会長らとの意見交換 ブルジュナッゼ国会議長らとの意見交換 ノガイデリ首相との会談 ベズアシヴィリ外相との会談 ナトビラッゼ外務次官主催夕食会 |
7月18日(火曜日) | (トビリシ発) |
7月19日(水曜日) | (日本着) |
山中政務官は、RUSIにて開催された「日英安全保障協力会議」に基調講演者として出席し、日英には、テロとの闘い、イラクの復興支援や大量破壊兵器等の拡散防止など安全保障面での協力の素地が存在している、これを基礎に著しく変容し不安定な国際環境に日英がさらに協力・連携して取り組んでいく必要がある旨述べた。その具体的な例として、我が国が紛争や自然災害によって被害を受けた国・地域の平和構築のあらゆる段階で、それぞれが貢献できるよう、軍・文民警察・官僚・民間・NGOの人材育成の枠組み構築を進めている現状を説明し、その分野で日英が協力・連携できる事項は種々存在する旨指摘した。併せて、山中政務官は、そのキックオフとして、我が国において8月下旬に平和構築のためのアジアにおける人材育成に関するセミナーを開催する予定である旨発表した。(スピーチ原文はこちら)
また、山中政務官は、オックスフォード大学でのケイン賞(アフリカ文学)授賞式にも招待により出席したほか、英国の国会議員をはじめとする下記の要人・有識者とも会談し、中東情勢、北朝鮮問題等の国際情勢につき意見交換を行った。さらに、BBCラジオ4で北朝鮮ミサイル発射に対する日本政府の対応に関してのインタビューを受けた。
RUSIでの講演
イランの核問題、北朝鮮の核・ミサイル及び拉致をめぐる問題等につき意見交換を行った。
チップマンIISS所長他と
北朝鮮の核・ミサイル及び拉致をめぐる問題、イラン情勢、中東和平問題等につき意見交換を行った。
ウィリアムズ上院議員及びガーデン上院議員との意見交換
北朝鮮及びイランの核やミサイル問題のほか、日英科学技術交流のあり方等を中心に意見交換を行った。
コープ英議会科学部長と
パレスチナ等中東情勢を中心に意見交換を行った。
グールディング学長と
今次の山中政務官のアゼルバイジャン訪問は、本年3月のアリエフ大統領訪日の際に署名された共同声明、技術協力協定及び両国外務省間の協力に関する覚書を踏まえ、アリエフ大統領の送迎等に尽力した山中政務官の訪問により、二国間関係の強化及びコーカサス地域を中心に国際情勢について同国政府要人等と意見交換することが目的とした。その意味で、山中政務官の今次訪問は、アリエフ大統領訪日の成果を適切なタイミングでフォローアップする形となり、先方政府からも非常に大々的な歓迎を受け、所期の目的を遥かに超える成果がもたらされる結果となった。
各要人等との意見交換の概要は以下のとおり。
シャリホフ副首相より、本年3月のアリエフ大統領訪日の際の日本の歓待に対して謝意の表明があるとともに、訪日を機に両国関係がさらに高い段階に発展していくことを確信するとの発言があった。
山中政務官より、現大統領の父にあたるヘイダル・アリエフ前大統領の慰霊碑に朝一番で献花した旨を報告し、現アリエフ大統領を先頭にアゼルバイジャンが取り組んできた民主化及び市場経済化に向けた努力を高く評価すると共に、アゼルバイジャンの健全な発展がコーカサス全体の安全に資する旨述べた。また、日本としても、前日開通式の行われたBTCパイプラインに日本の企業2社が参画しているなど、これまで行ってきた1)エネルギー、インフラ整備、2)保健・医療、教育などの社会セクター、3)制度作り、市場経済・行政分野の人作り等の支援を引き続き行うと共に、アリエフ大統領訪日以降に、電力関連の無償資金協力や鳥インフルエンザ対策分野での協力が開始されたことを確認し、さらには、大統領の基本的考えとして披瀝された非石油産業の発展のために可能な技術協力を含め種々の協力を検討したい旨述べた。
これに対し、シャリホフ副首相より、日本は真の友人である、日本のこれまでの支援は地方に至るまで広範囲に行き届いている、今後様々な分野で日本企業が進出し、日本の技術がアゼルバイジャンの発展に寄与することを期待する旨述べた。
山中政務官より、なるべく早い時期に「日本・アゼルバイジャン経済合同会議」を開催することの重要性につき言及があり、この件につきできるだけ早い機会に開催することで意見の一致を見た。
ラシザデ首相より、これまでの日本の数々の支援に対する謝意表明があった。又、民主化のプロセスには時間がかかる。早く進めるよう強要する国もある中、日本は、アゼルバイジャンの状況を良く理解してもらっている点への感謝の意が表された。
山中政務官より、民主化、市場経済、法の秩序に向けたアゼルバイジャンの努力を引き続き支援していきたいと述べるとともに、同国の発展には経済社会基盤、人づくり、石油産業、非石油産業、中小企業の発展等が必要である旨指摘した。また、日本は人間の安全保障の観点から、保健・医療や難民支援を行ってきており、さらに、アリエフ大統領来日時の発言に基づき、鳥インフルエンザなどの支援も行う旨は付言した。
これに対して、ラシザデ首相より、更なる日本の官民の協力・支援への期待感がしめされた。
山中政務官より、「日本・アゼルバイジャン経済合同会議」の開催の重要性につき言及がなされ、ラシザデ首相からは、ぜひとも早期実現して欲しい、できれば、日本で開催して欲しいとの要望があった。さらに、本日一つの結論が出た、当国にも女性のVICE-MINISTERを置くことを進言した、自分は今日まで、数多くの首相、外相、外務次官等と面談してきたが、本日、貴殿にお会いして、そのような印象を強く持った次第だとの発言があった。
ラシザデ首相と
メへレモフ会長より、昨年10月の総選挙に当選後、議員として議員連盟に加入することを事務局から求められた際、日本を選んだ理由として、日本への訪問経験を有していること、戦後の目覚ましい発展を遂げ技術大国となった日本に感銘を受けた等のエピソードが紹介された。
また、同会長との会談後、国立バクー大学で日本語を教えている教師及び学生が紹介され、山中政務官は、彼らとも懇談を行った。その際、学長より、日本語研究を他の大学にも普及させたいと考えており、そのための日本語講師(現在1名)の派遣数を増やすことへの協力要請があった。
国立バクー大学学長も兼任するメヘレモフ友好議委員連盟会長(山中政務官の左)と同大学の日本語学科のメンバーたち
山中政務官より、現在の良好な両国の関係を更に発展させるためにも、技術立国である日本の技術を活かした支援、中小企業の人材育成を進めるという視点から経済合同会議の実現を目指したい旨述べたのに対し、マメドフ顧問は、アゼルバイジャンは戦略的に重要な地政学的位置に存在している中で、日本とは伝統的に友好関係にあるということ、日本は技術の面を含め世界の中で最も発展した国の一つであるということから、アゼルバイジャンは日本との協力関係を重視している旨発言した。さらにマメドフ顧問より、日本の常任理事国入りを支持する旨の表明があったほか、ナゴルノ・カラバフ問題についても言及があった。これに対し、山中政務官は、アゼルバイジャンの安定的発展はコーカサス地域全体の安定に繋がるという観点からも日本はアゼルバイジャンの民主化への努力を支援している、また、ナゴルノ・カラバフ問題については6月の首脳会談で合意が得られなかったことは残念だが、アゼルバイジャンの領土一体性が尊重される形で、双方が平和的に解決することが望ましい旨応じた。
山中政務官より海外出張中のアリエフ大統領に、訪日時首相官邸で撮影した写真を、官邸からのプレゼントとして手交したところ、マメドフ大統領府顧問は、大統領が非常に喜ぶと満面笑みで礼を述べた。
マメドフ大統領府顧問と
山中政務官より、今次訪問の目的を説明し、コーカサス地方の安定のためにも、アゼルバイジャンの民主的発展が重要であると日本は考えている旨伝えたところ、メメディヤロフ外相は、本年3月のアリエフ大統領の訪日は大成功であった、日本とアゼルバイジャンは国際場裡においても同じ立場をとっており、アゼルバイジャンは日本の常任理事国入りを支持している等述べた。
また、山中政務官より、民主化、市場経済化、法秩序の確立などにアゼルバイジャンが取り組む限り、我が国は人間の安全保障の視点に立ったアゼルバイジャンへの支援を続けるとともに、技術立国である日本の技術を活かしたできる限りの支援を行っていく考えであることを強調した。さらに、農業には経営者の発想を根づかせること、観光にはシンガポールのホテル学校のようなサービス業の精神と訓練を導入することの重要性を指摘した。
メメディヤロフ外相は、政務官の指摘の通り、アゼルバイジャンの発展にとって石油産業のみならず非石油産業である農業分野、観光分野への梃子入れが重要である、また、日本企業のアゼルバイジャンへの更なる進出を期待する旨述べた。
山中政務官からは、更なる投資の呼び込みには、インフラや良質の労働力等の環境整備が肝要であること、観光は日本からは遠隔地であり、コストの問題があるので、近隣諸国とも連携し、パッケージツアーの開発もあり得る等具体的なアドバイスをすると同時に、まずは近いうちに経済合同会議を実現し、その場を活用して具体的議論をすること提案した。
山中政務官より、WHO次期事務局長に尾身茂氏を支持要請の総理親書を手交した。
当初、外務大臣との共同記者会見の予定であったが、急遽、アゼルバイジャン側からの希望で、山中政務官の単独インタビューとなった。
山中政務官より、アリエフ大統領の訪日の成果、日本のアゼルバイジャン支援の考え方と支援の実態、今後の協力分野の可能性に加え、コーカサスの平和と安定のためにも、アゼルバイジャンが民主主義、市場経済、法秩序といった共通の価値観の国のモデルとなるように期待する旨述べた。
質問は、大統領訪日の成果、今次来訪の目的、アゼルバイジャンへの期待度、日本の支援の具体的内容、ナゴルノ・カラバス問題への認識等であったが、終始和やかな記者会見となり、当日の各社のテレビニュース、新聞7紙に記事が掲載され、結果、日本のプレゼンスを高めることとなった。
アゼルバイジャン外務省内での記者会見
今次の山中政務官のグルジア訪問は、親欧米路線を明確に打ち出し存在感を増しつつある同国との二国間の連携、特にこれまで十分とは言えなかった政治レベルでの友好関係を深めることと、サーカシヴィリ大統領の訪日招聘を目的とするものであった。その意味で、山中政務官の同国訪問は、現職の政府高官(政治レベル)としては初めての訪問であり、先方政府からもこの機会を弾みとして両国関係を更に発展させて意図の意向が重ねて表明されるなど非常に有意義な結果となった。
山中政務官より、サーカシヴィリ政権のグルジアの民主化に向けた努力を評価する、グルジアとは友好関係にありながら政治レベルの対話が十分ではなかったので、今次訪問を機に交流を活発化させたい、日本が行っている人間の安全保障に立った草の根無償資金協力やJICAが進めている人材育成等の支援を今後とも続けていく考えであること、さらに、国連安保理改革に共同提案国として支援したことへの感謝の意を表した。これに対し、ジョルジョリアーニ会長より、日本に対するグルジアの人々の関心は高い、グルジアの発展は日本による数々の支援のおかげである。また、グルジア側は、友好議員連盟を組織したが、日本側からのアプローチはない。政治交流が少ない背景にはグルジアに日本大使館がないことも挙げられるのではないか、そういうこともあって、グルジアはこのたび、東京に大使館を開設することを決定した次第である等の発言があった。
山中政務官から、在京大使館設置を歓迎し、可能な範囲での支援を行う所存である旨述べた。
また、双方で幅広い分野での協力、特に政治レベルでの交流を活発化させることを確認した。
ジョルジョリアーニ「グルジア・日本」友好議員連盟会長他と
ブルジャナッゼ議長より、2年前の民主化革命以来、両国関係はあらゆるレベルで良好である。日本の数々の支援を多とする。日本は地理的には遠いが重要な国であり双方の協力を一層深めたいとの思いでこのたび友好議員連盟を創設した。また、安全保障はグルジアにとって非常に大事な問題である。国際場裏においては、グルジアは日本の常任理事国入りを支持している等述べた。
山中政務官より、貴議長より衆参両議長宛に提案のあった両国議会間交流は両国の政治対話を促進する観点から重要と考える、また、グルジア議会における日本友好議連の設立を歓迎する旨述べた。
続いて、グルジアの民主化に向けた努力を評価する、特に経済改革や腐敗との闘いにおける成果はこのコーカサス地域のモデルとなりうる、日本としてもこれまで行ってきた1)エネルギー、運輸・通信等の経済インフラ 2)保健・医療、教育等の社会セクター 3)制度作り、市場経済・行政分野の人作りに重点を置いた支援を引き続き継続することと、さらに、今年3月に締結されたセクター・プログラム無償の有効利用を期待する旨述べた。これに対し、ブルジャナッゼ国会議長より、民間企業の進出を促すことへの期待がのべられた。山中政務官より、日本の民間企業の誘致には、成功例を作ることが重要であり、その意味で、駐在員を伴うトヨタの統括代理店がトビリシに開設され、本人とも会ったが、是非グルジア政府としても、成功するよう協力願いたい旨述べ、さらに、現在進行中の技術協力協定が早期に締結するよう促した。ブルジャナッゼ国会議長側から、既に議会で承認済みであり、締結されたものと認識していたとのことで確認し、早期に締結するとの意志表明が為された。
同席の商工会議所会頭より、新規円借款の要請が為された。
これに対し、山中政務官より、新規円借款については、既存案件である電力リハビリ計画の完成見通しが立った上で、改めて検討することになる。ついては、本案件は8月に期限切れになるので、まず、グルジアの延長要請の口上書の発出をされたい、日本としては一年延長の用意があるが、グルジア側からの手続きがなければ水泡に帰すと手続き促進を促した。これに対し、ブルジャナッゼ議長より、日本の支援に再度謝意の表明があり、グルジアは日本との関係を重視し、東京に大使館を設置することを決定した旨述べた。
また、山中政務官より、大使館設置を歓迎する旨返答があり、さらに、今次、ロシアがグルジアよりワイン・水や農産物の輸入を禁止したことを受けて、朝市を視察した上で、グルジアは厳しい歴史的な環境から得られた知恵で、チュルチュケレなどの保存食やタルフーンなど自然食材による健康に適した様々な食文化を開発しており、ワインや水のみならず、豊富な農産物に付加価値を付けて、貿易相手を拡大することをアドバイスしたところ、ブルジャナッゼ議長以下、非常に感銘し、自分たちの持っている社会的財産にもう一度注目したい旨感謝の意が表された。山中政務官は、第3者の目で見ることも良い視点であり、JICAやJETROを十分活用するように述べた。
ブルジュナッゼ国会議長より、明18日にグルジア国会で、CIS平和維持軍と証するロシア軍の撤退に関する決議を採択する予定であり、アブハジア、南オセチア問題に関する情勢への日本の理解を求めた。山中政務官がその件は熟知していることが解かり安堵の表情であった。
非常に密度の濃い会談になり、途中からグルジア側は目から鱗が落ちたように、明るく和やかな雰囲気に変わっていった。
山中政務官より、今次訪問の目的を説明するとともに、グルジアの民主化に向けた努力や特に経済改革、腐敗との闘いの努力に敬意を表するとともに日本としても出来る限りの支援を行う考えである、また、サーカシヴィリ大統領の今年度の訪日を招請する旨述べた。さらに山中政務官は、最近トヨタの統括代理店がトビリシに開設されたことを例示しつつ、日本企業の一層の進出を促すには、まず、成功例を作ることが肝要であり、グルジア側の協力を促した。また、日本・グルジア経済委員会を活用していくことが望ましいことも付言した。700万ドルを上限とするセクター・プログラム無償も利用しつつ、戦後の発展を通じて培ってきた日本の経験を活かしてグルジアの発展を支援していく考えである旨述べた。さらに、観光も産業の柱とする方針であれば、サービスの向上が肝要であり、その分野での人材育成を重視することの必要性を指摘した。
これに対し、ノガイデリ首相より、日本の支援に対する謝意表明があったほか、トヨタがトビリシに拠点を置いたことを評価する旨述べ、さらにトヨタに対してグルジア政府としても全面的に協力することを約束した。さらに、ホテル等のサービスにかんしては、正に重要なポイントであり、グルジアの発展に必要な人づくりの一環として、実地訓練の新たなプログラムを策定したばかりである旨の説明があった。
ブルジャナッゼ国会議長との会談で話題となった電力リハビリ計画の延長要請口上書が山中政務官に手交されたので、日本側もこれに基づき、早速手続きを取る旨応答した。
山中政務官より、海外からの投資を招くことは重要であるが、同時に、グルジアの持っているワインや水などの輸出品のほかに、農産品に付加価値をつけるなど、グルジア独特の社会的財産があることを再認識して、それらを活用した新しい視点での販路を拡大することも、中小企業の起業と同時に、グルジアの市場経済の発展に資することを指摘した。これに対し、ノガイデリ首相から、大変有意義なアドバイスに感謝すると共に、今次政務官の来訪を改めて歓迎した。
ノガイデリ首相と
山中政務官よりサーカシヴィリ政権の民主化努力、特に経済改革や腐敗との闘いを高く評価するとともに日本としてもできる限りの支援を行う考えである旨述べた。これに対し、ベズアシヴィリ外相より、真の民主主義国家を建設するため日本からの更なる支援をお願いしたい、日本との関係を強化する観点からこの度日本にグルジア大使館を開設することを決定した次第である等述べた。山中政務官より、大使館設置を歓迎すると共に、両国の政治対話促進の観点からもグルジア議会における日本友好議員連盟の設立を歓迎する旨のべ、サーカシヴィリ大統領の今年度の訪日の招待を伝達した。ベズアシヴィリ外相から、サーカシヴィリ大統領は今次山中政務官との会談を楽しみにしていたが、緊急事態(南オセチア問題の緊迫化)のため、お会いできないことをお詫びするとの伝言を述べた。
ベズアシヴィリ外相から、日本企業の進出促進への期待が表明されたのに対し、山中政務官から、最近トヨタのコーカサス及び中央アジアの統括代理店がトビリシに開設されたことを例示しつつ、日本企業の一層の進出を促すには成功例が重要であり、グルジア側の協力を要請したところ、地域全体の統括代理店であることを再認識したので、全面的に協力する旨発言があった。
山中政務官から、世界遺産のムツヘタ歴史地区など、観光、文化を含めグルジアの様々な魅力をいかに活用するかが重要である、そのために必要な人材の育成も含め日本として出来る限り支援したい等述べた。さらに、民主主義、自由貿易、法秩序等の共通の価値観に基づいた国作りの努力がある限り、日本は支援してゆくことを述べた。
これを受けて、ベズアシヴィリ外相は、グルジアの発展には法制度、経済、社会インフラの整備に加えて人づくりも不可欠であり、秋に新しく日本に開設する大使館には、この点についても日本と協力させたいと考えている等発言した。
山中政務官から、国連のG4決議案の共同提案国としての支援に感謝の意を述べると、ベズアシヴィリ外相から、国連は改革が必要である旨強調する発言があり、今後も日本と協力していく決意を表明した。
さらに、コーカサス地域情勢、CIS/GUAMの方向性、南オセチア及びアブハジア問題等についても突っ込んだ意見交換を行った。
また、ベズアシヴィリ外相より橋本元総理のご逝去に対するお悔やみの表明があった。
ベズアシヴィリ外相と
山中政務官は、アゼルバイジャンにおいて、ヘイダル・アリエフ前大統領墓地にて前大統領への献花を行ったほか、サンガチャル石油基地の視察も行った。また、グルジアにおいては、スターリンの生誕の地であるゴリにてスターリン博物館を視察したほか、世界遺産の町であるムツヘタ、トビリシ市内にある「児童の家」(平成15年度無償援助協力を行った孤児院)を訪問した。