平成17年12月
外務大臣政務官は、12月4日から6日にかけて、国連関係者等との意見交換のためニューヨーク(米国)を訪問した。これに引き続き、6日から10日にかけて、気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)及び京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)に出席するためモントリオール(カナダ)に出張した。これら訪問の概要は以下のとおり。
12月5日、山中政務官はキッシンジャー・元米国務長官を表敬したほか、エリアソン国連総会議長、フレシェット国連副事務総長等と主に国連改革や平和構築に関して意見交換を行った。
また、12月6日には山中政務官は安保理の第5315回公式会合(公開)に出席した。
キッシンジャー・元米国務長官表敬
エリアソン国連総会議長との意見交換
安保理の第5315回公式会合(公開)に出席
(1)気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)・京都議定書第一回締約国会合(COP/MOP1)は、11月28日から12月9日まで、カナダのモントリオールで開催された。我が国からは、小池百合子環境大臣、山中外務大臣政務官、西村六善外務省地球環境大使、小島敏郎環境省地球環境審議官他が出席した。
(2)今次COP11・COP/MOP1は、京都議定書発効後最初の締約国会合となった。締約国は、議長国カナダが提唱する3つの「I」("Implementation(実施)"、"Improvement(改善)"、"Innovation(創造)")を中心に交渉し、京都議定書の「実施」と「改善」、将来枠組み構築に向けての「創造」の全ての議題について成果を得ることができた。特に、COP決定された「長期的協力のための行動の対話」は、将来の課題につき米国や主要途上国を含む全ての条約締約国の参加による対話プロセスについて合意されたものである。これは我が国の基本方針である「全ての国が参加する実効ある将来枠組みの構築」に向けての道筋をつけるものとなった。
※「将来枠組み」……京都議定書の約束期間は2008年から2012年と定められていることから、気候変動枠組条約の究極目標である「大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させる」ため、京都議定書以降の約束の枠組(将来枠組)の構築が議論されている。
(3)山中外務大臣政務官は、ドイツ、EUトロイカ、オーストラリア等の代表と小池環境大臣との会談に同席したほか、オランダ、スペイン、デンマーク、フランス、シンガポール等の代表と別個会談を行い、上記会議の合意形成に向け、積極的に働きかけると共に、個別の国々の気候変動問題全般等の実情につき情報収集を行った。
EUトロイカとの環境大臣会合に同席する山中政務官
ヤーコブ・シンガポール環境水資源大臣との意見交換
クリスティーナ・ナルボナ・ルイス・スペイン環境大臣