徳永久志外務大臣政務官は,東日本大震災に関する外務省の今後の支援活動に役立てることを目的として,4月4日(月曜日),福島県及び栃木県を訪問し,現地調査を実施したところ,その概要は以下のとおり。
1.訪問先
- 午前
- JICA二本松青年海外協力隊訓練所(福島県二本松市)
- 午後
- 福島県政府現地連絡対策室(福島県福島市)
日本赤十字社栃木県支部(栃木県宇都宮市)
2.成果
(1)JICA二本松青年海外協力隊訓練所
訓練所内に設けられている住民用の情報掲示板
JICAでは,福島県の要請により,震災発生直後から二本松青年海外協力隊訓練所を避難所として提供しており,4月4日現在349名の方が入所している。徳永政務官は甲斐所長らJICAのスタッフから避難生活の様子や住民の方々の要望,福島県や二本松市との役割分担等について説明を受けた後,訓練所内を視察した。
同訓練所は多くの個室を備えているため,避難所の中では住環境が恵まれており,支援物資も十分に届いているものの,食材・燃料不足により温かい食事が提供出来ていないとのこと。また,医療サービスも行われているが,住民の多くは,避難所の統廃合に伴う二次避難や新学期を控えて子女の教育問題に直面している。
住民の方々の最も強い要望は,原発事故に関する正確な情報と今後の見通しを教えて欲しいという点であり,一度で良いから自宅に戻りたいとの声も強いとのこと。
(2)福島県政府現地連絡対策室
吉田・津川両政務官との意見交換の様子
徳永政務官は,次に福島県の政府現地連絡対策室を訪問し,吉田対策室長(財務大臣政務官)及び津川副室長(国土交通大臣政務官)と意見交換を行った。徳永政務官からはJICA二本松訓練所での現地調査の結果を説明し,吉田室長・津川副室長から,福島県内の状況につき説明を受けた。
外務省に対する要望としては,海外への風評被害の拡大を防止し,海外の人たちに福島県の正確な状況を理解してもらえるようにして欲しいという点が挙げられた。
(3)日本赤十字社栃木県支部
インドから送られた毛布
日本赤十字社栃木県支部では,海外から支援物資として送られた毛布約15,000枚(内訳はタイから1万枚,インドから3,000枚,ウクライナから2,000枚)を受け取り,栃木県が同県内の避難所に配布する手伝いを行っている。
徳永政務官は,先ず栃木県支部の羽生事務局長から上記の毛布受入の経緯や県内の避難所の状況について説明を受けた。日赤側によれば,計15,000枚の毛布のうちタイの毛布はあらかた搬出され,今残っているのは6,000~7,000枚。今後この毛布をどうするかについては,別のところに再び届けることも含めて検討中であるが,そもそも被災者のニーズは刻々と変わるものであり,どうしても海外からの支援はタイムラグが生じてしまうので難しい面があるとの指摘があった。また,災害発生直後に救護チームを派遣する必要性などにつき説明があった。その後,実際に毛布が保管されている同支部そばの体育館を視察した。