ラモス=ホルタ大統領表敬
グスマン首相,ピレス財相とのワーキング・ランチ
ダ・コスタ外相との会談
ハク国連事務総長特別代表兼
国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)代表との会談
菊田真紀子外務大臣政務官は,8月9日(火曜日)から12日(土曜日)の日程で東ティモールを訪問し,同国政府要人等と意見交換した他,「民主的な国政選挙による平和構築計画」E/N署名式への出席,ODA案件等の視察を行いました。
1.主な会談等
(1)8月10日(水曜日)
ジョゼ・ラモス=ホルタ大統領への表敬(約40分)
ザカリアス・ダ・コスタ外相との会談(約1時間)
アミーラ・ハク国連事務総長特別代表兼国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)代表との会談(約1時間)
在留邦人との意見交換
(2)8月11日(木曜日)
「民主的な国政選挙による平和構築計画」E/N署名式典出席
ODA案件等視察(べモス・ディリ浄水場,バ・フトゥル)
シャナナ・グスマン首相兼治安・国防相及びエミリア・ピレス財相とのワーキング・ランチ(約1時間30分)
2.概要
(1)東ティモール政府要人との会談
ア 菊田政務官の発言
菊田政務官から東日本大震災に際し,東ティモールから100万ドルの義援金をはじめとした友情と連帯を象徴する支援を頂いたことに謝意を表明しました。また,独立達成から10年あまりにわたり,様々な困難を克服しつつ紛争後の復興から本格的な国造りへと安定的な発展に向かう東ティモールの現状を歓迎し,先般策定された戦略開発計画(SDP)も踏まえ,我が国は引き続き同国の国造りを全面的に支援していく旨述べました。さらに,2012年は大統領選挙及び国民議会選挙を控え,UNMITの撤収も検討される等,東ティモールにとって節目の年であり,選挙が平和裏に実施されることが鍵であると述べるとともに,同年は我が国と東ティモールの外交関係樹立10周年記念に当たり,「日本・東ティモール友情と平和の年」として,両国関係の更なる強化の好機としたいと述べました。加えて,東ティモールが重視する外交課題の一つである,ASEANへの加盟について,我が国は引き続き東ティモールの円滑なASEAN加盟を支持する旨述べました。その他,両国政府は,国際場裡における協力を引き続き進めていくことを確認しました。なお,菊田政務官は,ダ・コスタ外相との懇談後,20分間現地プレスのぶらさがり取材を受けました。
イ 東ティモール政府要人の発言
東日本大震災に関し,各要人から我が国への哀悼の意がそれぞれ述べられました。特にラモス=ホルタ大統領からは,天災は避けられないが,日本の場合,被災しても国民が団結,規律,礼節,冷静さを失わず事態に対応したことに敬意を表するとの言及がありました。なお,ラモス=ホルタ大統領から国際金融危機の影響について,第3国世界が再び貧困に陥ることのないように,日本に強いリーダーシップを発揮してほしいとの要請がありました。
ダ・コスタ外相との会談では,同外相から,独立以来,我が国がドナー国の中でも最も積極的な支援を行っているとの謝意表明がなされました。また,同外相と菊田政務官は,2012年が両国の外交関係樹立10周年であり,「日本・東ティモール友情と平和の年」として両国で周年事業を開催することを通じ,更なる二国間関係の強化の好機とすることで合意しました。さらに,同外相から,オエクシ港緊急改修やベモス=ディリ浄水場の改修等の我が国の無償資金協力に対する謝意が示されました。その他,国際選挙や安保理改革等の国際場裡における協力についても言及された他,日本の通商・貿易アドバイザー派遣等を通じた東ティモールのASEAN加盟プロセスに対する支援に対し謝意が示されました。
グスマン首相及びピレス財相との懇談では,2012年の大統領選及び国民議会選挙に対する無償資金協力をはじめとする東ティモールの国造りに対する日本の多大なる支援に謝意が表明され,先般策定された東ティモールの中長期国家戦略である「戦略開発計画(SDP)」について説明がありました。なお,この関連でピレス財相から8月15日から始まる国民議会の審議に向けた石油基金法の改正,債務管理法の準備状況につき説明があるとともに,日本からの円借款供与の要請がありました。さらに,グスマン首相より,2012年の選挙に対する選挙監視団の派遣につき要望があり,これに対し菊田政務官より,選挙監視団派遣の重要性はよく理解しており,前向きに検討したい旨述べました。
(2)ハク国連事務総長特別代表兼国連東ティモール統合ミッションとの会談
菊田政務官は,UNMITをはじめとした国際社会の努力が身を結び,東ティモールに平和が定着しつつあることを歓迎するとともに,UNMITが東ティモール政府への警察権限の移譲を成功裏に完了させたことを高く評価し,2012年に予定されている大統領選挙及び国民議会選挙に至る選挙プロセスへのUNMITの支援を要請しました。
ハク特別代表からは,2012年の選挙プロセスに対する我が国の支援に対する謝意が示された他,UNMIT撤収の検討状況や警察権限の移譲の完了,大統領選挙及び国会議会選挙の平和裏の実施の重要性等についてそれぞれ説明がありました。
(3)在留邦人との意見交換
菊田政務官は,東ティモール在留の国連邦人職員,JICA関係者,日本NGO関係者と意見交換を行い,東ティモールの発展のために活躍されている邦人を激励しました。
在留邦人との意見交換
「民主的な国政選挙による平和構築計画」E/N署名式典出席
ベモス・ディリ浄水場視察
バ・フトゥル視察