外務本省

菊田外務政務官のミャンマー訪問(概要)

平成23年6月29日

英語版

  • (写真1)

    ワナ・マウン・ルイン外務大臣との会談

  • (写真2)

    ナンダ・チョウ・スワ下院副議長との会談

  • (写真4)

    ティン・ナイン・テイン国家計画・経済開発大臣との会談

  • (写真7)

    アウン・サン・スー・チー女史との会談

 菊田真紀子外務大臣政務官は,6月27日(月曜日)から29日(水曜日)の日程でミャンマー(ヤンゴン及びネーピードー)を訪問し,ミャンマー政府及びアウン・サン・スー・チー女史を含む民主化勢力の双方と意見交換を行いました。
 我が国政務レベルのミャンマー訪問は,2008年5月にミャンマーで発生したサイクロン・ナルギスに対する支援のため,同国を訪問した宇野外務大臣政務官以来,3年ぶりとなります。

1.主な行事(28日~29日)

(1)6月28日(於:ネーピードー)

  1. ア ワナ・マウン・ルイン外務大臣,マウン・ミン外務副大臣,ティン・ナイン・テイン国家計画・経済開発大臣,ナンダ・チョウ・スワ下院(国民代表院)副議長,テー・ウーUSDP(連邦連帯開発党)総書記。
  2. イ 食糧援助(WFP連携)の引渡式典
  • (写真3)

    テー・ウーUSDP(連邦連帯開発党)総書記との会談

  • (写真5)

    食糧援助(WFP連携)の引渡式典

  • (写真6)

    マウン・ミン外務副大臣との夕食会

(2)6月29日(於:ヤンゴン)

  1. ア アウン・サン・スー・チー女史,NDF(国民民主勢力)等野党幹部,フラ・ミン・ヤンゴン市長。
  2. イ 日本人墓地参拝
  • (写真8)

    野党幹部との会談

  • (写真9)

    フラ・ミン・ヤンゴン市長との会談

  • (写真10)

    日本人墓地参拝

  • (写真11)

    現地在留邦人との懇談

2.概要

(1)ミャンマー政府要人等との会談(28日)

  1. ア 菊田政務官からは,
    1. (ア)我が国は,ミャンマーが総選挙を実施し民政移管を行ったこと,アウン・サン・スー・チー女史を釈放したこと,5月に政治犯を釈放したことは,不十分ながらも同国の民主化と国民和解に向けた一歩前進であると考えている,
    2. (イ)ミャンマーが今後も国民和解・民主化を一層促進するため,アウン・サン・スー・チー女史や同女史の率いる国民民主連盟(NLD)との対話や,更なる政治犯の釈放が行われることも強く期待しているので,これらの措置を取るよう要請した上で,今回の訪問を日ミャンマー関係の新しいページを開くための第一歩にしたい,
    3. (ウ)テイン・セイン大統領が就任演説において,自由公正で発展した民主主義国家の建設,反政府政党等の関係者に対し民主主義のために協力を求めたこと,市場経済体制の構築等につき述べたことに注目しており,日本としてはこのようなミャンマーの努力を支援する意向である,
    4. (エ)また,東日本大震災に際し,ミャンマー政府要人からお見舞いのメッセージと義援金10万ドルをいただいたことに対する御礼を述べました。(これに対し,ミャンマー側より,日本が震災から迅速に復興をとげることを確信していると述べました。)
  2. イ これに対し,ワナ・マウン・ルイン外務大臣を始め政府要人,議会関係者からは,日本とミャンマーの間には長い歴史的な関係がある,ミャンマーとしては新しく活動を始めた国会の運営を活性化したい,ミャンマー国民の各層と協力して国造りを行いたい,また今回の会談で日本とミャンマーの双方に協力していきたいとの意思が確認できた等の発言がありました。
  3. ウ また,会談においては,日ミャンマー間の関係を強化していくため,二国間の今後の人的交流,経済協力,経済関係,文化交流の4分野について意見交換が行われました。経済協力では,日本としては,今後,民主化及び人権状況の改善を見守りつつ、民衆に直接裨益する基礎生活分野(ベーシック・ヒューマン・ニーズ)の案件を中心にケース・バイ・ケースで検討の上,実施する旨述べました。
  4. エ 菊田政務官からは,2007年に発生した長井健司氏死亡事件の真相究明等に関する協力を改めて要請し,これに対し,ワナ・マウン・ルイン外務大臣から,引き続き捜査を継続しているとの説明がありました。

(2)アウン・サン・スー・チー女史との会談(29日)

  1. ア 菊田政務官は,アウン・サン・スー・チー女史と同国の民主化に向けた取組み等について意見交換を行いました。
  2. イ 菊田政務官からは,同女史からの震災への支援について御礼を述べ,ミャンマーの現状及び対ミャンマー支援についての我が国の考え方を説明し,スー・チー女史からは,震災については日本が復興を果たし力強い国であり続けてほしい,またミャンマーへの支援について考えるとき,民主主義に対する支援だけでなく,地域の平和と安定のためという視点も持って頂きたい,更には援助国が透明性及びしっかりとした責任を持って行うことが重要との発言がありました。また,同女史より,ミャンマーの民主化について考える場合,政治犯の釈放といったことだけでなく,法の支配といった観点も重要であるとの指摘がありました。
  3. ウ なお,同女史の京都留学時代の恩師の話や好みの食べ物等についても話し,会談は和やかな雰囲気で行われました。

(3)また,菊田政務官は,29日,ヤンゴン市内にてNDF等野党幹部との意見交換を行い日本人墓地を参拝した他,フラ・ミン・ヤンゴン市長(前駐日大使)と会談しました。(現地在留邦人とは,27日に懇談。)

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