外務本省

国連デー2012記念パブリックフォーラムにおける
風間外務大臣政務官冒頭挨拶

(平成24年10月24日(水曜日))

御列席の皆様,
御来場の皆様,

 御紹介にあずかりました,外務大臣政務官の風間直樹です。本日は,国連デーを記念して,「ポスト・リオ+20:私たちが望む未来を実現させるために」をテーマとしたパブリックフォーラムが開催されますことを,心より歓迎いたします。また,主催者の皆様の日頃の御活動に敬意を表します。

 本日のフォーラムのテーマである「持続可能な社会作り」は,本年6月のリオ+20の合意をいかにして実践に移し,「持続可能な開発」を推進していくかということに密接に関連するものです。日本は,国際社会における「持続可能な開発」の実現のため,「人間の安全保障」の理念に基づいた途上国への援助や,ミレニアム開発目標の達成期限である2015年以降の国際協力の枠組みの策定に向けた議論など,積極的な貢献を行ってきました。また,阪神淡路大震災,そして昨年3月11日の東日本大震災に際して,国際社会から多大な支援を受けましたが,自然災害が「持続可能な開発」にとって大きな脅威であることを痛感いたしました。日本は,これらの経験を踏まえ,開発と国際協力における防災の主流化の推進と,持続可能で強靱な社会の構築の重要性を訴えていく所存です。

 リオ+20においては,「持続可能な社会とは何か」という問いに国際社会とともに答えを見いだしたいという強い思いから,日本は,持続可能な社会の実現という共通の利益のために,全ての関係者が力を合わせる必要性を訴えました。また,「持続可能な社会」を構築するための具体的な処方箋として,日本は,環境未来都市の世界への普及,世界のグリーン経済への移行,強靱な社会づくりを3本柱とする「緑の未来」イニシアティブを発表しました。このイニシアティブの実現に向けて,今後,日本は,「自然との共生」の精神,経験から培った高い防災技術や災害に強いまちづくりの知見を生かし,世界の持続可能な開発に向けて特別な役割を果たしていく考えです。

 リオ+20には,政府代表のみならず,民間セクター,市民社会,学識者など幅広い分野から約3万人が集まって「持続可能な開発」について議論しました。本日のパブリックフォーラムでは,こうした関係者の代表の皆様が,持続可能な社会の構築のために日本が何をすべきかについてパネルディスカッションを行い,会場の皆様と意見交換を行います。国際社会の全ての関係者が力を合わせてリオ+20のフォローアップを進めていく中で,日本においてもこのように幅広い関係者が連携して取り組み,日本の貢献として国際社会に発信していくことが極めて重要です。本日のパブリックフォーラムの成果が,今後の「持続可能な開発」を実現する上での有意義な貢献となることを期待しております。

 最後になりますが,日本は,持続可能な社会を実現するために,今後も引き続き,国連,市民社会を始めとする関係者の皆様と連携して取り組んでいく決意であることを改めて申し上げ,本日のフォーラムの御成功を祈念しつつ,私の挨拶とさせて頂きます。


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