平成21年10月23日
クシュネール仏外相、西村政務官の参加を歓迎
各国代表とともに共同記者会見に出席
(1)「開発のための国際金融取引に関するタスクフォース」閣僚級会合が、10月22日、フランス国パリにおいて開催され、我が国代表として西村智奈美外務大臣政務官が出席しました。
(2)今次閣僚級会合には、我が国を含む12カ国の他、欧州委員会と世界銀行が参加し、NGO関係者と学識経験者もプレゼンテーションを行いました。
(3)会合では、冒頭、クシュネール仏外相、「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」議長国であるチリのストルク外務次官、そして、仏のド・ジュニアック経済・産業・雇用大臣官房長が冒頭発言を行い、次に、本タスクフォースの課題に関係する専門家として、セヴェリノ仏開発庁(AFD)総裁、独の学者、英のNGO代表の3名が発言しました。その後、各国代表が発言し、ミレニアム開発目標(MDGs)達成の重要性、革新的資金調達メカニズムの必要性、国際金融取引と関連する各種イニシアティブの可能性等につきそれぞれの立場から意見が表明されました。
(4)会合では、本タスクフォースの今後の取り進め方についても協議され、世界各国の有識者からなる専門家委員会を発足させた上で、同委員会に各種問題点や考えられる選択肢についての総合的な検討を依頼し、来年春にタスクフォースへの報告書を提出してもらうこととなりました。
(5)西村政務官の発言
西村政務官は、開発資金の問題に対する我が国の基本的立場を述べた上で、革新的資金調達メカニズムに関する現内閣の方針を説明し、我が国は今後、専門家の意見も踏まえて、タスクフォースの議論に参加していくとの意向を表明しました。
(1)本タスクフォースは、開発のために必要な資金を調達する仕組みとして、国際金融取引に関連するものに焦点を絞って議論するための場として発足しました。本タスクフォースの議論の焦点である通貨取引税については、これまで国際的な関心を集めながらも本格的な検討に至らなかった経緯があるため、今回、金融取引に焦点を絞り、また、閣僚級の参加者によりタスクフォースが設けられたことは、開発資金の問題を巡る国際的な議論にとって大きな意味があると言えるでしょう。
(2)今次閣僚級会合に我が国を含む多くの援助国、また、被援助国、国際機関のハイレベルの代表が参加したことの背景として、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に対する危機感、世界経済・金融危機の深刻な影響、気候変動問題への対応の重要性等についての各国の共通認識と、いずれの問題の解決のためにもODAに加えて革新的資金調達が必要であるとの一致した思いが窺えました。
(3)国際金融取引に関する革新的資金調達メカニズムを実現するためには様々な課題を検討する必要がありますが、そのために専門家委員会が設けられ、タスクフォースに報告書を提出することになったことは、政府レベルでの検討にとって大いに助けになると思われます。
(4)西村政務官が今次閣僚級会合に参加し、我が国の立場を表明したことは、開発資金の問題における我が国の存在感を国際社会に強く印象付けるものになりました。