外務本省

高橋外務副大臣のベトナム訪問概要

平成23年8月12日

 高橋千秋外務副大臣は,8月10日(水曜日)から12日(金曜日)までの間,ベトナム(ハノイ)を訪問したところ,概要以下のとおり。
 今次訪問は,8月のベトナム政府新体制発足直後のタイミングを捉えて実施。今後の要人往来や原子力発電所建設・レアアース開発等の協力案件について議論を行った。

1.ホアン・チュン・ハイ副首相(8月11日午前)

 ズン首相訪日の可能性を含む今後の要人往来や,原子力発電所建設やレアアース開発における協力を始めとする経済面の様々な協力案件等について意見交換を行った。

 特に原子力発電所建設の協力に関しては,高橋外務副大臣から,松本外務大臣及び海江田経産大臣(連名)発ハイ副首相宛の書簡を手交。高橋外務副大臣より,我が国とベトナムとの間では,昨年10月の菅総理公式訪問時に,ベトナムにおける原子力発電所の建設についての協力を含む日越共同声明を発表しており,ベトナム側の期待に応え,東京電力福島第一原発の事故の教訓と日本の技術力を最大限活用し,ベトナムとの深い友好関係に基づき,高い水準の安全性を有する原子力発電所建設に協力していく旨を伝達した。これに対し,ハイ副首相からは,日本の技術力に信頼をおいており,ベトナムにおける原子力発電所建設に日本の技術を適用して欲しい旨の発言があった。

2.ホー・スアン・ソン外務省次官との会談(8月11日午前)

 ズン首相訪日の可能性を含む今後の要人往来を始め,日越間の貿易・投資の拡大,経済面の様々な協力案件,国際社会における協力など日越間の幅広いテーマについて意見交換を行った。原子力発電所建設については,先方より,ハイ副首相同様,日本と協力していきたい旨の回答があった。

3.ホアン・クオック・ヴォン商工省次官との会談(8月11日午後)

 経済面の様々な二国間の協力案件を着実に実施することを通じて,日越関係を強化していくことで一致。特に,原子力発電所の建設やレアアース開発に関する協力について議論を行い,原子力発電所建設については,先方より,ハイ副首相同様,日本と協力していきたい旨の回答があった。また,レアアース開発についても,早期の操業開始に向けて両国が協力していくことで一致した。

4.その他

(1)上記の会談の他,高橋副大臣は,ディン・ラー・タン交通運輸大臣表敬,ギエム・ヴー・カイ日越友好協会会長との会談を行い,様々な協力案件を実施し,一層日越関係を強化することで一致した。

(2)また,上記1.~4.(1)のいずれの会談においても,高橋副大臣より東日本大震災に際するベトナムからの見舞いと支援に対して謝意を表明し,先方からは,改めて見舞いと弔意の表明があるとともに,日本が早期に復興を遂げることを確信している旨の発言があった。