日本漁船「第31吉進丸」に対する銃撃・拿捕事件の発生を受け、塩崎外務副大臣は麻生大臣の指示で訪露し、8月18日、モスクワにおいてロシュコフ露国境警備局第一副長官及びアレクセーエフ外務次官と各々会談を行った。
(1)我が方の領土問題に関する立場に基づき、本件銃撃・拿捕事件及び乗組員の生命が失われたことにつき厳重に抗議。
(2)乗組員の遺体の引渡しの早期実現を要請。また、国後島に派遣されている山中政務官による3名の乗組員との直接面会を実現するよう要請。
(3)人道上の観点から3名の乗組員及び船体を即時解放するよう要請。
(4)同様の事件の再発防止のため、事件発生後、日本政府から関係者に改めて指示を徹底する等の対策を講じている旨紹介しつつ、露側においても、生命が失われるような重大な事件が再発することがないよう関係者への指示を徹底するよう要請。
(5)領土問題という難しい問題を抱える中で、「貝殻島昆布協定」及び「北方四島周辺水域枠組協定」に基づく北方四島周辺水域における操業の枠組みを維持すべき旨指摘。
(6)四島交流・四島住民支援について、領土問題の解決に寄与するという本来の意義にかんがみ、日本政府として引き続きこれらの事業を行っていく方針である旨紹介。
(1)ロシュコフ第一副長官、アレクセーエフ次官の両名より、亡くなった乗組員の方への哀悼の意を表明。
(2)領土問題に関する露側の立場を表明しつつも、遺体の引渡しについては、人道的見地から早期実現に向け最大限努力しており、海上保安庁の巡視船が国後島に寄港できるようにした旨発言。
(3)国後島における山中政務官と3名の乗組員との面会について、人道上の見地から面会実現に向けて最大限努力する旨発言(19日朝、国後島に上陸した山中政務官と3名の乗組員との面会が実現。)。
(4)乗組員の解放について、アレクセーエフ次官から、必要な手続を経る必要はあるが、人道上の観点からできるだけ早期の解放の実現に努めたい旨発言。
(5)再発防止及び操業の枠組みについて、「貝殻島昆布協定」及び「北方四島周辺水域枠組協定」という既存の枠組みが維持され、これらの枠組みに従って安定的かつ安全な操業が行われることが重要であるとの認識で一致。
(6)四島交流・四島住民支援の継続については、アレクセーエフ次官より、異存はない旨の発言があった。