外務本省

日CLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)外相会談について

平成19年1月12日

 1月12日14時10分から15時15分にかけて、フィリピン・セブのシャングリラホテル内会議室において、浅野外務副大臣が、ハオ・ナムホン・カンボジア副首相兼外相、トンルン・ラオス副首相兼外相、キエム・ベトナム副首相兼外相との間で日CLV外相会談を行ったところ概要以下の通り。

1.北朝鮮情勢

(1)浅野副大臣より、六者会合が具体的な成果を上げるために国際的な圧力によって北朝鮮の前向きな対応を促すことの重要性を強調し、また、拉致問題の解決なくして、日朝国交正常化や友好関係の樹立は不可能であるとの考えを説明した。その上で、浅野副大臣より、日本として拉致問題を含む「北朝鮮の人権状況」決議の国連での採択を極めて重視している旨述べた上で、CLVに対して次回は賛成の立場をとるよう強く要請を行った(:昨年12月の国連総会における採決ではベトナム、ラオスは反対、カンボジアは棄権)。

(2)これを受けて、CLV3か国は北朝鮮の拉致をそろって非難し、カンボジア及びベトナムより北朝鮮人権決議について次回は賛成する意向が示され、また、ラオスからは賛成する方向で政府部内で検討を開始するとの見解が示された。CLV3か国は北朝鮮と親密な関係にあるだけに、この3か国がそろって方針を転換することは、北朝鮮に対する強いメッセージとなると共に、国際世論の形成に影響を与えることとなる。

2.日CLV協力

 浅野副大臣より、下記のとおり「日本・メコン地域パートナーシップ・プログラム」(PDF)PDFの内容を説明し、CLV3か国からは日本の今までの協力に対する謝意が表明されるとともに、今回の新しい協力策を歓迎する旨の発言がなされるとともに、開発の三角地帯への更なる日本の援助及び日本の民間投資の促進への期待が示された。

(1)今後3年間、メコン地域を我が国経済協力の重点地域とし、カンボジア、ラオス、ベトナムの各国及び地域全体に対するODAを拡充する。

(2)これに加えて、経済統合に対応するASEAN諸国の努力を支援するための総額5200万ドルの新規拠出を活用して、CLMVに対して約4000万ドルの支援を行う。

(3)その上で、日本のメコン地域に対する支援は、(イ)地域経済の統合と連携の促進、(ロ)日本とメコン地域との貿易・投資の拡大、(ハ)価値観の共有と地域共通の課題への取組を3つの柱とし、メコン地域諸国及び他の開発パートナーと協力して、取組を集中的に強化していく。

(4)また、日本は「開発の三角地帯」に対する協力を重視する。今年度は34件合計16億円以上の協力案件を実施する予定であり、これに加えて、2.(2)のCLMVに対する約4000万ドルの新たな支援のうち約2000万ドルを「開発の三角地帯」支援に充てる。

(5)昨年末に我が国とカンボジア及びラオスとの間でそれぞれ二国間投資協定の正式交渉の開始が合意できたことを歓迎し、よいものをスピード感をもって作れるよう努力する。また、同じく昨年末に立ち上げに合意した日本・ラオス間の貿易投資環境整備のための官民合同対話にも期待。

(6)最後に、日CLV友好協力関係をさらに促進していくため、来年度の然るべきタイミングでCLVを含むメコン地域5か国の閣僚が参加する日本メコン地域閣僚会合を日本において開催すべく今後調整していく。

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