(1)福田総理は、6月1日から5日まで、ドイツ、英国、イタリアを訪問した。
(2)今次訪問では、北海道洞爺湖サミットに向けて、メルケル独首相、ブラウン英首相、サルコジ仏大統領、ベルルスコーニ伊首相とそれぞれ会談を行い、世界経済、気候変動、開発・アフリカ、食料価格高騰等のサミットの議題を中心に意見交換を行った。
(3)また、イタリア滞在中の3日には、約150ヵ国の首脳・閣僚等(うち約50ヵ国が首脳)が集う国連食糧農業機関(FAO)主催「世界の食料安全保障に関するハイレベル会合」に出席し、演説を行った。福田総理は演説の中で、食料価格高騰に対処するために国際社会が一致団結して行動をとる必要がある旨強調するとともに、食料市場の投機的側面の監視、輸出規制に関する規律強化、長期的な食料増産の必要性等の我が国の考え、並びに、30万トン以上の輸入米放出や約5千万ドルの貧困農民に対する食料増産支援等の我が国の貢献策につき述べた上、北海道洞爺湖サミットにおいてしっかりと議論を行い、力強いメッセージを共同で発出するという決意を表明した。
(4)このほか、福田総理はイタリア滞在中、ラージャパクサ・スリランカ大統領、アフマディネジャド・イラン大統領、潘国連事務総長、ムバラク・エジプト大統領とそれぞれ会談を行い、二国間関係、地域情勢等について意見交換を行った。
(1)今次訪問の機会に、洞爺湖サミットに参加する欧州4カ国及びアウトリーチ会合参加国・機関(エジプト、国連)の首脳と会談を行い、サミットの主要議題について事前に率直な意見交換ができたことは、サミットにおいて総理が議長として指導力を発揮し、各国の協力を得るとの観点から有意義であった。独、英、仏、伊の各首脳との会談は、総理就任後初めてであり、サミットに向け個人的な関係を強化することができた。
(2)また、食料価格高騰の問題に対する国際的な注目が高まる中、福田総理が今次FAOハイレベル会合に自ら出席し、G8議長国たる我が国の考えと貢献策につき表明したことは、特にサミットに向け、我が国が本問題に関する国際社会の議論を主導していく上で、有意義であった。
(3)このほか、各首脳会談において、二国間関係や地域情勢について率直な意見交換ができた。