国連外交
日本と国連
日本と国連
戦争の惨害から将来の世代を救うという決意の下、1945年に創設された国際連合(国連)。創設から11年後の1956年12月18日、日本は80番目の加盟国となり、以来、日本は国連を舞台に様々な分野で国際貢献を積み重ねてきました。
今日、国際社会は、紛争やテロ、貧困、難民、気候変動、感染症など、克服すべき新たな地球規模の課題を抱えています。こうした課題には一国では対処できません。国際社会は、国連という普遍性のある場を最大限活用することで、これらの課題を解決していく必要があります。
日本は、国連の活動の三本柱である平和と安全、開発、人権に加え、法の支配を含む様々な分野において国際社会をリードするとともに、財政的・人的貢献も行ってきました。このように、日本は国連にとって欠くことのできない重要な存在となっています。日本が国連で活躍することは、日本のみならず世界の平和と繁栄を築くことにつながっています。
2016年1月から2017年12月までの2年間、日本は国連加盟国中最多の11回目となる安全保障理事会(安保理)の非常任理事国の任期を務めました。安保理において日本は、国際の平和と安全に関わる幅広い課題に積極的に貢献しました。特に、北朝鮮情勢への対応、中東・アフリカ地域などにおける国連平和維持活動(PKO)及び平和構築に向けた貢献、安保理の作業方法の改善などが挙げられます。
日本外交にとっての国連の重要性
環境・気候変動、核軍縮・不拡散、紛争解決や平和構築、貧困等、外交において主要課題として顕在化する様々な分野で国連は重要な役割を果たしています。日本自身の持続可能な成長のためにも、これら諸課題に取り組む国連と連携して、安定した国際環境の創出は不可欠です。さらに、国連は北朝鮮問題等、日本の安全保障にとって重大な問題についても、重要な役割を担っています。
また、国連は幅広い諸国が加盟しているという普遍性と、世界中の情報・知見を集約しているという専門性に基づく正統性という強みを持っています。日本はこの強みを最大限に活用することで、一国では実現できない政策目標を実現することができます。
国連に関する日本の取組
国連改革・安保理改革
安保理は国際社会の平和と安全に関する課題に対して主要な責任を負っていますが、国連創設以来、その機構は基本的に変化していません。今日の課題に、安保理が効果的に対処していくためには、21世紀の国際社会の現実をふまえた形で安保理を改革することが急務です。安保理改革を含む国連改革についてご紹介します。
日本の分担金・拠出金
国連の予算は各国に義務的に割り当てられる分担金と、各国が政策上の必要に応じて拠出を決定する任意拠出金から構成されています。
日本は厳しい財政事情の中、国連において、米国及び中国に次ぎ加盟国中3番目に分担金を負担している国であり、国連が予算を効率的に活用できるよう、予算交渉等を通じ、積極的な働きかけを行っています。
国際機関で働く日本人職員
日本は、国連を始めとする各国際機関が取り組む課題に対し、分担金や拠出金の拠出や政策的貢献だけではなく、日本人職員の活躍を通じた広い意味での人的貢献も行ってきています。
国連平和構築委員会
国連平和構築委員会の主な目的は、紛争後の国家の平和構築と復旧のための統合戦略を助言及び提案することです。我が国は組織委員会のメンバーとして、また、2011年から2015年までの間、教訓作業部会の議長国としてその活動に貢献してきています。我が国は、2006年の平和構築基金の設立以来、同基金に対して積極的に貢献してきており、2016年9月、当面1,000万米ドル規模の拠出を目指すことを表明するなど、現在までに総額5,350万米ドル(2020年には100万米ドル)を拠出し、第7位の主要ドナー国となっています(2020年11月現在)。
奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問団
日本の将来、また、世界の将来を担う青少年に、国連本部の訪問等を通じて、世界の平和と繁栄に貢献する国連の取組や、国連を通じた日本の国際貢献等について理解を深めてもらい、将来、広い視野に立って、国際社会で活躍する上で、有益な経験を積んでもらうことを目的とし、平成13年度に当時外務省国連政策課長であった故・奥克彦大使の発案により始められた派遣事業です。