平和構築

国連平和構築委員会
(概要)

2011年8月

1.目的及び経緯

  1. (1)平和構築委員会(PBC)の主要な目的は,持続可能な平和を達成するために,紛争状態の解決から復旧,社会復帰,復興に至るまで,一貫したアプローチに基づき,紛争後の平和構築と復旧のための統合戦略を助言および提案すること。
  2. (2)アナン事務総長(当時)により,2005年3月の事務総長報告で設立が提言。9月の国連首脳会合成果文書で設立が合意されたことを受け,同年12月,国連総会および安保理により,両機関への政府間諮問機関として,PBCの設立を決定することなどを内容とする決議がそれぞれ採択された(総会と安保理の共同設立)。

2.組織委員会構成国

  1. (1)安全保障理事会7か国:常任理事国(米国,英国,フランス,中国,ロシア,コロンビア,ガボン)
  2. (2)経済社会理事会から7か国:エジプト,ルワンダ,ザンビア,韓国,ウクライナ,グアテマラ,スペイン
  3. (3)主要財政貢献国5か国:日本,カナダ,スウェーデン,ノルウェー,ドイツ
  4. (4)主要軍事・警察要員派遣国5か国:バングラデシュ,インド,ネパール,ナイジェリア,パキスタン
  5. (5)総会から7か国:チェコ,チュニジア,ベナン,インドネシア,ペルー,ブラジル,ウルグアイ

3.活動概要

(1)組織委員会(議長:ルワンダ(アンゴラ,日本,チリ,ドイツに継ぎ第5代目))

 組織・手続事項(仮手続規則の採択,検討対象国の選定,作業計画の策定)やPBCの活動のあり方に関する戦略・政策的協議などを行う。組織委議長はPBCを代表して安保理や総会における年次報告や安保理議長などとの協議を行う。

(2)教訓作業部会(議長:日本(エルサルバドル,ネパールに継ぎ3代目))

 平和構築の問題に関するベスト・プラクティスや教訓をレビューし,組織委員会に報告する

(3)国別会合

  1. (ア)ブルンジ(議長:スイス)

     優先分野を(1)良き統治促進,(2)法の支配強化,(3)治安部門改革,(4)コミュニティー復興の4分野として,2007年6月に平和構築戦略枠組み(IPBS)が策定され,12月にはIPBS実施のモニタリング・メカニズムが設置された。本年6月までの平和構築基金(PBF)による支援は,21件(約40百万ドル)。

  2. (イ)シエラレオネ(議長:カナダ)

     優先分野を(1)若者の雇用と能力向上,(2)良き統治,(3)司法・治安部門強化,(4)能力構築,(5)エネルギーの5分野として,2007年12月に平和構築協力枠組みが策定された。本年6月までのPBFによる支援は,33件(約45百万ドル)。

  3. (ウ)ギニアビサウ(議長:ブラジル)

     優先分野を(1)選挙,(2)経済活性化及びインフラ再建(特にエネルギー部門),(3)治安・国防部門改革,(4)司法部門強化・法の支配・麻薬密売対策,(5)行政改革,(6)社会問題の6分野として,2008年10月に平和構築戦略枠組みが策定された。本年6月までのPBFによる支援は,7件(約6百万ドル)。

  4. (エ) 中央アフリカ共和国(議長:ベルギー)

     優先分野を(1)治安部門改革及びDDR(武装解除・動員解除・元兵士の社会復帰支援),(2)法の支配,(3)開発拠点の3分野として,2009年6月に平和構築戦略枠組みが策定された。本年6月までのPBFによる支援は,26件(約31百万ドル)。

  5. (オ)リベリア(議長:ヨルダン)

     2010年9月,PBC対象国になることが正式決定され,その後,(1)法の支配,(2)治安部門改革,(3)国民和解促進を優先分野とする平和構築に関するリベリア政府及びPBCの相互コミットメント声明(Statement of Mutual Commitments on Peacebuiling)が作成された。本年6月までのPBFによる支援は,28件(約20百万ドル)。

  6. (カ) ギニア(議長:ルクセンブルグ)

    2011年3月,PBC対象国として正式決定。4月に国別会合議長の現地訪問,5月に世銀,ユニセフ等を含む専門家ミッションが訪問。国民和解,治安部門改革,若年層及び女性の雇用に焦点をあてた戦略が作成される予定。ギニアは,PBC対象国となる以前よりPBFの支援を受けており,本年6月までの支援は,11件(約13百万ドル)。

4.平和構築基金(PBF)

  1. (1)2006年10月に設立。国連平和構築支援事務局(PBSO)の管轄の下でUNDPマルチドナー基金が管理・運営。支援形態は(1)平和構築・復旧枠,(2)緊急対応枠での支援の2つ。同基金の諮問グループ(10名)には,我が国より高須前国連大使が就任している。
  2. (2)我が国は,2006年5月のアナン事務総長(当時)訪日の機会にPBFへの2千万ドルの拠出を表明し,基金設立の際に拠出。2010年6月現在の拠出総額は約379百万ドル。
  3. (3)拠出総額の順位は現時点で,(1)スウェーデン(約73百万ドル),(2)イギリス(約53百万ドル),(3)オランダ(約46百万ドル),(4)ノルウェー(約32百万ドル),(5)日本(32.5百万ドル),(6)カナダ(約28百万ドル)。

5.運営

 国連事務局内に平和構築支援事務局(PBSO)が設置されており(事務総長直轄),PBCの議事運行や報告書作成などを支援するほか,PBFの実際の運営を行っている。事務局長は,2009年9月よりジュディ・チェン=ホプキンス氏(マレーシア国籍)。

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