報道発表

パキスタンに対する無償資金協力「第二次洪水警報及び管理能力強化計画」に関する書簡の交換

平成27年3月10日

1 本10日(現地時間同日),パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて,中根一幸外務大臣政務官の立会いの下,我が方片江学巳駐パキスタン臨時代理大使と先方ビベケ・ジェンセン国連教育科学文化機関(UNESCO)イスラマバード事務所代表(Ms. Vibeke Jensen, Representative, UNESCO Islamabad)との間で,4億8,900万円の防災・災害復興支援無償資金協力「第二次洪水警報及び管理能力強化計画」(Strategic Strengthening of Flood Warning and Management Capacity (Phase 2))に関する書簡の交換が行われました。

2 パキスタンでは,2010年に死者数が1,700人以上を超える甚大な洪水被害が発生したほか,その後も頻繁に大規模な洪水被害に見舞われており,深刻な人道上の問題が生じているのみならず同国における経済発展の阻害要因ともなっています。これを受け,2011年に我が国支援「洪水警報及び管理能力強化計画」により,我が国の技術を活用した洪水予測システムを同国のインダス川流域に導入しました。これによって,インダス川本線の上流域において初めて河川流量の把握と,下流域における洪水・氾濫予測が可能となりました。

3 今回の支援は,上記洪水予測システムの適応範囲をインダス川東部支線流域にまで拡大するとともに,インダス川流域に水文観測施設を整備することで,洪水予測精度の向上を図るものです。また,洪水予警報にかかる情報伝達ネットワークの構築及び防災関係者への災害管理研修等を通じて,同国における洪水被害の軽減に貢献するものです。

4 なお本件支援は,我が国が2013年11月に策定した攻めの地球温暖化外交戦略「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した,2013年から2015年までの3年間の気候変動分野における途上国支援策の一環として実施するものです。我が国としては,全ての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。

(参考)パキスタン・イスラム共和国基礎データ
 パキスタン・イスラム共和国は,面積約79.6万平方キロメートル,人口1億8,802万人(2013/2014年度,パキスタン経済白書),1人当たりの国民総所得(GNI)1,380米ドル(2013年,世界銀行)。


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