ODAとは? 国際協力とNGO(非政府組織)

(1)PRA入門ワークショップ

※NGO:非政府組織(Non-Governmental Organizations


主催: 外務省
実施: 教育協力NGOネットワーク
協力: 開発教育協議会
開催日: 2002年8月7日(水曜日)~9日(金曜日)
会場: 国立オリンピック記念青少年総合センター
目的: PRA(Participatory Rural Appraisal、参加型農村調査手法)についての基本的な知識、ファシリテーターに必要な態度、技能を身につける。
対象: PRAの研修を受けたことのない国際協力NGOスタッフ。参加者31名。
講師: Kamal Phuyal氏(PRAファシリテーター、カトマンズ在住、高校教員、アクション・エイドのスタッフをへて、現在はフリーランスのファシリテーター)


参加者からは、住民参加によるニーズアセスメント、事業立案の手法についてよく理解できた、実際に使ってみたいという感想が多かった。3日間は短い、教育事業に絞ったPRA研修を受けてみたいとい要望も出された。PRAについての研修の機会は増えてきているので、実際に使った団体での情報交換を行い、経験を蓄積していくことも今後必要となると思われる。


1. ポケットに豆を入れて自己紹介
各自、参加人数分の豆を左のポケットに入れ、参加者同士1対1で自己紹介。相手に1粒渡し、相手からも1粒もらい右のポケットに入れる。左のポケットの豆がなくなれば全員と自己紹介をしたことになる。多くの人の前での自己紹介は勇気がいるものだが、この方法なら誰でも気楽にできる。


2. 「参加」とは--ワークショップ会場がネパールの村に
ロールプレイでネパールの村を再現。ある村を想定して、そこに住む各階層の人々の役割を参加者に順にボランティアで割り当てて構成していく。
男性を正面に座らせ帽子をかぶせ村長、村長に団扇で風を送る使用人、村長に助言を与える知識人助言者、反対派リーダー、先生、裕福な農民、中流農民、貧困農民、極貧農民、ビジネスマン、ポーター、子どもたち、役人など。部屋いっぱいに、時間をかけて「ネパールの村」を作り上げる。
ファシリテーターは、この中の誰の意見を吸い上げるべきなのか、そのためにどうすればいいのかを改めて考える。ロールプレイにより、村の社会構造を具体的に想像でき、「貧農」や子どもたちなど弱者の意見を聞き出すことの大切さ、難しさを考えさせられた。
この構成は、どこの社会でも共通して見られるもので、国際社会の国同士にも当てはまる。今後の作業の中で、この構成を理解しておくことが大事である。
PRAは「参加型」となっているが、60言語あるネパールでは、地域によって参加の意味や考え方が異なる。例えば「一緒に働く」という意味もあれば、「男が集まって決めたことに従うこと」とする地域もある。
Whose reality? 誰がペンを持っているのか?
住民に筆記具を渡し、PRAのプロセスに参加してもらうことが大切。


3. 一対式順位決め(Pair-wise ranking
同様の階層の人達によって出された優先項目や選択項目を、より確かにするために、項目を対にして確かめる作業。

「東京の問題」で練習
ワークショップの参加者が集まった東京には、どんな「問題」があるのか。出し合ってみる。「忙しい」「暑い」「混雑している」「物価が高い」など、次々とあがる。次に、それぞれの問題を、一つずつ比較しあっていく。「忙しい」のと「暑い」のはどっちが、より問題であるのか、というように。これを縦・横の表にして記入し、その数を合計する。参加者は、東京では物価が高いことをもっとも優先すべきこととした。

  忙しい 暑い 混雑 物価が高い ・・・・・・・・・・
忙しい 忙しい 忙しい 忙しい 物価が高い  
暑い × 暑い 混雑 物価が高い  
混雑 × × 混雑 物価が高い  
物価が高い × × × 物価が高い  
・・・・・・・・・・ × × × ×  
・・・・・・・・・・ × × × ×  
合計 4 2 3 5  


「ネパールの村」で作業
練習の後、階層別に関心のある事項を出し合い、この作業を行った。
階層によって関心事項は大きく異なり、裕福な階層は政治力や安全対策であり、貧困層は健康や食料の確保であった。
項目を集める際、意見の弱い者の項目が出てこない恐れがある。そのため多様な意見を尊重する姿勢が必要である。


4. PRAとは?

PRAの要素


PRAの定義
PRA can be described as a family of approaches, methods and behaviours that enable local people to express and Analysis the reality of their lives and conditions, to plan themselves what action to take, implement the planned programs and to monitor and evaluate the results.
PRA: Participatry Rural Appraisal
RRA: Rapid Rural Appraisal
PLA: Participatry Learning and Action

PRAの歴史
PRAは1985年から農村で用いられ、1992年には都市でも用いられるようになった(PUA: Participatory Urban Appraisal)。1995年、PRAには学びと行動が伴うということで、PLAと言われるようになった。
現在は、農村であれ、都市であれ、PRAという言葉が用いられており、また実際はPLAであってもPRAと呼ぶことが多い。

PRAの目的
PRAの目的

PRAはPAM(Participatory Action Method)である。ファシリテーターの役割は答えを用意するのではなく、参加者、特に貧困層、非識字者、辺境の地に住む人々に、自身が学び、行動する(=empowerment)よう仕向けることである。そのためには言葉だけでなく、記号(文化により意味は異なる)やその土地にあるもの(種や木の枝など)を用いる。これによって人々がプロセスに参加しやすくなり、参加者間のヒエラルキーが縮小される。

PRAの特徴 ・人々が参加/主導する
・その場所で行う
・指導権を人々に渡す
・多様性を尊重する
・地元の指標を使う
・地元の素材を使う
・プロセスは簡単で、楽しい
・社会変化をもたらす
・3つの視点からクロスチェックをする
・PRAから行動が生まれる
・外部者と地元の人が幸せを分かち合う


5. ジェスチャー
(1) 一人が黒板を背に座る。黒板に、ジェスチャーで表現しようとすることを書く。
(2) 他の参加者がジェスチャーで示し、座った一人が回答する。
人々(特に教育を受けていない人)への指導は、土地にあるものを使って行う。


6.Social MapTransect Walk
4つのグループに分かれ、研修を受けた建物の周りを歩き、資源、機会、問題を見つけ、地図を作る。歩く際には、そこにある資源を集め、これを地図作りに利用した。女性の多いグループは細かい内容が作られたが、男性の多いグループは大ざっぱな内容となっていた。

実施にあたってのポイント
当事者が参加する。
地域を参加者が実際に歩き、(自然にある)資源、機会、問題を探す。(問題を聞くことで意識が問題にばかり集中し、自分たちが持っている機会に関心が向かないことがある)
参加者が多いときは、グループ(子ども、女性、先生など)に分ける。
活動の分野が決まっている場合は、資源のみを聞く。

これによって以下のものが得られる。
・参加者がどのように認知しているか、いろいろな見方、アイディアを得られる。
・世帯数、人口、人口構成などを把握できる。
・地域の診断/状況分析(ベースライン調査とは言わない)ができる。
紙コップを逆さに置き、一世帯と見なし、底(上)に家族の人数や構成に合わせて色の異なる豆粒を置いていく。村の人口や5歳以下の子どもの人数、その栄養状況や教育状況なども調べることができる。1村、2~3時間で色々なことがわかる。使う材料は村にある物。
大阪で、学校に関する社会的地図を教師と生徒で作らせたところ、教師の地図にはなかったが、生徒の地図には「図書館が暗い」とあった。また、ネパールでも教師が書く地図は学校と自宅の往復の経路が中心だが、漁師の画く地図は川が中心になっているなど、普段の生活がそのまま地図に反映してくる。多様な考え方を尊重することが大切。
ファシリテーターが最初に動くが、参加者の一人に場所などを質問すると同時にペンを渡す。すると次々に他の参加者が自発的に意見を出しだす。公園を作るときは、子どもに地図を作らせる。子どもはブランコには関心がない。
日本国内でも、防災マップを作る際にこの手法が使える。避難経路、避難場所、非常品置き場など住民が参加して作成すればより理解が深まる。

参考文献:『参加型開発と国際協力』(明石書店)ロバート・チェンバース、2000年



7.プロジェクトサイクル
プロジェクトを始めるにあたっては、コミュニティの状況を知らなければならない。そこで、最初に、状況分析=「コミュニティの診断」をすることになる。しかし、ここで注意しなければならないのは、状況分析をするのはあくまでもそのコミュニティに住んでいる人々である、ということである。そこが、PRAがRRAと違うところである。

プロジェクト・サイクル



8.状況分析をするための道具(ツール)
では、どのようにして状況を分析するか。分析をする際には、いくつかの異なる道具(ツール)を使って、分析結果をクロスチェック(一つの事柄をいくつかの道具を使って分析し、総合的に判断)することが必要である。
分析道具(ツール)には以下のようなものがある。

(1)季節カレンダー
季節ごとにどのような行事があり、どのような病気が流行り、どのような経済状況かなどをカレンダーに書いていくことにより、1年の生活のサイクルが理解できる。

(2)移動地図
自分が過去に住んだり、行ったりしたことのある場所を書き出し、そこで得たことや気づいたことを考える。このツールはコミュニティを単位としても作ることができる。例えば、自分の村を基準にどの施設がどのくらいの距離にあるかを地図にすることもできる。

(3)1日の過ごし方
自分の1日を表にし、個人の時間がどのくらいあるか、仕事の時間、娯楽、勉強、睡眠時間がそれぞれどのくらいずつあるかを見る。男性と女性が別々に作って比較すると、どの仕事をどちらがどのくらいしているかが見えてくる。しかしその際は、男性と女性別々に作らないと、男性の意見に左右され、女性の現実がゆがめられる危険性がある。

(4)原因-結果図
問題の原因は何で、その結果どういうことが起こっているかを、今回は非識字という問題を例に考えた。問題の結果どういうことが起こっているか、そしてそれは自分にとってどのくらい不都合なことかがわかっていないと、プロジェクトをやっても長続きしないので、このツールを使ってそれを共有することができる。しかし、村人は必ずしも論理的思考に慣れていないので、そのような人々がこのツールを使うためには、ファシリテーターの役割が大きい。
もし、原因-結果図が難しければ、魚の骨図(fish-bone diagram)でもよい。原因-結果図では、原因と結果を木の枝のようにどんどんと伸ばしていくが、魚の骨図では、片方に原因を、もう片方に結果を、因果関係に関係なく書いていくだけでよい。

Q 根本原因を遡って考えていくと「貧困」などに行き着き、それについて何かやってくれるのではないかと村人の期待が大きくなる。しかし、NGOの方でできるプロジェクトに限界がある場合(保健や教育など)、どうすればいいか。
A NGOもすべての期待に応えられるわけではないので、自分たちがどこまでできるかを包み隠さず話すこと(透明性)が大事。そうすれば無用な期待を招かなくて済む。

(5)マトリクス・ランキング
例えば、教育分野で何を優先的に行うかを決める場合、参加者が自分が考える優先順位に従って豆や石を置いていき、優先順位を決める。このツールは評価にも使える。最適人数は6から12人。

(6)豊かさランキング
コミュニティの中で、誰が豊かで誰が貧しいかをランキングするツール。今回は、豊かなほうから、象、牛、やぎ、ねずみに分けた。だれが豊かでだれが貧しいかという問題は非常にセンシティブな問題なので、このツールを使うのは、ファシリテーターと村人との間で親密な関係ができた後に限られる。また、信頼のおける少人数で実施する。また、「豊か」「貧しい」という言葉は使わずに、「最も良い状態にある人」などという言い方をするときもある。いずれにしても、このツールを使うにはファシリテーターの能力が必要である。

Q ツールを使う順番はあるか。
A 社会地図から始め、豊かさランキングは最後。その間の順番は特にない。医者が患者の症状により使う道具が違うのと同じ。いつも社会地図を使うわけではない。


9.アイス・ブレイキング-彫刻作り
参加者で2重の円を作り、中と外とで向かい合ってグループを作り外側の人が内側の人を好きな形にする(彫刻のように)。完成後、外側の人が一周して他の人の作品を見て回る。
→笑う、ほぐれる→≪心を開かせるのもファシリテーターの重要な役割≫


10.PRA/PLAのツール
(1)地図-社会地図、移動地図
(2)図表-季節カレンダー、1日の過ごし方、原因-結果図
(3)ランク付け-一対式順位決め、豊かさランキング
(4)話し合い-フォーカス・グループ討論、半構造的インタビュー
(5)フローチャート-村人の誕生から死まで(誕生→学校→結婚→出産など)人生のフローチャートを作ることで、人生の問題やお金の出入りが分かる。国や村の文化や習慣を知る上で効果的。

グループ・ワーク
4つのグループに分かれてフローチャートを作成し、発表。

1)日本の女性の一生
2)日本の女性が一生の中で起こる問題
3)日本の男性の一生
4)学校のない村での教育事業

タイムライン
参加者から紹介されたツール。現時点から起こるであろう「いい事」「悪い事」を予測し、図に書いていく。そして、悪い事が起きた場合はどうやっていい事に変えていくかを討論する。

(図)タイムライン


プロジェクトのフロー・テーブル(例)

事業 何をする どこで いつ  誰の仕事 問題 必要なもの
識字教室 会合 教室 住民 NGO 行政・CBO 参加者数
男女構成
教材
予算、人
8月9日 宣伝 お茶 500ルピー
※村人自身の計画として決めていく事が重要



11.Appreciative Planning Process

Introductory meeting
  ↓
Introduction
Objective
Resources
村人の目線で関わるように、お酒を飲むなど和(good rapport)を築く大切なプロセス
Sharing village level
  ↓
Rapport building
Objective sharing
Set data/time workshop
Situation analyses
Basic survey
  ↓
Sharing baseline outcome
Review
Workshop
  ↓
Data setting
Planning report preparation
Planning
  ↓
Sharing planning preparation
Implementation committee formation
Sharing workshop
  ↓
Implementation


12.立案の演習

ある高校を想定。先生、生徒、父母、運営とグループに分かれ話し合った。学校の(1)よい点、(2)改善点、(3)5年後の理想像、(4)そのためにすべきことを用紙1枚に書き出す。

先生グループの模造紙の例
(1)資源
・良い先生がいる
・学食がおいしい
(2)改善すべき点(3つ)
・地域に開く
(3)5年後の夢、目標
・高校野球に出場
・有名人を出す
(4)それを実現する方法
・個性化教育
・地域と学習交流
発見/状況分析
  ↓
夢/目的
  ↓
設計/計画
  ↓
詳細実行計画

フローテーブルで村人と一緒に考え、進める。

*それぞれのグループで対立意見が出ても反対しない。多様性を尊重する。
*弱い立場の人の声が出ない場合は、集まってもらう人数を増やしバランスをとる。
*計画は弱い立場の人に焦点を当てて行うようにする。
*「警備強化」と「学校開放」の相反する事柄が異なるグループから出された。これらの調整は、代表者を数人ずつ出して話し合いをさせる。ファシリテーターは、今までの経験などを示しながら、方向を示してあげる。力関係が異なる場合は、弱い生徒などの人数を多くする。
*ファシリテーターであるNGOに過度な期待をさせないためには、透明性が大事で、NGO側の予算を明らかにしておく必要がある。


13.ビデオ「PRA in Central Asia

PRA in Central Asia」というビデオを見た。これまでの研修で学んだ調査手法を実際のフィールドでどう実践しているかを、中央アジアでのPRA調査の実例を紹介したビデオで鑑賞。
この中で述べられていたのは、
(1)参加者自身が楽しめるようにすること
(2)外部者が主導権を握ってはいけない
(3)できる限り参加者に任せ、外部者は横で観察するようにする
(4)その場に応じて柔軟に対応する。PRAに決まった方法や順番はない
(5)統計調査などでは、身の回りにある石・豆・枝なども活用できる
(6)外部者は自己紹介から始め、住民に打解けていくようにする
(7)外部者の態度や姿勢が大切
(8)参加者自身に分析もしてもらう
などであった。


Q 実際に村で調査したとき、集落の困窮度の順位付けで合意したにもかかわらず、活動の計画の段階では有力な集落が最初の受益者になった。このような場合、ファシリテーターは何ができたのか?
A こうすれば良い、という決まった答えはない。PRA/PLAは状況に応じていかに柔軟に使っていくかが鍵になる。重要なことはファシリテーターの態度であり、住民と良好な関係を築くことがまずは大切。あるPRAの会議でPRAの専門家が「PRAの最高のマニュアル」という題の本を配ったことがある。そのマニュアルの本文はすべて白紙だった(笑)。
質問のケースでは、例えば、話合いの場で村の有力者の意見が強く全体に影響を与えてしまう場合、ファシリテーターが機転を利かせてその有力者を場から外へ誘い出すなどの対応が必要になるだろう。政治力が働いて結論がゆがめられてしまったというのは、外部者の勝手な解釈かもしれない。そのような状況も含めてその村の決定だと捉えることも可能なのではないかと思う。


Q 援助関係者(外部者)がプロジェクト実施についてジレンマに陥った時、どのように考えれば良いか?
A 意志(目的)と実際の活動との関係を以下のように4パターン考えてみる。
(1)Good thing with good intention.
(2)Bad thing with bad intention.
(3)Good thing with bad intention.
(4)Bad thing with good intention.
Bad intentionという(2)(3)は論外として、(1)も問題ないだろう。ジレンマに陥るのは(4)の場合が予想される時だが、重要なのはgood intentionという気持ちの部分で、そういう信念があれば結果を気にし過ぎないような割り切りも必要ではないか。


14.学びやすい環境づくりのシミュレーション

(1)6人グループを作って、その中から1人を選出。他の5人は何も知らされず、選出された1名のみ「他の5名から名札、眼鏡、腕時計を借りる」よう指示される。
→事情を知らせずに全員から全てのものを借りるのは難しい。楽しく協力してもらえるような状況を作れるかどうかもポイント。
(2)カマル氏が部屋の中央に線を引き、それを挟んで全体を2グループに分ける。グループ対抗で所持品をたくさんその場に並べたグループが勝ちというゲームを行う。
→靴を脱いだり、ポケットの中のものを全て出したりして、全員が必死で参加。直前のゲームで物を何も貸さなかった人も所持品を全て並べる結果に。カマル氏が部屋の中央にペンを並べて線を引くことによって、その「場」を効果的に演出したため、全員の積極的な参加を引き出すことができた。何か共同で行なうには、良い環境を作り出すことが大切なことを実感。


15.終了証授与

「参加」を強調するため、終了証には参加者全員の集合写真を貼付。授与の方法もカマル氏が全員に渡すのではなく、参加者一人一人がそれぞれ別の人に授与することにした。

(報告執筆:大和信次郎、中野恵美、越智美奈、蜂須賀真由美、福井貴久子、栗原謙治)



---参加者の声---


学ぶということは学び手の側の主体的な参加が肝要ということを参加者の側に立って身を持って感じた。
また「支援プロジェクトはその土地に生きる人々が主体でNGOは触媒である」、ということも頭では理解していたが、そのための方法論を具体的に示されることでその意味をより深く理解できたように思う。
「いかに弱い立場の者が裨益できるようなプロジェクトをコミュニティの総意として調整するか」などの疑問点もあったが、それは現場での経験の積み重ねの中で各自が解決していく問題なのかもしれない。
今回の研修を終えてPLAの方法論は理解できたが、今後は具体的な支援現場での活動事例(匿名の失敗例なども)をできるだけ多く聞きたいと思った。もし今回集ったNGO関係者がそれぞれの現場でのPLA実践例を集積することが出来たら大変素晴らしいと思う。メール上でもかまわないので1年後、3年後「私は2002年夏のPLA研修をこのように生かした」という意見交換を行い、その実例集をまとめてはどうだろうか?

日本民際交流センター 落合知子



I had heard something about PRA before, however this workshop was the first time for me to learn it practically. The workshop was filled with solid information and the information was presented in an entertaining manner. The participatory workshop gave me not a few opportunities to use PRA tools.
The most impressed tools were diagramming tools. The tools showed the participants'lives clearly and made it easy to compare them. Not only diagramming tools but also mapping tools and ranking tools gave me a lot of ideas: I am going to be a person in charge of a project for social self-reliance for women headed households in Eritrea, and put PRA to practical use. In particular, we are will use it in the participatory workshop that will be organized at the beginning of the project to make the problems women have clearly.
I would like to make the most of what I have experienced in this workshop to enrich the project and improve the women's self-reliance in Eritrea. I was very grateful for Mr. Kamal Phuyal's excellent facilitation and glad to participate in such a significant and cheerful workshop.

Megumi Masui(JEN)
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