平成24年2月
(1)設立目的及び経緯
UNODCは持続可能な開発と人間の安全保障を確保する観点から、不正薬物、犯罪、国際テロリズムの問題に包括的に取り組むことを目的に設立された。
1997年、国連薬物統制計画(1990年決議により設立)及び犯罪防止刑事司法計画(1991年設立)を統合し、国連薬物統制犯罪防止事務所(UNODCCP)が設立された後、2002年に改称して現在のUNODCとなった。
(2)体制
職員数:約425名(2011年8月現在)
事務局長:ユーリ・ヴィクトロヴィチ・フェドートフ(2010年9月~)(任期4年)
事務所:ウィーン本部のほか、53か所に各国・地域事務所(プロジェクト・オフィス等を含む。)を持つ。
予算:9割以上を任意拠出金に依存。
(3)業務
(ア)主な業務は、1)政策及び事業決定過程に資するため、不正薬物及び犯罪に関する調査・分析を行うこと、2)国連加盟国の不正薬物、犯罪、テロリズムに関する各条約の締結・実施及び国内法整備を支援すること、3)国連加盟国に対し、不正薬物、犯罪、テロ対策における能力向上のための技術協力を提供することである。
(イ)また、UNODCは、国連経済社会理事会(経社理)の機能委員会である麻薬委員会及び犯罪防止刑事司法委員会と、国際麻薬統制委員会の事務局を務めているほか、国際組織犯罪防止条約など各種関連条約の事務局も務める。
(ウ)麻薬委員会や犯罪防止刑事司法委員会で採択された後、上部機関である経社理で採択された決議は、結果としてUNODCの事業の方向性に指示を与える。
(4)内部基金
UNODCは、薬物対策実施のための国連薬物統制計画(UNDCP: the United Nations International Drug Control Programme)基金及び犯罪・テロリズム対策実施のための犯罪防止刑事司法基金(CPCJF: Crime Prevention and Criminal Justice Fund)の2つの基金を有する。両基金の使途等については、国連の監査を受けるとともに、麻薬委員会及び犯罪防止刑事司法委員会の会期間会合で審議され、国連総会で正式に決定される。
(1)薬物分野
国連薬物統制計画基金の技術協力事業の主な分野別内訳は、1)条約の締結・実施等法整備約、2)調査・研究等政策分析、3)薬物予防措置、4)代替開発、5)HIV/AIDS対策等となっており、薬物統制について国連内外の各機関に対してアドバイスを行うほか、薬物の需要・供給の削減と不正取引の防止に関するプロジェクトなどを実施している。
(2)犯罪防止刑事司法分野
犯罪防止刑事司法基金の技術協力事業の主な分野別内訳は、1)条約の締結・実施並びに刑事司法制度改革等支援、2)脅威・リスク分析、3)腐敗対策、4)人身取引対策、5)被害者支援等となっており、法の支配の強化や安定した刑事司法制度の促進など、国際組織犯罪の脅威との闘いに取り組んでいる。
(3)テロ対策分野
1999年4月にUNODC内に設置されたテロ防止部は、国連安保理決議第1373号及びテロ防止関連条約実施のための技術支援を、国連テロ対策委員会(CTC)ないし援助を必要とする国々からの直接要請に基づき実施している。同防止部の活動は、2002年10月より犯罪防止刑事司法基金の中に設けられた基金(Global Program against Terrorism)に拠っている。
我が国は、UNODCへの拠出国として、その政策決定に参画しており、我が国の発言は主要拠出国会合等における審議・決定に反映されている。また、我が国は、UNODCの事業に方向性を与える麻薬委員会及び犯罪防止刑事司法委員会の委員国でもある。
(1)邦人職員
2012年2月現在、邦人職員は8名が勤務。
(2)国連薬物統制計画(UNDCP)基金,犯罪防止刑事司法基金(CPCJF)及びテロ対策プログラムへの日本の拠出実績(過去5年間。補正予算を含む。)
| 年度 | UNDCP | CPCJF | テロ防止部 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 平成18年度 | 216.9 | 2.3 | 5.0 | 224.2 |
| 平成19年度 | 195.2 | 5.0 | 4.6 | 204.8 |
| 平成20年度 | 426.4 | 72.3 | 6.6 | 505.3 |
| 平成21年度 | 591.8 | 312.6 | 6.7 | 911.1 |
| 平成22年度 | 693.7 | 153.7 | 179.8 | 1127.3 |
| 平成23年度 | 126.0 | 9.2 | 4.1 | 139.3 |
(単位:万ドル)