国際組織犯罪に対する国際社会と日本の取組

第13回国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)

平成27年4月21日

4月12日から19日まで,カタールのドーハにおいて,第13回国連犯罪防止刑事司法会議(5年ごとに開催される犯罪防止・刑事司法分野における国連最大の国際会議,通称コングレス)が開催されたところ,概要以下のとおり。
今回の会議において,我が国が次回コングレス(2020年)の開催国となることが決定した。

1 出席者

開催国であるカタールのアブドッラー首相兼内務大臣が全体会合の議長を務め,タミーム・カタール首長,潘基文国連事務総長,フェドートフ国連薬物・犯罪事務所(UNODC)事務局長のほか,約140か国から司法大臣や検事総長を含む政府の代表,国際機関,NGO関係者など,計約5000人が参加。
我が国からは,大野検事総長を首席代表とし,北野在ウィーン国際機関日本政府代表部大使ほか,法務省,警察庁,外務省等から構成される政府代表団が出席。

2 議題

(1)法の支配の促進及び持続可能な開発のための包括的な犯罪防止・刑事司法政策
(2)国際組織犯罪対策のための国際協力
(3)新たな形態の国際犯罪の防止・対応(サイバー犯罪,文化財の不法取引,環境犯罪等)
(4)犯罪防止・刑事司法強化のための市民参加

3 概要

(1)ポスト2015年開発アジェンダの策定と機を同じくして開催された今回のコングレスでは,「犯罪防止・刑事司法のより広い国連アジェンダへの統合」をテーマとし,成果文書として,今後5年間に国際社会が取り組むべき犯罪防止・刑事司法分野の対策や協力の方向性を示すドーハ宣言が採択された。同宣言により,次回2020年の第14回コングレスを日本で開催することも決定した。
(2)全体会合では,上記の各議題について,各国より,自国の取組やグッドプラクティスの紹介が行われ,持続可能な開発のための法の支配の役割やポスト2015年開発アジェンダの実施における犯罪防止・刑事司法の重要性が確認された。また,組織犯罪や腐敗,テロ等が持続可能な開発を阻害する脅威となっており,国際社会が連携してこれら課題に対処することの重要性が強調されたほか,国際組織犯罪防止条約や国連腐敗防止条約,薬物関連諸条約,テロ関連条約等の締結・履行が奨励された。
(3)サイバー犯罪や文化財の違法取引,野生動植物の違法取引を含む環境犯罪等,新たな形態の犯罪対策は,国際社会にとって喫緊の課題となっており,法執行当局間の協力強化やこうした犯罪に対処するための各国の能力強化及び技術援助の必要性が多く指摘された。
(4)多くの国より,テロはいかなる理由でも許されず,国際社会が連携してテロ対策に取り組む必要があることが強調されるとともに,近年,テロと組織犯罪との結びつきが強まっていることが指摘されたほか,テロや犯罪の根本原因となっている貧困や格差等への対処も含めた包括的なテロ・犯罪対策が必要であるとの点が強調された。
  • ハイレベルセグメントにおける大野検事総長スピーチ
  • 閉会式において次回コングレスの日本開催に向けたステートメントを行う北野大使

4 我が国の対応

(1)閣僚級等の参加を得て行われたハイレベル・セグメントにおいて,大野検事総長より,刑事司法分野における日本の取組とともに,国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)(注1)やUNODCを通じた技術支援等の日本の貢献を紹介したほか,次回コングレス(2020年)の日本開催に向けた招請スピーチを行い,議場において拍手をもって歓迎された。
(2)北野在ウィーン国際機関日本政府代表部大使より,日本の外交面での包括的なテロ対策支援の取組について紹介するステートメントを行ったほか,サイバー犯罪分野における技術援助及びキャパビル支援の重要性について,日本の取組に言及しつつ,ステートメントを行った。また,北野大使が全体会合の一部の議題において,議長を務め,コングレスの議事運営に貢献した。
(3)そのほか,ドーハ宣言の作成作業に積極的に関与したほか,UNAFEIによる他の国連犯罪防止・刑事司法プログラム・ネットワーク機関(PNI)(注2)と連携してのワークショップの企画・運営等を通じ,犯罪防止・刑事司法分野における国際協力を積極的に進めていくという日本の姿勢を示すことができた。さらに,展示エリアにブースを設け,日本やUNAFEIの刑事司法分野における取組や貢献等を紹介した。
(4)閉会式において,次回コングレスの日本開催に向け,北野大使よりステートメントを行うとともに,上川法務大臣からのビデオメッセージを上映し,次回コングレスの日本開催を積極的に印象付けた。
 
(注1)国連アジア極東犯罪防止研究所
 国連と日本国政府との協定に基づいて設立された国連の地域研修所(府中に所在)であり,費用及び人員の両面において日本政府の負担で運営されている。各国の刑事司法実務家を対象とする国際研修及びセミナーの実施,犯罪防止及び犯罪者処遇に関する研究等を実施。
(注2)国連犯罪防止・刑事司法プログラム・ネットワーク機関
 国連の犯罪防止・刑事司法プログラムに協力する機関。国連薬物・犯罪事務所(UNODC)を中心に18の機関が参加。UNAFEIは最古のPNI。
  • 上川法務大臣のビデオメッセージ上映
  • 日本展示ブース


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