ODAと地球規模の課題

令和6年5月15日

1 小島嶼開発途上国(SIDS:Small Island Developing States)とは

 小さな島で国土が構成される開発途上国。地球温暖化による海面上昇の被害を受けやすく、島国固有の問題(少人口、遠隔性、自然災害等)による脆弱性のために、持続可能な開発が困難だとされる。SIDSのメンバーシップに明確な定義は存在しないが、国連事務局が公表しているSIDSリストには、太平洋、カリブ、アフリカ地域等の37の国連加盟国及び20の非国連加盟国・地域が含まれている。これらの国・地域の多くが小島嶼国連合(AOSIS:Alliance of Small Island States)に参加している。

2 SIDSに関する国際会議

  • (1)1994年4月、バルバドスにおいて、「SIDSの持続可能な開発に関する国際会議」が開催され、脆弱な生態系の保全や人的資源の開発を目的とした「バルバドス行動計画(BPoA)」が採択された。
  • (2)1999年9月、ニューヨーク国連本部において、BPoAの実施レビュー及び評価を目的とした「SIDSに関する第22回国連特別総会」(BPoA+5)が開催された。
  • (3)2005年1月、モーリシャスにおいて、「BPoAの実施レビューのための国際会議」(BPoA+10)が開催され(我が国から川口順子総理大臣補佐官(当時)が出席)、「モーリシャス実施戦略(MSI)」が採択された。
  • (4)2010年9月、ニューヨーク国連本部において、MSIの実施を通じたSIDSの脆弱性への取組における進捗状況をレビューするための「小島嶼国開発ハイレベル会合」(MSI+5)が開催された(我が国から菅直人総理(当時)が出席)。
  • (5)2014年9月、サモアにおいて、第3回SIDS国際会議が開催され(我が国から牧野たかお外務大臣政務官(当時)が出席)、「SIDS Accelerated Modalities of Action (S.A.M.O.A.), pathway」が採択された。

(参考)国連の定義における小島嶼開発途上国(国連加盟国)

大西洋:
カーボベルデ、ギニアビサウ、サントメ・プリンシペ
インド洋:
コモロ、モルディブ、モーリシャス、セーシェル
南シナ海:
シンガポール
カリブ海:
アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、ベリーズ、キューバ、ドミニカ国、ドミニカ共和国、グレナダ、ガイアナ、ハイチ、ジャマイカ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント、スリナム、トリニダード・トバゴ
太平洋:
フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、東ティモール、トンガ、ツバル、バヌアツ
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