人権・人道

障害者権利条約採択の経緯

平成19年10月

1.第56回国連総会決議56/168の採択

 2001年12月、第56回国連総会は、メキシコ提案の「障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的総合的な国際条約」決議案をコンセンサスで採択した。  同決議(A/RES/56/168)は、(1)障害者の権利及び尊厳を促進・保護するための包括的・総合的な国際条約に関する諸提案について検討するため、すべての国連加盟国及び国連オブザーバーに開かれた「アドホック委員会」の設置(OP1)、(2)「アドホック委員会」は、第57回国連総会迄に、作業日10日間の会合を最低1回開催すること(OP 2)等を決定した。

2.国連総会アドホック委員会(第1回会合)の開催

 上記1.の総会決議に基づき、2002年7月29日〜8月9日、ニューヨーク国連本部において「障害者の権利及び尊厳を促進・保護するための包括的・総合的な国際条約に関する諸提案について検討するためのアドホック委員会」(以下、「障害者権利条約に関する国連総会アドホック委員会」)が開催され、障害者権利条約作成の是非も含め検討が行われた。

3.国連総会アドホック委員会(第2回会合)及び条約草案起草作業部会の開催

 第57回国連総会決議(A/RES/57/229)に基づき、2003年6月16日〜同27日、ニューヨーク国連本部において障害者権利条約に関する国連総会アドホック委員会第2回会合が開催された。
 最終日の6月27日、「国連障害者権利条約アドホック委員会の今後の取り進め方に関する決議案」がコンセンサス採択。同決議は、(1)条約案の交渉の基礎となる草案を準備し提出する目的で作業部会を設立する、(2)作業部会は、地域グループにより指名される27名の政府代表(アジア7名、アフリカ7名、中南米5名、西欧5名、東欧3名)、NGO代表12名及び国内人権機構代表1名の合計40名で構成される、(3)作業部会は、2004年1月5日〜16日に会合を開催し、作業結果を第3回アドホック委員会に提出する等を決定。我が国政府の代表もメンバーとなり1月に開催された作業部会では、25条からなる条約草案が作成された。

4.国連総会アドホック委員会(第3回会合)

 第58回国連総会決議(A/RES/58/246)に基づき、2004年5月24日〜6月4日、ニューヨーク国連本部において障害者権利条約に関する国連総会アドホック委員会第3回会合が開催された。
 第3回会合においては、2004年1月に開催された条約草案起草作業部会が作成した草案が交渉のベースとなり第一回目の逐条の検討が行われた。

5.国連総会アドホック委員会(第4回会合)

 上記4.の総会決議に基づき、第4回会合が2004年8月23日〜9月3日に開催された。第3回会合及び第4回会合前半で、条約草案起草作業部会が作成した草案全ての条文の第一読が終了し、各条文に対する各国からの意見が概ね出揃った。

6.国連総会アドホック委員会(第5回会合)

 第59回国連総会決議(A/RES/59/198)に基づき、第5回会合が2005年1月24日〜2月4日に開催された。第5回会合では、第4回会合迄の会合で参加各国から出された様々な意見等を集約し、まとめていく作業が本格化し、主として生命の権利や身体・表現の自由等、いわゆる自由権に係わる第7条5〜第15条について議論された。

7.国連総会アドホック委員会(第6回会合)

 上記6.の決議に基づき、第6回会合が2005年8月1日〜12日に開催された。第6回会合では、前回会合に引き続き、参加各国から出された様々ざま意見等を集約し、まとめていく作業が行われ、第17条の教育及び第22条の労働の権利等、いわゆる社会権に係わる第15条以下(含む、モニタリング)を中心に議論された。

8.国連総会アドホック委員会(第7回会合)

 第7回会合は2006年1月16日〜2月3日まで開催された。第6回会合までの議論をふまえ2005年10月に作成された議長案に基づき、タイトル及び前文から第34条まで全ての条項につき議論が行われた。今まで以上に合意に向けた条約策定作業が行われ、会合最終日には議長修正案(Working Text)が採択された。

9.国連総会アドホック委員会(第8回会合)

 2006年8月14日〜25日まで開催された第8回会合では、第7回会合最終日に提示された議長修正案(Working Text)に基づき、前文から最終条項、個人通報制度及び調査制度に関する選択議定書につき議論が行われ、最終日に条約案が基本合意された。本条約案は、2006年9月〜11月に開催された起草委員会(Drafting Group)において法技術的な調整が行われ、同年12月5日のアドホック委員会第8回会合再開会期においてコンセンサス採択された。

10.第61回国連総会本会議

 2006年12月13日、本条約案は第61回国連総会本会議においてコンセンサス採択された。本条約は2007年3月30日以降に署名が可能となった。

 国連におけるこれまでの議論については、
    http://www.un.org/esa/socdev/enable/rights/adhoccom.htm 他のサイトヘ参照。


障害者問題を巡る国際的な動き(年表)

障害者問題を巡る国際的な動き
年月 内容
1950年 「身体障害者の社会リハビリテーション決議」採択(第11回国連経済社会理事会)
1969年 「社会的発展と開発に関する宣言」採択(第24回国連総会)
1971年 「知的障害者の権利宣言」採択(第26回国連総会)
1975年 「障害者の権利宣言」採択(第30回国連総会)
1976年 「国連障害者年(1981年)決議採択」(テーマ「完全参加と平等」)
1979年 「国際障害者年行動計画」採択(第34回国連総会)
1981年 国際障害者年
1982年 「障害者に関する世界行動計画」
「障害者に関する世界行動計画の実施」
「国連障害者の十年」(1983年〜1992年)の宣言採択(第37回国連総会)
1983年 「国連障害者の十年」開始年(〜1992年)
1993年 「アジア太平洋障害者の十年」開始年(〜2002年)
「障害者の機会均等化に関する基準規則」採択(第48回国連総会)
1999年 「米州障害者差別撤廃条約」採択
2001年12月 「障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的・総合的な国際条約」決議案採択(第56回国連総会)
2002年7月 障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的・総合的な国際条約に関する国連総会臨時委員会(障害者権利条約アドホック委員会)第1回会合(NY)
2002年12月 「アジア太平洋障害者の10年」の延長(新十年)
2003年6月 障害者権利条約アドホック委員会第2回会合(NY)
2004年1月 障害者権利条約起草作業部会(NY)
2004年5月 障害者権利条約アドホック委員会第3回会合(NY)
2004年8月 障害者権利条約アドホック委員会第4回会合(NY)
2005年1月 障害者権利条約アドホック委員会第5回会合(NY)
2005年8月 障害者権利条約アドホック委員会第6回会合(NY)
2006年1月 障害者権利条約アドホック委員会第7回会合(NY)
2006年8月 障害者権利条約アドホック委員会第8回会合(NY)
2006年12月5日 障害者権利条約アドホック委員会第8回会合再開会期において採択(NY)
2006年12月13日 第61回国連総会本会議において障害者権利条約を採択(NY)
2007年3月30日 障害者権利条約を署名のために開放(NY)
2007年9月28日 日本が障害者権利条約に署名(NY)
2008年5月3日 障害者権利条約の効力発生
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