数字で見る日本の対アフリカ協力 外務省
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アフリカの現状 TICADの誕生からこれまで アフリカへのODA 実を結ぶODA
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ワクチン接種など、保健分野での受益者数 約2億4,487万人
[TICAD II における東京行動計画の成果]
事例その4 簡易血液診断キットの国内製造
ケニア/中央医学研究所感染症研究対策プロジェクト
政府公認の診断セットを国内製造するのは、
アフリカ諸国でも初めてのモデルケース。
ケニア中央研究所設立という、ゼロから始まった協力関係が実を結び始めました。
 「KEMRI」の文字が誇らしげな段ボール箱の中身は、エイズ対策で用いられる診断セット“PA法診断キット(PAキット)”と、“B型肝炎診断キット(ヘプセル2=HEPCELL2)”、いずれも簡易血液診断セットです。KEMRIは、「ケニア中央医学研究所=Kenya Medical Research Institute」を略した通称で、国内トップレベルの医学研究所。1982年からスタートした、日本の無償資金協力(約28億円)で建設され、今や幅広い医療分野で活躍中です。
 ケニア政府からの要請で、日本は1990年から感染症対策プロジェクトを実施し、肝炎、下痢症、エイズ、小児のおもな死因となっている急性呼吸器感染症の対策で協力してきました。引き続いての支援活動は「HIV/AIDS」と「ウイルス性肝炎」といった血液安全性に特化した改善、さらに免疫力が低下した人たちが罹患する「日和見感染症」の予防と治療を実施しています。このほか「寄生虫」対策も大きな課題であり、より効率的な支援を実現するため、別のプロジェクトが専門的に実施されています。
 国内で抱える多くの医療対策のうち、血液診断を簡単に実施できるようになれば、少しでも自国内での対応が可能となるため、2001年よりKEMRI内においてセット品の国内製造も試行しています。
  度重なる審査の結果、ようやくケニア政府からの認可も受けました。アフリカ諸国で、このようなモデルは初めてだといえるほど、画期的なことです。2つのキットの自国製造が可能になれば、診断キットを輸入する場合に比べて“PAキット”なら約2分の1に、“ヘプセル2”だと約3分の1に、価格設定できるメリットも計り知れません。ところが間もなく全国普及への製造ラインも目処が立つ反面、配布チャネルの開拓や、診断結果に対する処置をどうするかなど、新たな課題も見えてきました。
 とはいえ早期発見は、予防や治療のもっとも近道である以上、今できることを、できる限り実施していくことが使命のひとつでしょう。日本が協力を終了した後も、ケニア政府が自力で国内生産ができるシステムを確立させ、直接、住民への恩恵となって反映できることが強く望まれています。

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