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日本のアフガニスタン支援パッケージ
~アブドラ外相の訪日に際し~


平成14年10月29日



日本の対アフガニスタン支援

日本は、カルザイ大統領を首班とする移行政権を支援し、アフガニスタンにおける和平・復興プロセスを促進することを目的に、今般、アブドラ外相が訪日する機会を捉え、無償資金協力等を活用した総額約1億3,600万ドル(約167億円)を越す支援パッケージを新たに供与することとした。

日本は、アフガニスタン復興支援国際会議(東京会議)において向こう2年半で最大5億ドルまで、最初の1年間で最大2.5億ドルまでの支援を表明したが、本支援パッケージにより、日本の復旧・復興支援は約2億8,200万ドルとなり、東京会議での最初の1年分のコミットを達成した。また2001年9月の同時多発テロ事件以降に実施した支援額は、人道・復旧・復興支援を合わせ約3億7,500万ドルとなった。

本支援パッケージは、緒方総理特別代表の提言を踏まえつつ、川口大臣が発表した「平和の定着構想」(和平プロセス、治安及び人道・復興の三本柱を重点的に支援)を進めるべく策定したものである。



1.和平プロセス(行政能力強化)への支援

 政治プロセスを進展させるために、6月に発足したアフガニスタン移行政権の行政能力強化が不可欠。これまで日本は、財政支援や専門家の派遣を行ってきたが、アフガニスタンの経済構造を改善するための努力を一層強化していくことが重要。

(1)
「経済構造改善努力支援無償(ノン・プロジェクト無償)」 60億円
 移行政権が策定している国家開発フレームワークの重点分野である教育、保健・栄養、運輸、水・衛生等の各セクター毎に必要な資機材購入を支援するための資金供与。

(2)
「カブール・テレビ放送局機材整備計画」 23億4800万円
 アフガニスタンにおける和平定着の促進、国民和解の実現、啓蒙教育普及のためには、自由な放送メディアの存在は不可欠。これまで日本は、緊急ロヤ・ジェルガの全国放送や放送関係者の研修等のメディア分野での支援を行ってきた。今般、より長期的な放送技術の向上を支援していく観点から、カブールTV放送局のスタジオ用番組制作機材等の整備を行う。

(3)
「アフガニスタン移行政権の政府職員能力強化」(財務省) 約151万ドル
 世銀を通じた地域コミュニティー主導の開発に向けた能力強化支援。

(4) 人的支援

(イ) 専門家派遣 教育、保健・医療、援助調整等各分野でのアドバイザー派遣を実施。
2002年5月以降、延べ15名を派遣。追加派遣を検討中。)
(ロ) 研修員等受入 2002年中60名を目処。既に放送、保健・医療分野で実施済み。
外交官、女性教員、女性支援関係者等を予定。人選等の受入準備中。)
日本で開催されるユネスコ・セミナーへ専門家等を招聘(文部科学省)。


2.治安への支援

 アフガニスタンの治安問題は、首都カブール中心部での大規模爆発事件、カンダハルでのカルザイ大統領暗殺未遂事件等に見られる通り、依然として大きな懸念事項。元兵士の復員の他、警察の再建、麻薬及び地雷対策といった分野での取組みが益々重要となっている。

(1) 復員:「Register for Peace」の試験的プログラムへの支援
 現在、アフガニスタン国内において、国軍創設や除隊者の扱いを含め、中央政府と各地方軍閥との間でも協議が行われているところである。日本はUNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)と共に、登録や職業訓練といった具体的プロジェクトの内容策定及び支援の方途を検討中。

(2) 麻薬:国連麻薬統制計画(UNDCP)との協力
 「緒方イニシアティブ」の一環として、地域毎の包括的な麻薬対策プログラムの実施をUNDCPと共に検討中。

(3) 警察:無線通信機器等への支援
 文民警察支援として、警察庁の専門家を含む調査団を派遣済み(8月末~9月)。現在、具体的な支援内容を策定中。

(4)
地雷:地域的かつ包括的な対策を実施 約480万ドル
「緒方イニシアティブ」の一環として、将来の予防(啓蒙活動)、現在の対応(地雷除去)、過去の回復(犠牲者支援)を関係国連機関及びNGOと共に行う。


3.人道・復興支援

 人道・復興支援の観点からは、アフガニスタンの人々の目に見える早急な支援が求められている。道路といった基礎的インフラの整備、大量の難民・避難民への対応、支援の地方展開、人道支援から復旧・復興支援への継ぎ目のない支援を実施することが重要である。

地方への支援展開・・・・

(1)
「カンダハル・カブール間幹線道路補修計画」 約7億7300万円
 目に見える支援の実施と経済活性化の観点から、アフガニスタン側は幹線道路の整備の重要性を強く主張。これに対し、9月、アフガニスタンの道路建設に関する小泉総理、ブッシュ米大統領及びサウード・サウディアラビア外相による共同声明を発出。日本は5000万ドルの拠出を行うことを表明。右具体化の一歩として、今回カンダハルからカブールに向けた補修工事を実施する。

(2)
「カンダハル・スピンボルダク間の道路整備支援」(財務省) 1500万ドル
 ADBを通じたカンダハルからパキスタンへ続く道路の整備計画への支援。地域経済の活性化のみならず、パキスタンからの難民帰還等を側面支援する。

(3)
地域総合開発支援計画(緒方イニシアティブ)フェーズ2」 約4120万ドル
 7月に立ち上げた同イニシアティブのフェーズ1(難民・避難民の再定住化支援総合プロジェクト:約2700万ドル)に続く支援。緒方総理特別代表の提言に基づき、フェーズ1と同じ地域において、国際機関やNGOと協力し、人道から復旧・復興への継ぎ目のない支援、優先地域を対象とする総合開発プロジェクトを実施する。

優先3地域:カンダハル、ジャララバード、マザリシャリフを中心とする地域
実施機関と主な支援活動内容:
UNHCR・・・・緊急所得創出事業、基礎的インフラ整備、仮設住居の製材供与、越冬対策、等
UNICEF・・・・伝染病感染予防、母子保健保全、栄養失調対策、衛生環境改善、教育実施能力強化、等
WFP・・・・「Food for Work」事業(基礎的灌漑施設整備、井戸掘削、基幹道路整備、土堤防建設、等)
ICRC・・・・薬品、医療機材等の供与
UNハビタット・・・・仮設住宅建設、水供給システム改善
UNDP/MACA/UNOPS・・・・地雷啓蒙、地雷除去、犠牲者支援、等

(4) 緊急的な民生施設の復旧支援(JICAによる緊急支援活動)

(イ) 農業分野に関するプロジェクト形成調査を実施(カブール及びカンダハル)。
(ロ) カンダハル市緊急復興支援を実施中(市内道路、学校、病院の修復等、9月2日~)。
(ハ) カンダハル近郊農業緊急復興支援を近く開始予定(灌漑施設の復旧、等)。

更なる取組・・・・

(5)
「アフガン難民・避難民女性への支援」 約103万ドル
 UNIFEM(国連婦人開発基金)によるアフガン難民・避難民女性に対する職業技能訓練、各種セミナー、所得創出事業等を「人間の安全保障基金」を通じて支援。

(6)
「識字教育及び学校外教育開発(ランド・アフガン)」 50万ドル
 「万人のための教育」を支援。UNESCOに設置した基金を利用。

(7)
「パキスタンにおけるアフガン教師養成」 5万ドル
 アフガン人教師の教育支援。UNESCOに設置した基金を利用。

(8) カブール大学への支援(文部科学省)
 東京農工大が大学間交流協定を締結、留学生及び研究者を受け入れ予定。更に、京都大学も研究者を受け入れ予定。

文化面での協力・・・・

(9) 文化財保存修復に関する協力

(イ) 文化庁専門調査団派遣を実施(文部科学省)。
(ロ) バーミヤン遺跡保存のため日・ユネスコ合同調査団の派遣(外務省)。
(ハ) 東京芸大での文化財展、シンポジウムの開催(文部科学省)。

(10) アフガニスタン文化振興支援・文化交流事業調査団を派遣(8月下旬)
 専門家派遣、文化人招聘、草の根文化無償等の実施につき検討を開始。

(11) レスリング・コーチ(国際交流基金専門家、赤石光生氏)を派遣(8-10月)
 アジア大会(釜山)の男子フリースタイル66?級で2勝。


4.NGOとの協力・連携

(1) 日本NGOとの協力
 アフガニスタンでは、20団体以上の日本NGOが難民定住促進、教育、医療等の分野で活動中。政府としても、日本NGO支援無償資金協力等を通じて積極的に支援する方針。現在、NGO側よりの申請を受け案件を審査中。また、現地カブールの大使館において日本NGOとの定期協議会を実施。

(2) 国際NGO及びローカルNGOとの協力
 今年7月以降、4件(総額約27万ドル)の草の根無償資金協力案件を承認。

(3) アフガニスタン支援のためのNGO募金活動に協力(文部科学省)


5.体制整備

(1) 大使館員の人員整備・機能強化
 10人体制に拡充、事務所等施設の早急な整備が重要。

(2) JICA駐在員事務所
 6名体制。カンダハルでの支援体制強化を検討中。



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