2010年10月
トンガ王国(トンガタプ)(国際電話国番号676)
(1)地誌:トンガは赤道より南、南緯約20度・西経約175度に位置し、4諸島大小170余りの島からなります。
位置は西経に属しますが、日付変更線はトンガの東側を通り、世界で一番早く朝を迎える国です。
(2)人口:約10万人です。
(3)気候:熱帯性気候で、気温は最も涼しい7~8月で、約18度C~25度C。最も暑い1~2月で、約23度C~30度Cです。年間降雨量は首都のトンガタプで約1,700ミリメートルと少なめです。
(4)医療水準:自国で医師は養成しておりません。医師は、フィジーやパプアニューギニアの医学部を卒業するか、ニュージーランドやオーストラリアの医学部を卒業して戻ってきた者達です。一部には海外からのボランティアやフィリピンなどからの出稼ぎの医師も居ます。専門医は少なく、多くの科では専門医が全くおりません。やや高度な医療を要する時は、国内では対応出来ず、ニュージーランドやオーストラリアなどの海外へ行かねばなりません。
(5)医療制度:公的医療機関では、国民は、基本的に治療費は無料です。貧弱な検査機器、治療施設しかないため、ごく簡単な診療以外は近くの先進国に早めに出られた方が賢明です。
(6)海外旅行傷害保険など:トンガ国内では、非常に限られた検査・治療しか受けられないため、近隣の先進国(ニュージーランドやオーストラリア)へ行って診療を受ける必要が出てきます。先進国の医療費は高額で、支払いの保証がない限り、診療が受けられない可能性があります。トンガを訪問する時は、万一の場合に備えて、十分な額の海外旅行傷害保険等に加入してきて下さい。
(7)水質・食品など:住民は飲料水としては雨水を貯め使用しております。しかし、雨量が少ないため十分な量の確保は難しい状況です。また、雨水を貯水して供給する間に細菌等に汚染されている可能性があります。水道水は、地下水を汲み上げて供給しております。塩分の含有量が多く、細菌等に汚染されている可能性がありますので、飲料水にはミネラルウォーターを使用されるのが賢明です。生鮮食品も、流通の過程で汚染されている可能性が高いので、生で食することは避けてください。野菜などをサラダで食べる場合は、流水で十分に洗うか、ミルトンなどを使用して消毒してから、食べてください。
(1)消化器感染症:飲料水・食事・空気を介して、ウイルス性感染性胃腸炎(発熱・嘔吐・下痢)や細菌性消化器伝染病(腸チフス・赤痢など:下痢・血便・腹痛・発熱など)や原虫・寄生虫(ランベル鞭毛虫・アメーバ赤痢など:下痢・腹痛など)等、年中感染する危険性があります。ウイルス感染症は脱水等の合併症を起こさないように注意していれば、大体数日で軽快します。細菌性感染症には抗生物質、原虫・寄生虫には駆虫剤などそれぞれ固有の治療薬を必要とします。
(2)感冒など呼吸器感染症:年間を通して、ほぼ一定の気候ですので、呼吸器感染症の頻度は高くないのですが、狭い土地ですので、インフルエンザ等が流行した場合は急速に拡がりますので、ご注意下さい。
(3)デング熱:デング熱のウイルスを持つネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊に刺されることによって発症します。数年に1度流行します。2008年の流行時には、日本人も2人緊急移送になり、ニュージーランド・日本に送られ治療を受けられました。
(4)皮膚疾患:高温多湿なため、湿疹や真菌症(カンジダや糸状菌など)を起こし、さらに細菌感染を合併して、皮下膿瘍を生じます。治療は切開して排膿し、抗生物質(内服薬・外用薬)を使います。また、陸上では、アリなどに噛まれて、発疹を生じることがあります。海では、動物性プランクトンに噛まれて非常に痒い発疹を生じることがあります。遊泳中に、痒いと思った時は、海からすぐに出て下さい。また、時にクラゲに刺されて、ひどい皮膚炎を起こすこともあります。これらには、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)・抗ヒスタミン剤などの内服薬や外用薬で対処します。現地の情報にご注意下さい。
(5)アレルギー性疾患:カビやダニの繁殖に適した気候であり、喘息・アトピー・慢性鼻炎・結膜炎などが悪化する場合があります。
(6)シガテラ中毒:珊瑚に共生している海藻に付くプランクトンの一種が作るシガトキシンなどの毒が、食物連鎖で魚の肉や内臓に蓄積し、それを食べた人に起きる中毒です。このプランクトンは、珊瑚が死滅した後に大量に発生することが知られておりますので、海が荒れて珊瑚礁が破壊される雨季(特にサイクロンの後など)に多く発生します。症状は神経症状、胃腸症状、関節・筋肉痛や痒みなどです。死亡率は低いのですが、「ドライアイス・センセーション」と呼ばれる神経症状(冷たいものに触ったり、 冷たいものを飲んだりすると感電したような痛みを感じます)に数ヶ月に渡り苦しめられることがあります。この毒素は加熱処理でも分解されません。治療も対症療法しかありません。
(7)結膜炎:周囲に雑菌が多いためか、汚れた手で目を触ったりして細菌性結膜炎に罹りやすい傾向があります。治療には抗生物質(内服薬・点眼薬)を使います。ウイルス性結膜炎には有効な抗生物質はありません。
(8)こむらがえり:高温多湿で体内の水分喪失(脱水)や電解質のバランスが崩れるために「こむらがえり」を起こす人がみられます。
(9)犬咬傷:犬が放し飼いになっており、しばしば犬に噛まれるということが起こっております。現在のところ、トンガでは狂犬病の心配はありませんが、破傷風を発症する恐れはありますので、不用意に犬には近寄らないようにして下さい。破傷風の予防注射を受けておいて下さい。万一、犬に噛まれましたら、破傷風トキソイドの追加接種をすぐに受けて下さい。時には、破傷風免疫ヒトグロブリンの接種も必要となります。
(1)雨水を貯留した水も、水道水も、安心して飲用に供しうる物ではありません。飲料水にはミネラルウォーターを飲用するようにして下さい。
(2)高温多湿の気候なので、食べ物は腐りやすく、細菌が繁殖しやすいので、食中毒に十分注意して下さい。
(3)気温が高く、発汗しやすい気候なので、水分や電解質をスポーツドリンク等で意識して多めに補給して、脱水にならないように注意して下さい。
(4)デング熱が流行していなくても、蚊に刺されると、虫さされ跡がおできのようになってなかなか治らないことがあります。蚊に刺されないように肌を出来るだけ露出しないようにし、虫除けスプレーを使うようにして下さい。シャワーを浴びて清潔を保ち、傷ができたらすぐに消毒して下さい。
(5)紫外線が非常に強いので、日焼け止めクリームを使用し、Tシャツなどを着用して、直射日光に素肌をさらさないようにして下さい。また、目の保護のためにサングラスなどを着用するようにして下さい。熱中症を避けるため、長時間炎天下で行動することは避けて下さい。
(6)比較的安全な国ですが、犯罪は増加傾向にあります。犯罪に遭わないよう、周囲に気を配り、行動して下さい。
(7)トンガでは、潜水病の治療は出来ません。無理をしない安全なダイビングを楽しんで下さい。
成人:A型肝炎、B型肝炎、破傷風など。
小児:就学に必要なワクチン(3)参照。
| ワクチン名 | 回数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 |
|---|---|---|---|---|---|
| BCG | 1 | 生直後 | |||
| ポリオ※1 | 3 | 6週 | 10週 | 14週 | |
| DPT(3種混合)※2 +インフルエンザb菌(Hib) |
3 | 6週 | 10週 | 14週 | |
| DPT(3種混合) | 1 | 5歳(小学校入学前) | |||
| MR※3 | 2 | 1年 | 18ヶ月 | ||
| B型肝炎(単独) | 3 | 生直後 | 6週 | 14週 |
※1:ポリオは経口生ワクチンです。(日本は2回のみです。)
※2:トンガでは通常の3種混合DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)に、インフルエンザb菌(Hib)を加えて、4種混合が行われております。
※3:MMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹)は行われず、MR(麻疹・風疹)のワクチンを接種しています。
上記(2)の予防接種すべての接種証明が必要ですが、あまり厳密ではなく、未接種でも入学が許可されることがあります。しかしながら、当地の医療事情を考慮しますと、予防接種を受けることをお勧めいたします。
<なお当国にはワクチン接種による副作用に対する補償制度はありませんので、 ワクチン接種は本邦で全て済ませて来られる方が賢明です。>
地域のClinicで施行されております。健診は無料です。生後1年までは1ヶ月毎に健診することになっております。
住所:Taufa' ahau Rd., Tofoa
電話:23200
概要:国立の総合病院で、歯科もあります。
国民は、基本的に無料のため、混雑しています。
住所:Siu' ilikutapu Rd., Longolongo
電話:25725
住所:Taufa' ahau Rd., Ha' ateiho
電話:29052
住所:Salote Rd., Fasi-moe-Afi
電話:25656
住所:Taufa' ahau Rd., Tofoa
電話:23200
複数の歯科医がおります。
※Dr. Sisilia Fusi Fifita
女性、日本語が話せます。日本の大学で研修を受けました。
トンガでは英語が公用語で、病院でも英語が通じます。