2010年10月
イラク共和国(バグダッド,エルビル)(国際電話国番号964)
休館日:金・土曜日
首都バグダッドは、チグリス川の畔にあり、国土のほぼ中央、北緯33度と大分市とほぼ同じ緯度ですが内陸部に位置しています。気候は砂漠性気候で、1年を通じて快晴の日が多く夏にはセ氏50℃を超えます。冬は比較的温暖で過ごしやすいですが、夜間や早朝は冷え込むため暖房が必要です。冬に雪が降ることは殆どありません。年間降水量は82ミリと少なく、例年春先には砂嵐に見舞われ航空機の飛行等が妨げられることも少なくありません。常に乾燥しているため、知らない間に発汗し(不感蒸泄)、脱水に陥りやすく、水分の補充を十分に行い夏場は熱中症にならないように注意する必要があります。
治安情勢等については、外務省海外安全ホームページ
で最新の情報をご確認ください。
当国は、外国人が安心して受診あるいは入院できる公的・私的現地医療機関はありません。バグダッドのインターナショナルゾーン(IZ)内には米軍からイラク政府へ移管された病院がありますが、医療従事者の不足と政府内での対応の遅れから救急外来のみが開設され入院設備はありません。バグダッド国際空港近くに民間のクリニックがあり応急処置や最低限の入院設備はありますが専門的な疾患や重症例には対応していません。バグダッドのレッドゾーンには重症例にも対応可能な公的病院や私立病院も存在するようですが、治安の問題からこれらの施設の利用はお勧めできません。治療費は高額になることが多く、またイラク国内は通常の海外旅行保険では対応していないため、イラク国内で利用可能な医療保険に加入しておくことが必要です。バグダッドには在留米軍基地内に軍関係者用の医療施設はありますが、治療は米軍関係者のみに限られており、外国人への医療サービスは生命の危険を伴う緊急時のみに限られ、さらに施設への出入りも限定されているためアクセスするには相当の困難があります。
(1)赤痢アメーバ症:食べ物や水から感染します。潜伏期間は2週間から3週間。腹痛、下痢、粘血便(イチゴゼリー状)等の症状を起こします。治療が不適切だと慢性化して保菌者となることや肝膿瘍を起こす可能性もあります。
(2)感染性腸炎(下痢):食べ物や水から感染します。腹痛、悪心、嘔吐、激しい下痢、発熱等の症状を起こします。
(3)A型肝炎:食べ物(主に生もの・生野菜)や水から感染します。全身倦怠感、発熱、食欲不振等の症状と黄疸が表れます。
(4)熱中症(脱水症):春から秋にかけては日差しが強く、湿度が低いので汗をかいても自覚せずに脱水を起こし易くなります。
(5)リーシュマニア症:イラクでは広範囲にサシチョウバエによって媒介されるリーシュマニア症が存在します。多くのイラク駐留米兵が皮膚リーシュマニア症に罹患しています。症状は皮膚に潰瘍や結節が生じ、治癒しても醜い瘢痕が残る場合もあります。稀に内臓リーシュマニア症に罹患する場合もあります。長袖・長ズボンを着用し、防虫対策を心がけるようにしてください。
(6)ウエストナイル熱:蚊を媒介とするウイルス感染症で、約8割の人は感染しても無症状ですが、発熱、頭痛、失神、痙攣等の重篤な症状を起こすことがあります。治療法はないため長袖・長ズボンを着用し、防虫対策を心がけるようにしてください。
(7)住血吸虫症:池や湖等の淡水浴中に皮膚から感染する感染症です。プール等の塩素消毒を施行している場所以外の淡水に入ることは避けてください。
(8)Q熱:殺菌処理をされていない牛乳や食べ物を摂取することにより起こる細菌感染症です。イラク駐留から帰還した米軍兵士で多数の感染例が報告されています。動物の汚染された排泄物が空気中に漂い、その空気を吸い込む事による空気感染もありますので、動物に近づかない、きちんと殺菌処理あるいは加熱された食べ物を食べる、手洗いの励行等を心がけてください。
(9)狂犬病:野犬や野良猫が多く見られます。医療事情の問題から狂犬病ワクチンの入手が困難な可能性もあるため、事前に狂犬病ワクチンの予防接種をすることをお勧めします。噛まれた場合には狂犬病のおそれがありますので、直ぐに病院で治療を受けるようにしてください。
(10)刺咬症(ダニ、シラミ、サソリ、毒蜘蛛、蛇、蚊など):宿舎などでダニ、シラミの大量発生、サソリの出現をみる事があります。
(1)生水は絶対に飲まない様にして下さい。
(2)火が通っていない食物(外食ではサラダにも注意)は食べないようにして下さい。ミンチ類は中心部まで火が通っているのを確認してから食べるようにして下さい。
(3)火が通った食物でも、冷たくなった食物は再加熱してから食べてください。
(4)屋外の活動では、水分(水、スポーツドリンク等)を多く摂取して脱水・熱中症に注意してください。
(5)手洗い(石鹸・清潔なタオルを使用)、うがいを励行してください。
(6)夏期は紫外線が強く、UVカットレンズ(サングラス)、日焼け止めクリームを使用してください。冬季は、皮膚の乾燥防止に保湿クリームを使用してください。冬季は、皮膚の乾燥による皮膚の掻痒が多く見られます。
(7)イラクで勤務・長期滞在を予定する場合には、精神衛生と健康管理が大切です。定期的に国外での休暇をとりストレスを解放することが、精神衛生管理上大切です。最低3ヶ月毎の国外での休暇を勧めています。当地の生活・仕事環境などから、精神的に不安定な状況に陥る場合は、早めの帰国を勧めます。また、定期的な健康診断の実施と過去の検診結果を赴任時持参することを勧めます。
A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン:過去に接種済みでも免疫(抗体)が形成されていない場合は再接種してください。
破傷風ワクチン:過去5年以内にブースター接種(追加接種)を受けていない場合は、必ず接種してください。
腸チフス:免疫形成を高めるため、1~3週間隔での2回接種が推奨されます。経口ワクチンの効果も注射と同様です。
狂犬病予防接種:動物と接する機会が多い場合は接種をお勧めします。
髄膜炎菌性髄膜炎ワクチン(できればACWYの四価):可能であれば接種をお勧めします。
定期予防接種(DPT、MMR、水痘等)は全て接種することをお勧めします。1歳以上であれば成人と同様にA・B型肝炎ワクチン、腸チフスワクチン、狂犬病、髄膜炎菌性髄膜炎ワクチンの接種をお勧めします。
本邦のような、公的サービスとしての乳児健診制度はありません。
イラクでは設備の整った医療機関はなく、病気になった場合には国外での治療を第一に考慮する必要があります。緊急の場合の応急処置・緊急移送対応が可能な病院も限られており、状況によっては対応が非常に困難な場合もあります。
所在地:バグダッド国際空港脇の米軍基地(Camp Victory)内
電話:074-0018-6126、074-0016-3030
概要:米軍基地内にあるプライベートクリニック。24時間対応可能な救急外来と入院設備がありますが、米軍施設内に入るためには許可がいるため受診が困難な場合があります。
所在地:International Zone (IZ)内。在イラクオーストラリア大使館の隣
概要:2009年9月まではイラク駐留米軍管理下で外傷専門病院として機能していましたが、2009年10月にイラク政府に管理が移管され、現在は外来診療のみ対応しています。
所在地:Sixty Street Ministry of Justiceの隣
電話:0750-446-4548、0750-743-3526、0750-470-7549
概要:24時間対応可能。
所在地:Kirkuk Street College of Scienceの向かい
電話:0750-446-4548、0750-771-3430、0750-778-4715、066-229-5807
概要:心疾患専門病院。24時間対応可能。
在イラク大使館ホームページ:http://www.iraq.emb-japan.go.jp/![]()
医師・看護師は英語を話せる場合が多いですが、アラビア語が出来るとよりスムーズです。
(日本語 アラビア語)
医師:ドクトール
飲み薬:アドウィア
注射:ホクネ
頭痛:スダー
胸痛:アラム フィ アッサデル
腹痛:アラム フィ マーイダ
下痢:イスハール
発熱:ハラーラ
嘔気:シオール ビッタカイオ
傷:マジュルーフ
具合が悪い:アナ マリード
病院へ連れて行って欲しい:ホドン イラ ムスタシュファ