2010年10月
イラン・イスラム共和国(テヘラン,イスファハン)(国際電話国番号98)
休館日:金・土曜日
首都テヘランは標高1200〜1600メートルの高地に位置し,年間を通して乾燥した内陸性気候で寒暖の差が大きいのが特徴です。夏季には気温が40℃を超え,冬季にはテヘラン市街でも幾度か降雪が見られます。年間平均降雨量は約200ミリメートルと少なく,そのほとんどは12月から3月にかけての冬季に集中します。その他の時季は,晴天の日が続きます。
テヘランなどの大都市の医療水準は比較的高く、CTやMRIや高度ME機器を備えた病院も多くあります。テヘラン在留邦人は,私立総合病院もしくはそこに勤務する医師のクリニックを利用し,今まで出産や腹部手術や骨折治療などにおいて特に問題は起こっていません。一方で,言葉や習慣の違いもあり,手術が必要な病気や1週間以上入院が必要な病気の時は,中東や欧州の国で治療する邦人もいます。
当地の医師は,大学の教授なども含めて午前中は勤務医として病院で診療に当たり,午後からは各自のクリニックで患者を診るというスタイルが基本となっています。また,医薬分業が徹底しており,緊急時でなければ注射・点滴なども患者が薬局で購入した後,病院の処置室で注射や点滴を受けるシステムになっています。近年は検査の分業化も進んでおり,血液検査やレントゲン検査などを専門機関に委託するクリニックも多くあります。
医療機関を受診する際の注意点としては,医師の多くは英語が話せますが看護師や受付職員の多くは英語が話せません。できればペルシャ語を話せる人を連れて行くことを勧めます。また,支払いは基本的にはすべて前払いで,入院する場合には高額の前金を要求されることがあります。
テヘランの水道水は,テヘラン北部にそびえるアルボルズ山脈の豊富な雪解け水を主な水源としており,水質検査では硬度がやや高い(硬水)以外は特に問題はありませんでした。しかし,近年の暖冬化や急速な人口増加のため,夏場を中心に渇水が起こり,水質も徐々に悪化しています。妊婦や乳幼児には,市販のミネラルウォーターを勧めています。
増加する車両(特に老朽化した車)から出る排気ガスの影響で,テヘランをはじめ大都市では大気汚染が深刻な問題となっています。浮遊粉塵量あるいは一酸化炭素濃度が場所によっては基準値を大幅に超えることがあり、特に冬場は悪化します。また,ここ数年はイラク周辺から発生する砂塵による健康被害も報告されています。
比較的乾燥し水の衛生が保たれているなどの条件により,テヘラン周辺に特別な風土病は見られず,当地に在留する邦人にも日本と異なった疾病傾向があるわけではありません。しかし,車中心の生活からくる運動不足や肉中心の食生活で肥満や高脂血症なりやすいので注意が必要です。
冬季の大気汚染悪化時には,気管支喘息などの呼吸器疾患やアレルギー疾患が発症あるいは再燃することがあります。また,年間を通じて湿度が低いことから乾燥による皮膚そう痒症が多く見られます。
シスターン・バルチスタン州などパキスタン国境に近い地方やペルシャ湾岸では,マラリアやリューシュマニア症などの蚊や蝿が媒介する感染症,コレラや腸チフスやA型肝炎などの水・魚介類など飲食を介しておこる感染症の流行が報告されています。また,2000年以降ダニが媒介するクリミアコンゴ出血熱の発生も散発的に報告されています。
また,邦人旅行者が近隣国(パキスタン、アフガニスタンなど)で感染し,当地で発病したと思われる感染症(腸チフス、アメーバ赤痢、A型肝炎など)例があります。
ここ数年,年間2〜3万人程度が交通事故で死亡しています。人口比を考慮すると発生頻度は日本の5倍以上です。過剰な車と運転手や歩行者のマナーの悪さも原因です。運転に際しては,強引とも思える割り込み,車線を全く守らない,高速道路での逆走,多くの整備不良車の存在などイラン人の運転マナーや車につきよく理解する必要があります。また,運転手に任せる場合にも,シートベルトを装着し,居眠りを絶対しないことが大切です。
主な発生地域は,イランの南東地域のシスターン・バルチスタン州および隣接するホルモズガン州とケルマン州にほぼ限られています。この3州で国内発生例のおよそ9割を占めています。なかでもシスターン・バルチスタン州が最も多く,全発症例の60%以上を占めています。 また,マラリア症例の約30%は他国からの輸入症例とされています。マラリアの種別では三日熱マラリアが約80%熱帯熱マラリアが約20%で,流行のピークは9〜11月にあります。テヘランを始めイスファハンやシーラーズなどの都市で,マラリア予防薬を服用する必要はありません。
エイズなどのSTD(性感染症)は,宗教戒律の厳格なイランではそれ程深刻な問題にはなっていません。しかしながら,隣国のパキスタンやアフガニスタンなどから流入する麻薬の常用者を中心に,近年HIV感染者数が増加傾向にあります。2007年の推定HIV感染者数は,7〜11万人となっています。
コレラは夏季を中心にしばしば流行し,2005年にはイラン国内で約1100人が発症しその内11人が死亡しています。テヘラン地域でも217人の発症が確認されました。毎年,隣国のパキスタンやアフガニスタンなどからの持ち込み例が報告されています。
(1)夏季は気温がしばしば40℃を超え,野外での活動やスポーツは多量の発汗で脱水になり易いので水分および電解質の補給が必要となります。粉末のスポーツ飲料を持参すると便利です。紫外線対策も含めて炎天下での長時間の活動は控えるようにした方が賢明です。また,食品の洗浄や加熱といった基本を守り食中毒の予防を心がけて下さい。
(2)冬季のテヘランは,空気がよどみ大気汚染が深刻化します。時には,テヘラン市当局から呼吸器や心臓の弱い人は外出を控えるようにとの勧告が出されることもあります。また,年に何度かは大気汚染のため学校が閉鎖されます。対策として,外出時のマスクの着用や外出後のうがい,空気清浄機の設置なども効果的です。冬季の最低気温は氷点下となり,積雪で道路が凍結することもあります。外出時は,防寒対策やすべり止め対策が必要となります。冬季は元々大気が乾燥しおり,暖房機の使用により一層湿度が低下します。皮膚が荒れたり痒くなったりしますので,保湿クリームの使用などでスキンケアをしっかりしてください。また,加湿器の使用も有効です。
(3)宗教上の戒律(飲酒の厳禁、女性の服装規定など)が外国人や異教徒にも課され娯楽施設も少ない事から,精神的ストレスを感じる方が多く見受けられます。長期滞在される方は,定期的に休暇を取り当地を離れることと年一回の健康診断を勧めます。一般的なストレス解消法として,テニス,ゴルフ,登山,スキーなどのスポーツや絨毯織り,ペルシャ書道,民族音楽,ペルシャ語などの習い事をされる方がいます。
(4)テヘランは比較的高地に位置する関係で,到着後に軽い頭痛やめまいや疲労感あるいは不眠を訴える方がいます。多くは一過性で2週間程度で改善していきます。
(5)テヘランの水質は比較的良好で直接飲用とすることも可能とされていましたが,最近では硝酸窒素化合物の濃度が基準より高い地域が報告されています。また、日本の飲料水と比較して、マグネシウムやカルシウム等の鉱物が多く下痢や腹痛を訴える方もいます。飲用水としては、市販のミネラルウォーターを用いるか浄水器を使用するあるいは煮沸後の水が安全です。特に,妊婦や乳幼児には市販のミネラルウォーターを勧めます。
入国時に必要な予防接種はありません。赴任に際して,成人では破傷風(基礎免疫のある場合には追加のみ)、A型肝炎、B型肝炎の予防接種を勧めています。小児では日本の定期接種の他に,B型肝炎、ポリオ追加(3回目)を勧めています。
| 初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| BCG | 出生時 | |||||
| ポリオ(経口) | 出生時 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 18ヶ月 | 6才 |
| DTP | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 18ヶ月 | 6才 | |
| MMR | 12ヶ月 | 6才 | ||||
| B型肝炎 | 出生時 | 2ヶ月 | 6ヶ月 | |||
| インフルエンザ | 任意接種 |
(3)現地校に入学・入園する際は,上記のワクチン接種証明の提出を求められることがあります。
当地の乳児健診は,生後15日,1ヶ月,2ヶ月,4ヶ月,6ヶ月。それ以後は2〜3ヶ月毎に行われています。これらの健診は,総合病院や小児科クリニックなどで広く行われており,政府系の施設では無料となっています。私立病院で行った場合は有料となり,小児科の施設では1回およそ15万リアル(日本円で約1500円)かります。
ここでは,邦人が利用する事の多い私立総合病院と歯科クリニックを紹介します。いずれの総合病院も24時間救急対応が可能です。ただし,料金前払いで入院に際して高額な前金が必要なことがあります。また,各担当医は午後から各自のクリニックで診療し,不在となるので注意が必要です。
所在地: Vali-asr Ave., Abbaspoor St.
電話・ファックス: (021)-8879-7111 to 20 ・(021)-8879-7353
概要:内科,外科,整形外科,耳鼻科での邦人の入院・手術実績があります。バリ・アスル通りを挟んだ向かいのビルに,Day Hospitalで勤務する医師達のクリニックがあるので便利です。
所在地: Ghaem Magham Farahani St.
電話・ファックス: (021)-8871-2931 to 40・(021)-8872-4543
概要: 日本大使館の近く(徒歩5分)にあるテヘランでも老舗の私立総合病院で,邦人旅行者などに紹介することもありますまた,長期通院や出産をした邦人もおります。
所在地: Vali-asr Sq. Keshavarz Ave.
電話・ファックス: (021)-8896-0051 to 59・(021)-8896-6052
概要:CCU施設が完備されており,心臓血管カテーテル検査も行っています。また,人工透析や腎移植なども行っている他小児科や産婦人科にも定評があり出産をした邦人もおります。
所在地: Arjentine Square, Alvand St. No.23
電話・ファックス: (021)-8877-4444・(021)-8878-1515
概要: 日本大使館から比較的近く,邦人系企業等も多いArjentine Square地域にある私立総合病院です。
所在地: Goulfam Building Ground fl.,Unit 5,No.3,Golfam St., Africa Ave.
電話: (021)-2204-5348、 (021)-2203-1424
概要: Dr.Shafiei(東京医科歯科大学卒業で日本語可)が,2006年に開院した歯科医院。原則として,予約が必要です。
所在地: Tavanir Medical Bl.,Unit 15,3rd fl,.No 34, Valiasr Ave,
電話: (021)-8888-4411
概要: 夫婦で開業。夫は歯周病とインプラントが専門,妻は小児歯科の専門医。原則として,予約が必要です。
所在地:No.9, Sam St., Beihaghi St., Arjentine Square
電話: (021)-8874-7609
概要: 英国で学んだ歯科医。原則として,予約が必要です。
所在地: Sofeh Street, Esfahan
電話: (0311)-668-5555
概要:イスファハン医科大学の教育病院で,イラン国内の最高水準にある病院の一つです。24時間の救急外来あり。
大使館ホームページ:http://www.ir.emb-japan.go.jp![]()
大使館領事部には「テヘランの医療機関案内」などを用意しておりますのでご利用下さい。
医師 ドクトル、ペゼシュク
飲み薬 ダールー
注射 アンプール、タズリーク
頭痛 サルダルド
胸痛 スィネダルド
腹痛 デルダルド
下痢 エスハール
発熱 タブ
吐気 タハッヴォ
傷 ザフム
具合が悪い ハーレ マン フーブ ニースト
病院へ連れて行って欲しい ロトファン マン ラ ベ ビーマーレスターン ベレスニッド