在外公館医務官情報

アラブ首長国連邦

2010年9月

1.国名・都市名

 アラブ首長国連邦(アブダビ,ドバイ)(国際電話国番号971)

2.公館の住所・電話番号

 休館日:金・土曜日

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 衛生状態は良好です。市街地のごみは毎日収集され、蝿が集ったり、野犬に遭遇することも滅多にありません。特有の風土病も報告されていません。

 都市部の水道水は海水を脱塩化処理して真水(蒸留水)を精製し、それにミネラルや電解質を加え殺菌処理をし、家庭へ供給しています。理論上は無菌ですが、供給用パイプや貯水槽が原因で鉄錆や微生物の混入を認めることがありますので、水道水を直接飲料には使用しない方が望ましいです。

 気候は砂漠気候で、3月から10月には最高気温が40℃を超え、7月と8月は50℃を超える日もあります。さらに沿岸部では海洋性気候が加わり、想像以上に湿度も高くなる高温多湿気候ですので、外出時には体力の消耗が予想以上に激しくなりますので、注意が必要です。一方、12月から2月は最高気温が30℃に達せず、最低気温も10℃以下まで低下することもあります。

 ホテル内は過剰なほど冷房を効かせていますので、屋内と屋外の温度差が激しく、これも体力消耗の一因となりますので、必ず上着を準備してください。

 医療機関は大別して国立病院と私立病院に分けられますが、国立病院は外国人に対する一部受診制限が存在するため、外国人は私立病院を受診するのが原則です。医療水準に関しては、一般的な呼吸器感染症(風邪など)、消化器感染症(急性胃腸炎など)、軽症外傷に関しては問題ありません。しかし長期滞在者で精密検査、悪性腫瘍手術、複雑外傷に対する治療などの場合は、必ずしも日本と同等の医療レベルに達していないことがあり、帰国を考慮すべき症例もあります。

 ホテルは、常設クリニックあるいは顧問契約をしている医師や病院を有している場合が多いですので、緊急時にはホテルスタッフに相談することも一案です。

 救急依頼搬送システムは、制度上は整備されていることになっていますが、実際にはスムーズに稼動していないことが多く、移動可能な状態であれば自家用車、タクシーなどで病院受診するのが現実的です。

 医療費の支払いは、アブダビ首長国長期滞在者の場合は民間保険会社の医療保険加入が義務付けられているので、小額の自己負担のみです(ドバイ首長国ではこの義務付けはありません)。旅行者の場合は全額支払となりますが、海外旅行障害保険による還付を受けるために必ず診断書あるいは領収書を受け取ってください。キャッシュレスサービスを受けられる病院は、現在当国内には存在していません。費用は日本人の感覚からすると若干高額と感じますが、日本での窓口支払いが3割負担であることを考慮すると、医療費総額はそれ程大きな差はありません。

 医薬品はほとんどが欧州、米国、中近東各国からの輸入品です。薬局を探すのに苦労はしません。大きなショッピングセンターの中にも薬局があります。医薬品の種類は豊富で、日本国産品以外の医薬品はほぼ入手可能です。一部の医薬品(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)は当国では大衆薬扱いですので、処方箋がなくても購入する事が可能です。

5.かかり易い病気・怪我

(1)交通外傷(交通事故)

 当国における死因の第2位が不慮の事故で、その中で最多が交通事故です。運転マナーが悪く、無謀運転が原因です。日本人被害者も発生しており、注意が必要です。

(2)呼吸器感染症(風邪、気管支炎、肺炎など)

 屋内外の温度差、屋外の砂塵、屋内の低湿度などが原因で、呼吸器感染症を発症する方が多いです。

(3)熱中症および脱水症

 夏場は熱中症患者がほぼ毎日病院に搬送され、死亡例も報道されています。夏季の外出、屋外での運動には十分注意が必要です。特に気候に慣れない期間は熱中症になりやすいので、長時間屋外に出ることは控え、こまめな水分補給を心がけて下さい。

(4)アレルギー性疾患(皮膚炎、結膜炎、鼻炎など)

 建物の空調は中央管理システムですが、十分管理されていないことがあり、カビやその菌体成分などアレルギー誘発物質も少なくありません。湿疹、眼の掻痒、流涙、鼻汁などの症状を呈する方が散見されています。また砂塵もアレルギー症状を引き起こす要因になっているとのデータもあります。

(5)紫外線による障害

 太陽光線が強く、紫外線による皮膚や眼の障害には注意が必要です。外出時のサングラス、日焼け止めなどによる予防が大切です。

6.健康上心がける事

(1)高温多湿環境ですので食品衛生には充分注意する必要があります。使用人(メイド、運転手)を雇う場合には、衛生面での教育が大切です。

(2)水道水は家庭に届くまでに汚染される可能性がありますので、そのままでは飲用に適していません。飲料水はミネラルウオーターをお勧めします。

(3)紫外線対策として、肌を露出しない、日焼け止めを使用する、サングラスをかける、帽子を被るなどの対策をとって下さい。

(4)熱中症予防のための暑さ対策と水分補給は重要です。屋外に出る場合は上記の紫外線対策と共に、こまめに水分を取るようにして下さい。

(5)交通事故には十分注意して下さい。道が広いので、歩行者は十分注意して横断して下さい。例え横断歩道でも、周囲には十分な注意を払ってください。

(6)日中は暑いため外へ出る機会が少なく、室内に閉じこもりがちになります。運動不足やストレスの原因になりますので、機会を見つけてスポーツジムなどで体を動かすように心がけて下さい。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 入国・在留にあたり義務付けられている予防接種はありません。

 成人の場合、破傷風とA型肝炎を推奨します。

 小児は、日本の予防接種法・結核予防法で定められたものを確実に接種しておいて下さい。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

 ポリオ(OPV:経口ポリオ生ワクチン)の接種回数は、日本に比べ多くなっています。日本では実施されていないB型肝炎、インフルエンザb菌、MMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹の混合ワクチン)も行われています。

現地の小児定期予防接種一覧
  初回 2回目 3回目 4回目 5回目
BCG 出生直後        
ポリオ(OPV) 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月 72ヶ月
DPT 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月 72ヶ月
(DTのみ)
MMR 12ヶ月 72ヶ月 15歳
(風疹のみ)
   
B型肝炎 出生直後 4ヶ月 6ヶ月    
インフルエンザb菌 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月  

注)
DPT:ジフテリア、百日咳、破傷風の混合ワクチン(三種混合)
DT)ジフテリア、破傷風の混合ワクチン

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 特にありません。

8.乳児健診

 当国には、日本で行われているような独立した乳児健診システムはありません。予防接種の際に、乳幼児の発育状況を確認しており、これが乳児健診に相当するものといえます。

9.病気になった場合(医療機関等)

 国公立病院も救急部を受診する際には紹介状は不要ですが、割高になります。ほとんどの邦人は私立病院(またはクリニック)を利用しています。ここに挙げた国公立病院は救急も受け付けています。私立病院は毎日24時間体制で患者を受け付けていますが、専門外来や歯科は予約が必要です。当国では住所というものがなく、ここに載せている所在地は便宜上つけたものです。公共交通機関はあまりないので、病院へは自家用車かタクシーを利用します。ここに掲載している病院は、タクシーで病院名を告げれば行くことが可能です。
 なお、アブダビ空港にもドバイ空港にも24時間開院の空港クリニックがありますが、知らない職員もおり、尋ねても「ない」と言われることがあります。必ずインフォメーション・デスクで尋ねて下さい。しかしクリニックのスタッフ自体が不在の場合もあり、看板通りに機能しているとは言えません。

◎アブダビ市

(1)Sheikh Khalifa Medical City(シェイク・ハリ−ファ・メディカル・シティ)

所在地:11番通と24番通の交差点近く

電話:02-6102000

ホームページ:http://www.skmc.gov.ae/他のサイトヘ

概要:アブダビ首長国立総合病院です。救命救急センターは24時間受付可。

小児救急可。産科婦人科はありません。

(2)Al Noor Hospital(アル・ヌール病院)

所在地:Khalifa St.Abu Dhabi Coop

電話:02-6265265

ホームページ:http://www.alnoorhospital.com/他のサイトヘ

概要:邦人がよく利用する私立総合病院です。急患は24時間受付可。小児救急可。

(3)Hopital Franco-Emirien(フランコ・エミリアン病院)

所在地:コーニッシュ通と4番通の交差点、Nahada Towerビル

電話:02-6265722

ホームぺージ:http://www.hfe.ae他のサイトヘ

概要:フランス系私立総合病院です。英語及びフランス語可。急患は24時間受付可。歯科もあります。小児救急可。

(4)Gulf Diagnostic Center(ガルフ診断センター)

所在地:Al Arabi St.(30番通)沿い、13番通と15番通の間

電話:02-6658090

概要:私立総合病院です。邦人も利用しており、眼科の評判が良好です。急患は24時間受付可。小児救急可。

(5)Maher Medical Centre(マヘール医療センター)

所在地:コーニッシュ通と26番通の交差点近く、メルセデスビル102号

電話:02-6663588

概要:歯科です。日本人贔屓の院長と当国で唯一の邦人医療従事者である歯科衛生士がいます。この方が在院しているときは日本語での会話が可能です。

○ドバイ市

(1)American Hospital

所在地:Oud Metha地区、Moevenpick Hotel向かい

電話:04-3367777

ホームページ:http://www.ahdubai.com/main/index.aspx他のサイトヘ 

概要:日本人の利用頻度の多い私立総合病院です。急患は24時間受付可。

小児救急可。

(2)Rashid Hospital(ラシッド病院)

所在地:Al Maktoum橋の近く

電話:04-3371111、04-3374000(共に代表電話)

概要:ドバイ首長国立総合病院で、救急医療に力を入れている。

診療時間は土曜〜水曜日の07:30〜14:30です。小児救急可。

(3)The City Hospital

所在地:Dubai Healthcare City内、Raffles Hotel斜め後ろ。

電話:04-4359999

ホームページ:http://www.ehl.ae/TheCityHospital/他のサイトヘ 

概要:最近邦人が比較的よく利用する私立総合病院です。急患は24時間受付可。

小児救急可。

(4)Welcare Hospital

所在地:Al Garhoud地区、Millennium Airport Hotelの近く

電話:04-2827788

ホームページ:http://www.welcarehospital.com/他のサイトヘ

概要:邦人が利用する私立総合病院です。急患は24時間受付可。小児救急可。 

(5)VERSAILLES DENTAL CLINIC (ヴェルサイユデンタルクリニック)

所在地:Dubai Healthcare City内、Al Razi Bulding

電話:04-4298288

ホームページ:http://www.versaillesdentalclinic.com/他のサイトヘ (日本語あり)

概要:受付に日本人のいる歯科で、ある程度日本語対応可能。

10.その他の詳細情報入手先

(1)在アラブ首長国連邦日本国大使館

電話:02-4435696 (大使館代表)

ホームページ:http://www.uae.emb-japan.go.jp/他のサイトヘ

Eメール:embjpn@emirates.net.ae(大使館領事部)

(2)アラブ首長国連邦保健省

ホームページ:http://www.moh.gov.ae/他のサイトヘ

11.現地語一口メモ

 アラビア語の発音は必ずしも日本語カタカナ表記で表せないものもあることをご理解の上、参考としてください。当国のほとんどの病院は英語での会話が可能ですので、無理にアラビア語を使用する必要はありません。

医師:タビ−ヴ

飲み薬:ダワ−ハ

注射:ホクナ

頭痛:スダ−

腹痛:ワジャ・バトゥン

下痢:イスハ−ル

発熱:ハラ−ラ

嘔気:タルジ−ア

傷:ジュルハン

具合が悪い:アナ・タ−バ−ン

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