世界の医療事情
タジキスタン
1 国名・都市名(国際電話番号)
タジキスタン共和国(国際電話番号992)
2 公館の住所・電話番号
- 在タジキスタン日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
- 住所:80A Khabibulo Nazarov St., Dushanbe, 734000, Republic of Tajikistan
- 電話:(992)-44-600-54-77、または-78、または-79、または-80
- ホームページ:在タジキスタン日本国大使館
(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。
4 衛生・医療事情一般
タジキスタンは大陸性気候で、夏は乾燥し、秋から春にかけて降雨量が増えます。6月から9月は暑く乾燥した気候となり、最高気温が40度を越え、12月から2月にかけては、平均気温は零度以下になり雪が積もります。劣悪な電気事情のため、停電が多く冬季は厳しい寒さに見舞われます。
無謀運転、車両優先と考える運転手が多いことより交通事故が多く、注意しながら道路を通行するようにしてください。
水道水は水質が悪く混濁しており飲用はできません。通年、食中毒の事例が多く、腹痛、下痢の際には病院を受診してください。
医療機関の診療・設備・医療サービスの質はいずれも低く、英語を解する医療職が存在する医療機関は限られていますので、受診の際はタジク語またはロシア語の通訳が必要です。医療費は高額ですので、事前に海外旅行保険への加入をお勧めします。
5 かかり易い病気・怪我
(1)食中毒
飲食業従事者の衛生観念が原因で季節を問わず食中毒になるので、充分に注意が必要です。特に、レストランでの氷や生サラダ、路上販売の食品は食中毒の原因になりやすく注意が必要です。ホテルのレストランであっても生野菜を使用したサラダや寿司等生ものの飲食時には注意してください。また地元料理のシャシリク(羊や牛肉の串焼き肉)やタバカ(鶏の丸焼き)を食べる場合には中までよく火が通ったものを食べるようにしましょう。下痢、腹痛、発熱の際は病原性大腸菌やカンピロバクターなどによる食中毒が疑われます。抗生物質の服用が必要となる場合もありますので、病院を受診ください。
(2)交通事故
無謀運転、車両台数の急増、不十分な道路整備により人口10万人あたりの交通事故死者数は15.7人と高く、日本の約4倍です。歩行者は全く優先ではありません。歩道上や横断歩道上でも気を緩めないで、周囲の車両に注意してください。
(3)かぜ、季節性インフルエンザ
冬季は空気が乾燥しているため、かぜ及び季節性インフルエンザが流行します。細菌感染による気管支炎や急性咽頭炎も珍しくありません。なお、抗インフルエンザ薬の入手は当地では困難です。
(4)狂犬病、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、結核
狂犬病、食事から感染するA型肝炎と腸チフス、性行為・刺青・ピアスで感染するB型肝炎、空気感染する結核に注意しましょう。狂犬病に関しては、野犬が徘徊しており、特に子供は咬まれただけで重症になりやすく、犬も含めて決して哺乳動物には近寄らないようにしましょう。もし犬に咬まれたら病院ですぐに狂犬病の予防接種を受けましょう。
(5)メンタルヘルス
日常生活全般で思うようにいかないことが多く、ストレスが溜まりやすくなります。娯楽が少ないことや、英語が全く通じないという言葉の問題もあります。狭い日本人社会の中での人間関係も負担となる場合があります。ストレスを溜めないためには、まず、家族や友人などと何でも話し合える良好な関係を築くことが大切です。長期に渡って滞在される方は、定期的に休暇を取り、心のリフレッシュを心掛けてください。
6 健康上心がけること
通年空気が非常に乾燥していますので、皮膚の乾燥による痒みやドライアイの症状を訴える方が多いです。保湿クリームや目薬を使用すると良いでしょう。夏場は35度以上に暑くなりますので日焼けや熱中症にも留意が必要です。水分をこまめにとるように注意しましょう。かぜをひかないためにうがいと手洗いをすることも大切です。トイレには紙がないことが多いので事前にご準備ください。屋外のトイレは、不衛生な場合も多いので、なるべくレストランやホテルのトイレを利用するようにしましょう。
7 予防接種(ワクチン接種機関含む)
(1)赴任者に必要な予防接種
ア 成人
- 破傷風トキソイド:1回、10年毎に追加接種
- B型肝炎:3回、追加接種必要なし
- A型肝炎:3回、追加接種必要なし
- 腸チフス:1回、3年毎に追加接種
- 狂犬病:3回、3年毎に追加接種
- 季節性インフルエンザ:1回、毎年
イ 小児
- 結核(BCG):1回、追加接種必要なし
- ロタウイルス:2から3回、追加接種必要なし
- 百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ(DPT-IPV):4回、追加接種必要なし
- インフルエンザ菌b型(Hib):4回、追加接種必要なし
- 肺炎球菌(PCV13):4回、追加接種必要なし
- 麻疹・風疹(MR):2回、追加接種必要なし
- おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス):2回、追加接種必要なし
- 水痘:2回、追加接種必要なし
- B型肝炎:3回、追加接種必要なし
- A型肝炎:3回、追加接種必要なし
- 腸チフス:1回、3年毎に追加接種
- 狂犬病:3回、3年毎に追加接種
- ヒトパピローマウイルス:3回、追加接種必要なし
- 季節性インフルエンザ:1から2回、毎年
(注)次のホームページにて、予防接種についての分かり易い説明が手に入ります。
(2)現地の小児定期予防接種一覧
初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | |
---|---|---|---|---|---|
B型肝炎 | 出生時 | 2か月 | 3か月 | 4か月 | |
BCG | 出生時 | ||||
百日咳・ジフテリア・破傷風(DPT) | 2か月 | 3か月 | 4か月 | 16から23か月 | 6歳 |
インフルエンザ菌b型(Hib) | 2か月 | 3か月 | 4か月 | ||
肺炎球菌 | 2か月 | 4か月 | 12か月 | ||
ポリオ(経口生ワクチン) | 出生時 | 2か月 | 3か月 | 4か月 | 12か月 |
麻疹・ムンプス・風疹(MMR) | 12か月 | 6歳 | |||
ロタウイルス | 2か月 | 3か月 |
(注)百日咳・ジフテリア・破傷風、Hib、B型肝炎の生後2・3・4か月目のワクチンは5種混合ワクチンが使用される。
(3)小児が現地校に入学・入園に必要な予防接種・接種証明
上記の接種証明が求められることがありますので、医師に書いてもらい持参ください。
8 病気になった場合(医療機関等)
タジキスタンでは日本語が通じる病院はありません。英語も通じないことがあり、その場合は現地の通訳が必要です。
(首都)ドゥシャンベ
- (1)Проспект Медикал Душанбе
(プロスペクト メディカル ドゥシャンベ)
(英語名:Prospekt Medical Clinic) - 所在地:Душанбе, улица Шотемур, 55
(英語表記 Dushanbe, Shohtemur Street, 55)(2020年8月移転) - 電話:93-570-9904
- ホームページ:http://www.prospektclinic.tj/contact/
- 診療時間:月曜日から金曜日8時から15時
- 概要:内科の無床診療所。タジキスタン人医師2名が常勤。看護師1名。必要に応じて救急車手配可。経過観察ベッドとしてシノ病院の2床を利用可。主要な予防接種可(狂犬病、黄熱を含む)。検査は、院内で血液検査、心電図、提携病院でX線検査、CT検査、MRI検査が可能。SOS社の提携病院。国内には転院できる病院はないため、緊急移送が想定されるときは当院を早めに受診し、移送の手続きを進めるのが望ましい。院内に英語表記あり、外国人患者対応に習熟している。医療職は英語利用可。クレジットカード使用不可。
- (2)М е ж д у н а р о д н а я КЛИНИКА ИБН СИНО
(メジュドゥナロドナヤ クリニカ イブニ シノ)
(英語名:International CLINIC AVICENNA) - 所在地:Душанбе, Ф.Ниёзи, 34
(英語表記:Dushanbe, F.Niyozi, 34) - 電話:(44)640-0102、または0103
- ホームページ:International CLINIC AVICENNA(英語)
- 概要:シノ病院、別名アヴィセンナ、イラン病院と呼ばれている。イラン資本で循環器科を専門とするが、小児科、腫瘍科以外有する総合私立病院。入院ベッド120床、救急室、検査室、血管造影室あり。救急車あり。医師・看護師はタジキスタン人及びイラン人。英語で対応可能な医師も数人常勤しているが、一般的に英語は通じないため、受診の際は通訳の同伴が望ましい。クレジットカード使用不可。
9 その他の詳細情報入手先
10 一口メモ
公用語はタジキスタン語ですが、日常生活全般的にロシア語が通じます。英語が通じることは稀です。ロシア語に関しては、「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時のロシア語)を参照願います。