在外公館医務官情報

ルーマニア

2010年10月

1.国名・都市名

 ルーマニア(ブカレスト市)(国際電話国番号40)

2.公館の住所・電話番号

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 ルーマニアの緯度は北海道とほぼ同じです。年間の寒暖差は大きく、冬の最低気温はマイナス10度、夏の最高気温は40度以上になることがあります。配管の保守が悪いため水道水は混濁していることも多く飲用には適しません。市販のミネラルウオーターの使用をお薦めします。ルーマニアの医療分野はかなり遅れています。2007年のEU加盟以降退歩しているかもしれません。ルーマニアの医師免許がEU域内で有効となったため医師が医療先進地域へ流失しており、国内の医師数は毎年4%減少しています。ルーマニアの人口当り医師数はEU域内最低レベルです。医療施設面では西欧的な私立クリニックも増えてきていますが、手術は設備の悪い公立病院で行われるため、術後感染や院内感染のリスクが高いと考えるべきです。重篤な病気・けがの場合、原則として西欧の医療先進国か日本への移送が望まれます。渡航前には緊急移送特約付き海外旅行傷害保険の加入が必須です。

 ルーマニアに特別な風土病はありません。

5.かかり易い病気・怪我

(1)交通事故

 補修の悪い道路と想像を絶する運転マナーの悪さのため交通事故が頻発しています。人口当りの交通事故死亡者数は日本の3倍に上ります。

(2)犬咬傷、狂犬病

 ブカレスト市内には異様に野犬が多く、毎日数十人の人が野犬被害のため病院を受診しています。平成18年には在留邦人が犬に咬まれ出血多量で死亡しました。またルーマニアは狂犬病汚染地域です。2005年には死亡者がでていますし、動物の狂犬病は毎年多数報告されています。動物に咬まれた場合、事前に予防接種を受けている人も狂犬病ワクチンをうつ必要があります。ブカレスト市内ならば「マテイ・バルシュ国立感染症研究所」で狂犬病ワクチンの暴露後接種が可能です。地方ではワクチン備蓄医療機関は限られているので注意が必要です。

(3)肝炎

 WHOによるとルーマニアはA型およびB型肝炎の汚染地域です。A型肝炎は経口感染性肝炎ですので、生もの、生水の摂取はさけた方が賢明です。B型肝炎は、血液・体液を介して感染する肝炎です。A型肝炎、B型肝炎にはワクチンがありますので旅行前の接種をお勧めします。

(4)細菌感染症による胃腸炎、食中毒

 サルモネラ菌、大腸菌等の細菌に起因する胃腸炎、食中毒が発生しています。手洗いの励行と中心部まで充分に加熱された食物を摂るように心掛けてください。冷めたものは再度加熱して食べてください。

(5)破傷風

 特別にルーマニアに多い疾患ではありませんが、40才以上の日本人は基礎免疫を獲得していない人が多いので要注意です。外傷を受けた場合は早めに医療機関を受診してください。旅行前のワクチン接種をお勧めします。

(6)初夏ダニ脳炎

 ルーマニア保健省は国内での初夏ダニ脳炎の発症はないと発表していますが、近隣のオーストリア、ハンガリー、ポーランド、チェコは汚染地域になっています。春から秋にかけダニに咬まれることで感染するウイルス脳脊髄膜炎で、場合によっては死亡することもあります。汚染国の森林部に旅行を予定される方は事前にワクチン接種することをお勧めします。

(7)性感染症

 エイズの感染様式は異性間接触によるものが半数以上です。また梅毒、クラミジアなども増加傾向にあります。

6.健康上心がける事

(1)渡航前にA型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病などの予防接種を済ませましょう。

(2)夏は高温になるので熱中症に注意しましょう。特にスポーツ、ハイキング時には十分な水分の補給に心がけ、無理をしないように心がけましょう。

(3)生もの、生水はとらないようにしましょう。水道水は飲用には不適ですので、市販のミネラルウオーターを飲みましょう。

(4)野犬、特に群れをなしているものには近づかないようにしましょう。

(5)交通事故に注意しましょう。横断信号が青でも左右確認を励行してください。歩道は違法駐車車両でいっぱいで車道を歩かざるを得ないことが多いので注意してください。

(6)日頃常用している薬は多めに持参してください。ルーマニアでは、一般薬局で処方箋なしで抗生剤や高血圧症、高脂血症等の薬も入手可能ですが、成分・分量が日本の物と違う可能性があります。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 入国に際し必須とされている予防接種はありません。成人の場合A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、破傷風の接種をお薦めします。小児の予防接種スケジュールは日本と異なっています。日本で接種できる予防接種は全て済ませておいてください。

(2)ルーマニアの法定予防接種

現地ルーマニアの法定予防接種
  初回 2回目 3回目 4回目
BCG 生直後      
B型肝炎 生直後 2ヶ月 6ヶ月  
DTaPHibIPV (5種混合) 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 12ヶ月
MMR 12ヶ月 7才    
IPV 9才時に追加接種    
Td 14才時に追加接種(以降10年ごと)
HPV 12~24才    

BCG:結核菌ワクチン

HepB:B型肝炎ワクチン

DTaPHibIPV:ジフテリア、破傷風、百日咳、Hib、ポリオ5種混合ワクチン

MMR:流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、麻疹、風疹混合ワクチン

IPV:ポリオは不活化注射ワクチン

Td:ジフテリア、破傷風ワクチン(大人用)

HPV:ヒトパピローマウイルスワクチン

ポリオは経口生ワクチンから注射による不活化ワクチンに変更された

日本で用いられている流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)単独ワクチンは入手不能

初夏ダニ脳炎ワクチンが入手可能で任意接種できる

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明書

 現地校に入学・入園する際に健康診断書、証明書(ワクチン接種歴含む)の提出を求められることがあります。

8.乳児健診

 日本で行なわれているような乳児健診は存在しません。

9.病気になった場合(医療機関等)

◎ブカレスト

(1)Floreasca Emergency Hospital

所在地:Calea Floreasca, no.8

電話:021-599-2300、021-599-2308、021-962(hotline)

http://www.urgentafloreasca.ro他のサイトヘ

概要:国立救急病院、24時間受診出来る。小児、感染症患者は受け付けていない。ブカレスト市内で機材が最も充実している。多くの医師が英語・フランス語を解するが、看護師・技師・職員はルーマニア語しか解さない事が多い。公立病院を初めて受診する場合は、数時間待つ事も稀ではない。

(2)"Grigore Alexandrescu" hospital for children

所在地:Bd. Iancu de Hunedoara no.30-32

電話:021-316-9366、021-316-9372

http://www.spitaluldecopii.ro他のサイトヘ

概要:国立小児緊急病院。24時間オープン。夜間、休日でも電話予約なしで受診できる。

(3)Bio-Medica Medical center

所在地:Calea Floreasca 111-113

電話:021-311-7793~7797、0722-338-383,0745-338-333(hotline)

http://bio-medica.ro他のサイトヘ

概要:歯科を含む全科対応可能の私立クリニック。コンパクトで小綺麗で、レントゲン検査、血液検査もできる。外来専門だが、国立Floreasca 病院内にこの病院が経営する特別病棟がある。平日:8時00分-20時00分、土曜日:8時00分-16時00分、日曜日:8時00分-15時00分

(4) Euroclinic

所在地:Calea Floreasca nr.14A

電話:021-200-6800

http://spitaluleuroclinic.ro他のサイトヘ

概略:公立のFloreasca emergency Hospitalと廊下で繋がっている私立病院。医師、機材、救急車等はEmergency Hospitalと共有している。月曜~金曜:8時00分~20時00分、土曜日9時00分~14時00分

(5)Medicover Health Centre

所在地:Str. Grigore Alexandrescu no.16-20

電話:021-310-1599、021-310-4040(hot)

http://medicover.com他のサイトヘ

概要:全科対応民間クリニック。レントゲン検査が可能で設備が整っている。平日:8時00分-20時30分、土曜日:8時00分-14時30分

そのほかにもブカレスト市内に3カ所のクリニックを持っている。首都以外の地方都市Cluj, Constanta, Focsani, Iasi, Ploiesti, Timisoara, Brasov にも病院を持っている。

(6)Victor Babes Clinic

所在地:Sos.Mihai Bravu no.281

電話:021-317-9503

http://www.cdt-babes.ro他のサイトヘ

概要:全科対応民間病院。入院施設も持つ。国立感染症病院と隣接している。トラベル・クリニックがあり、ワクチン接種を行っている。平日:8時00分-20時00分、土曜日、日曜日:8時00分-12時00分

(7)Institutul de Boli Infectioase「マテイ・バルシュ国立感染症研究所」

所在地:Str. Dr. Calistrat Grozovici, Nr. 1, Sector 2

電話:021-210-9517

http://www.mateibals.ro他のサイトヘ

概略:感染症患者の入院治療を行う。動物の咬傷を診察し必要ならば狂犬病ワクチン、抗血清の接種等の治療を行う。

(8)Village Medical Clinic

所在地:Sos.Nordului no.119, French Village

電話:021-232-3580 & 3581, 0723-343-219, 0722-303-409(hotline)

http://www.villagemedical.ro他のサイトヘ

概要:高級集合住宅内にある小児科医院。英語が堪能な姉妹ドクターが家庭的な雰囲気で診療にあたっている。平日:7時30分-19時30分、土曜日:9時00分-13時00分

(9)Arhident Dental Clinc

所在地:Str. Locotenent Aviator Dumitru Darian, no.5

電話:021-231-1324

概要:新潟大学歯学部で研修した日本語が話せる女医が勤務している。月曜日―木曜日:9時00分-18時00分

(10)Dent-a-America

所在地:Str.Varsovia no.4

電話:021-230-2827, 076-905-9900~9905

http://www.dent-a-america2000.ro他のサイトヘ

概要:設備が充実した歯科医院。平日:8時00分-20時00分、土曜日:8時00分-14時00分

(11)Opti-Contact-Oculus

所在地:Calea Floreasca no.91-111

電話:021-317-8070, 021-230-1491

http://www.eye.ro他のサイトヘ

概要:眼科検査一般、小手術可。月曜日―金曜日:9時00分-19時00分、土曜日:9時00分-13時00分

10.その他の詳細情報入手先

 在ルーマニア日本国大使館ホームページで医療情報がご覧いただけます。http://www.ro.emb-japan.go.jp/ 他のサイトヘ

11.現地語一口メモ

医師:doctor(ドクトール)

飲み薬:medicamente(メディカメンテ)

注射:injectie(インジェクティエ)

頭痛:durere de cap(ドゥレーレ デ キャップ)

腹痛:durere de stomac(ドゥレーレ デ ストマック)

胸痛:durere in piept(ドゥレーレ ウン ピエプト)

下痢:diaree(ディアレー)

発熱:temperatura(テンペラテゥーラ)

吐き気:greata(グレアータ)

傷:rana(ラーナ)

具合が悪い:Mi-e rau(ミエ ラウ)

病院へ連れて行ってほしい:Duceti-ma la spital(ドゥセチ マ スピタール)

受付はどこですか:Unde este receptia(ウンデ エステ レチェプティア)

このページのトップへ戻る
目次へ戻る