2010年10月
カザフスタン共和国(アスタナ市、アルマティ市)(国際電話国番号7)
カザフスタン共和国は、西はカスピ海、東は天山山脈を隔て中国に接する世界第9位の面積を持つ大国です。国土は北からツンドラ、ステップ、砂漠・土漠に覆われ、気候風土は地域により異なります。最大の都市アルマティはカザフスタンの南東の端、札幌とほぼ同緯度の北緯43度、アラタウ山脈(天山山脈の支脈)の麓の標高約800メートルに位置します。平均気温は夏が23度、冬がマイナス6度で他の中央アジアの諸都市と比べると比較的過ごしやすく人口(約150万人)が集中しています。首都のアスタナはカザフスタンの北部(北緯51度)に位置します。アスタナでは季節を問わず平均秒速7メートルの北西風が吹いており、冬季は厳寒となり、気温はマイナス30度C以下になることがあります。夏の最高気温は40度C前後までに達することがありますが、低湿度と風のため体感気温は高く感じません。朝方はこの時でも20度C前後なので朝方はヒヤッとします。
医療水準は大都市でも近代化した景観ほどには高くありません。旧ソビエト時代からの、「医療は基本的に無料」の制度(政府保証範囲内に限り)を保っており、ほとんどの病院は公立で、外国人の病院受診は容易ではありません。都市部の病院でも英語を話す医師は稀です。カザフスタンに旅行・長期滞在をする場合は、必ず海外旅行傷害保険に加入しましょう。病院を受診する場合は、旅行傷害保険会社のアラームセンターにまず相談し、受診病院の紹介を受けましょう。現地の知人友人の紹介で現地の病院を受診する場合は、現地のレベルで治療が完結するリスクを覚悟しなければなりません。
アルマティの水道水は豊かな水源に支えられ細菌・汚濁は見られませんが、一部の地域では、老朽化した水道管から鉄錆が混入しています。また破裂した水道管が雨水や地下水を引き込むこともあります。飲用水には信頼がおける市販のミネラルウォーターを利用しましょう。洗濯・入浴・食器の洗浄は水道水で問題ありませんが、できれば熱湯を利用する自動食器洗い器の使用をお勧めします。また洗濯物は下着でもアイロンをかけ、殺菌・防虫に心がけましょう。アスタナは水源から遠く、水質の信頼性はアルマティより劣ります。
食品衛生の観念は高いとは言えません。春から夏にかけては細菌性の食中毒、冬季にはノロウイルス(小型球形ウイルス)による食中毒が発生します。カザフ料理のシャシャリク(串焼き肉)などを食べる場合には中心まで十分に火が通っていることを確認しましょう。果物はカットフルーツを避け、自分で皮を剥いて食べましょう。品質に疑問がある時は火を通すか、迷わず捨てましょう。
アルマティでは工場排煙、石炭暖房の排煙に近年の急激な自動車台数の増加が加わり大気汚染が進んでいます。市街地に居住する場合は空気清浄機を準備すると良いでしょう。アスタナは平地で風が強いため、大気汚染はアルマティほどではありませんが、砂嵐が来ることがあります。
カザフスタンでは毎年喫煙が原因で2万5千人が死んでいるほど喫煙人口が多く、最近公共の施設や飲食店でも禁煙処置が執られるようになりました。2008年の統計では100人に1人が心臓循環器系の病気に罹患しています。5年前の200人に1人の割合から比べると急速な罹患患者の増加です。労働人口の1%が喫煙が原因で心臓循環器系に罹患しているとのことです。医療機関にかかり、B型・C型肝炎に罹患する子供がいると言うことで保健省が調査したところ歯科治療がその原因として70%を占め次いで血管内注射40%、手術7%、外傷2%となっています。歯科クリニックの衛生観念のなさが指摘されています。2008年の統計では平均余命が男61歳、女72歳でした。乳児死亡率は出生児1000人に対し19.6(2000年)から14.57(2007年)へ、妊産婦死亡率は10万人あたり60.9(2000年)から46.8(2007年)へと推移しています。
(1)持ち出し病(高血圧症・糖尿病など)の悪化:カザフスタンで新たな病気に罹るリスク以上に日本から持ち出した持病が悪化するリスクが高いことを忘れてはいけません。慢性疾患がある場合は事前にカザフスタンで治療が可能かどうか、万が一の場合はどうするかのリスクマネージメントを済ませておきましょう。旅行傷害保険は治療中の疾患もカバーする商品を選びましょう。
(2)旅行者下痢症Traveler's Diarrhea・感染性腸炎(≒)食中毒 Acute Enterocolitis:生野菜、生焼け肉、生卵(半熟卵)、乳製品を介して細菌性・ウイルス性の感染性胃腸炎に罹るリスクがあります。病原菌は病原性大腸菌、サルモネラ菌、ノロウイルスが一般的ですが、カンピロバクターや赤痢菌、炭疽菌が原因になることもあります。食物は野菜であれ、十分に火を通して食べることをお勧めします。油分の多い外食が原因で下痢を起こすこともあります。過労、睡眠不足、あるいは胃腸が弱っている時は量を減らし、飲酒も避けましょう。下痢による脱水症状はスポーツ飲料などで軽快することがあります。当地ではスポーツ飲料は入手困難ですから、粉末の製品を本邦から持って来られるとよいでしょう。
(3)急性気管支炎Bronchitis・インフルエンザInfluenza:冬季は風邪(感冒)及びインフルエンザが流行します。空気が乾燥しているため、細菌感染による気管支炎や急性咽頭炎は珍しくありません。新型インフルエンザに関して、2005年にはコスタナイ州で死亡した家禽類から高病原性H5N1型ウイルスが検出されました。ヒトへの感染は報告されていません。2009年4月に発生した新型インフルエンザH1N1感染者は当局発表で最終的に17人でした。ドイツ人が1人含まれていますが、カザフスタン人感染者は全員海外からの帰国者で、主に外国語コースを学んだ子供達でした。近隣国で流行が報じられた場合は、感染症病院などでの医療体制が十分でないことから、渡航は見合わせることをお勧めします。オセルタミビル(商品名:タミフルカプセル75)などの抗インフルエンザ薬の入手は困難です。
(4)花粉症(アレルギー性鼻炎Allergic rhinitis・アレルギー性結膜炎Allergic rhinitis conjunctivitis):山麓地域では日本のスギ・シラカバ・ブタクサと交叉抗原性を持った樹木が豊富です。山に囲まれているアルマティでは、春先に花粉症が多発します。日本でアレルギー疾患と診断されている方はマスク、予防薬、治療薬の準備が必要です。
(5)急性ウイルス性肝炎Acute Viral Hepatitis:学校、幼稚園、寄宿舎などで毎年A型肝炎(Hepatitis Type A)が集団発生します。A型肝炎は感染性腸炎などと同じく、食物や水を介して経口感染します。平均28日の潜伏期間の後、風邪に似た症状で発症します。やがて、疲労感が強くなり、黄疸が現れます。中央アジアでは小児の症例が多いのが特徴です。当地に長期に滞在する場合は(子供も)A型肝炎ワクチン接種をお勧めします。2006年は7994例(人口10万人当52.4例)、2007年は10773例(人口10万人当69.6例)の発症がみられました。B型肝炎(Hepatitis Type B)は血液感染で血液や血液が混じった体液から感染します。HIV/AIDSと同様に性行為でも感染する可能性があります。また、輸血などの医療行為で感染する可能性もありますので、万一、交通事故に遭うことを考え、B型肝炎ワクチン接種をお勧めします。B型肝炎は2006年に1192例(人口10万人当7.8例)、2007年は846例(人口10万人当5.5例)、2008年692例、2009年は509例の発症がみられました。C型肝炎も血液感染です。2008年は920例(人口10万人当5.9例)2009年は824例(人口10万人当5.2例)が報告されています。
(6) HIV/AIDS及び性感染症:カザフスタンでは2006年に1741例(人口10万人当11.4例)、2007年に1973例(人口10万人当12.7例)、2008年には2,335例、2009年に2,081例のHIV/AIDS新規感染者が報告されています。2009年9月1日時点で総計13,154人のHIV感染者が居ます。年々増えており登録患者のほとんどがKaraganda、South Kazakhstan、Pavlodar、Almatyの4つの地域に集中しています。2010年6月29日時点では14,812人のHIV感染者が登録されました。最多はAlmatyで3,010例、最小はKyzylordaで59例です。検査の受診率から考えると、実際の感染者はこの10倍以上、感染率は1%以上と推定されます。サブサハラのアフリカ諸国に次いで高率です。麻薬中毒者が主に感染していると言われています。同じ注射針をいろいろな人が頻回に使用するのが原因です。カザフスタンの麻薬常習者数は20万人と推定され、そのほとんどが性的活動期にあります。大都市ではcommercial sex workerを介した梅毒や淋病が増えていることを考慮すると、性行為でのHIV/AIDS感染のリスクも高まっていると言えます。事実、HIV感染者は初めは確かに薬物中毒者が多かったのですが次第に性行為による感染者も増加し一時割合が折半したことがあります。最近は再び傾向として薬物中毒者の割合が若干増えてきました。薬物が商売になると言うのが理由のようです。梅毒は2006年には8200例(人口10万人当53.8例)、2007年は7103例(人口10万人当45.9例)が報告されています。不特定多数を相手にしている人との性交渉は「命がけ」であることを理解する必要があります。2006年には南カザフスタン州の小児病院で、約150名の小児がHIV/AIDSに感染するという院内感染事故がありました。当地の病院では感染対策が不十分です。やむを得ず病院を受診し、観血的治療(血液が出るような治療)を受ける場合は、医療器具が消毒されているか、新しい使い捨ての注射針、注射器などが使用されているかを確認することが重要です。正式な統計はありませんが、近隣国からの移住者によって、HIV/AIDSが流入していると考えている人がいます。特に近隣国に行く機会が多い邦人がカザフスタン国内でカザフ査証を更新する際に、HIV/AIDS検査証明書を求められることがあります。
(7)腸チフスTyphoid fever・パラチフスParatyphoid fever:食物や水を介して経口感染する病気です。通常10〜14 日の潜伏期の後、39〜40℃の発熱がみられます。その後、下痢または便秘になりますが、必ずしも「腸」の症状が必発ではありません。重症になると意識障害、腸穿孔を起こし、適切な治療を行わないと死に至ることがあります。チフス菌は多剤耐性菌(抗生物質が効きにくくなった菌)が増えています。腸チフスは2006年には13例、2007年は5例、2008年は4例、2009 年5例と頻度は高くないですが、衛生状態の良くない地方へ行かれる方には、予め予防接種(1回接種で3年間有効、日本では未認可)を受けておくことをお勧めします。
(8)ブルセラ症Brucellosis:ブルセラ症は中央アジアに多い感染症です。人畜共通感染症の1つで、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ及びヒトに感染します。ヒトへは上記の動物との接触、非加工乳製品の摂取により感染します。2〜3週間の潜伏期を経て全身のあらゆる臓器に感染を起こすので、特異的症状はなく発熱、発汗、体重減少、うつ状態などの症状が見られます。乳製品や十分に火の通っていない肉類には注意しましょう。動物の死骸に近づくことも危険です。カザフスタンでは毎年2,500人(罹患率は10万人あたり15人前後)の新規感染者が報告されます。内子供は10〜20%台の割合です。1978年以来、この病気は増加の傾向を示しています。この病気の罹患率が多い地域はAlmaty Region、South-Kazakhstan、Zhambyl Region、Kyzylorda Regionです。当地の専門家は罹患者の10%強が病気にかかった家畜の肉やミルクを摂取しており、また85%が羊や山羊などの小さな家畜との接触が原因と報告しています。更に獣医の診察に費用をかけたがらないことや妻や子供達を手伝わせることが病気の拡大に影響していると分析しています。そして患者が全員、医師の診察を受けるわけでもないし、誤診もあることから実際の罹患率はもっと高いだろうと話しています。
(9)炭疽Anthrax:炭疽菌が感染することで発症する病気です。炭疽菌はバイオテロで有名になりましたが、中央アジアでは自然界の土壌中に存在します。土壌中では芽胞(強い殻を持つ細菌のひとつの姿)の状態で存在しますが、洪水や長雨などの後、土表面に現れると、泥の中で動物やヒトに感染しやすい細菌として増殖します。炭疽菌は芽胞をつくると長い間(少なくとも数十年)栄養素がない状態で土壌や動物製品などに存在し続けます。地方山岳部では無検疫の肉を介した腸炭疽、毛皮を介した皮膚炭疽の発生が毎年報告されています。2006年は11例(人口10万人当0.07例)の発症がみられました。2007年は報告がありません。2008年は10例、2009年は7例報告されています。
(10)ダニ脳炎Tick-Borne Encephalitis:山岳地帯に限らず、アルマティ近郊でもダニ脳炎(初夏脳炎)ウイルスを媒介する吸血性マダニが成育しており、毎年患者も報告されています。森林部に入る場合は肌の露出は避けましょう。アスタナでは付近に山が無いため、感染の機会は少ないと言われています。2006年は33例(人口10万人当0.22例)、2007年は32例(人口10万人当0.21例)と患者数は多くはありませんが、発症すると重篤な後遺症が残ることもあります。ゴルフやハイキングなどで山に行く機会のある方には予防接種(3回接種で5年間有効、日本では未認可)をお勧めします。
(11)クリミア・コンゴ出血熱Crimean-Congo hemorrhagic fever:ウイルスを持つダニに噛まれることで感染します。発症した家畜などの血液からも感染することがあります。潜伏期間は3〜12日で、高熱や全身の筋肉痛で発症し、粘膜からの出血(紫斑)がみられます。死に至ることがあります。ダニ脳炎とは異なり、山間部よりもクズィルオルダ州などのカザフステップ地域で多く発生しています。これらの地域に行かれる方は、ダニに噛まれないように、肌の露出は避け、非衛生的なバザールの食肉売り場などには近づかないようにしましょう。2006年は31例(人口10万人当0.22例)、2007年は21例(人口10万人当0.14例)の報告があります。2009年にはツルキスタン市の病院で医師を始めとする医療従事者を中心に感染者が11名までに増加し内6人が亡くなっています。感染者を不注意に診察・治療したことが原因と当局は断じています。
(12)結核Tuberculosis:結核菌を持った患者を介してヒトからヒトに感染します。カザフスタンでは感染患者数は徐々に減少していますが、未だ頻度の高い感染症です。アルマティやアスタナでは近隣諸国からの移住者の増加が原因で、発症数が増加しているとの報告があります。結核菌が感染しても全てが発病するわけではなく、栄養状態・衛生状態に問題の無い人ではリスクは高くはありません。過労やストレスのために体力が弱った人は感染しやすくなります。予防のためには、疲れすぎないようにするなどの注意が必要です。咳や微熱が長引く場合は専門医の診察を受けましょう。定期的にツベルクリン検査で陰性を確認するのも一方です。BCGの有効性は必ずしも確立していません。法令により、結核患者は強制的に隔離病棟に入院させられることもあります。2006年は19374例(人口10万人当127.1例)、2007年は18837例、2008年は19,670例、2009年は16,735例(人口10万人当105.3例)が報告されています。
(13)流行性髄膜炎Meningococcal infection:髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)が鼻・のどから感染することによって発症します。中近東やアフリカに多い疾患ですが、中央アジアでもしばしば流行します。初期には風邪のような症状ですが、その後、激しい頭痛、頸部硬直、けいれん、意識障害などの髄膜炎症状がみられるようになります。抗生物質が効きますが、進行が早いので、放置していると重症化することがあります。2006年は297例(人口10万人当2.0例)、2007年は341例(人口10万人当2.2例)、2008年221例、2009年は174例の発生がみられました。数年に一度はアルマティでも流行します。毎年、発生しています。ワクチンで予防できますが、日本では未認可のため、日本での接種はできません。
(14)旋毛虫症Trichinosis:旋毛虫の幼虫が寄生している食肉から経口感染する寄生虫疾患です。幼虫が感染すると筋肉の中を動き回り、腫れ物の位置が日々変わります。カザフスタンでは未検疫の豚肉、羊肉が主な感染源です。串焼き肉(シャシリク)を食べる場合には肉の中心まで十分火が通っていることを確認してから食べましょう。
(15)エキノコックス症Echinococcosis:エキノコックスが寄生したキツネ、犬、野ネズミ、ブタなどの糞に触れたり、糞に汚染された水を口にすることで感染する寄生虫疾患です。エキノコックスは肝臓に寄生し、進行するにつれて肝機能障害に伴う倦怠感、上腹部・季肋部の不快感、黄疸などの症状がでてきます。寄生虫感染してから自覚症状が出るまでに数年から10数年かかり、気がつかないうちに悪化してしまいます。当地に滞在した後、肝機能に異常がある場合は、専門医を受診し精密検査を受けましょう。2006年は1002例(人口10万人当6.57例)、2007年は877例(人口10万人当5.66例)が報告されています。
(16)疥癬Scabies:山小屋や簡易ホテルの不潔なベッドやシーツからあるいは性交渉のパートナーからヒゼンダニが感染し疥癬に罹ることがあります。疥癬は陰部、腋下、お腹や大腿の皮膚に皮疹ができ、ダニの移動する皮下の道(疥癬トンネル)を通じて周囲にこの皮疹が広がります。夜間の激しい痒みが特徴です。特効薬のPermethrin 5%クリームの塗布で治ります。2006年は2969例(人口10万人当19.5例)、2007年は2670例(人口10万人当17.2例)が報告されています。
(17)狂犬病Rabies:狂犬病ウイルスを保有する動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷からウイルスが侵入することによって感染する人獣共通感染症です。2006年には3例、2007年は10例の発症がみられました。頻度の高い疾患ではありませんが、狂犬病は発症すれば、致死率はほぼ100%で、治療法はありません。そのため、徹底した予防が重要です。野犬などの動物に咬まれたり、引っ掻かれたりした場合、すぐに傷口を石鹸と水でよく洗い流し、医療機関を受診して下さい。24時間以内に狂犬病ワクチン(暴露後接種)を接種する必要があります。同時に抗狂犬病ガンマグロブリンを併用することが望ましいとされていますが、現地では入手不可能です。アルマティやアスタナでも野犬がいます。夜間の外出は治安面だけではなく、狂犬病の恐れがあることからも危険です。特に動物と直接接触する機会のある方には、事前に本邦でワクチン(暴露前接種)を接種し、基礎免疫を付けておくことをお勧めします。
(18)交通事故:アルマティ、アスタナ共に交通量が増加しています。交差点での急発進、本来2車線の道路を4〜5車線として利用するなど車線が明確ではなく、路肩や歩道からの追い越しも一般化しています。このような交通マナーの為、交通事故が多発しています。乗車中は必ずシートベルトをしましょう。万が一輸血を受ける事態に備えてB型肝炎ワクチンの接種をお勧めします。
(19)強盗による被害など:最近、アルマティ、アスタナ共に治安が悪化しており、邦人も被害に遭っています。アスタナの救急病院の医師の話では、一晩に20〜30人の被害者が搬送されてくるとのことです。救急病院の医療環境は劣悪で、邦人が満足できるレベルにはありません。被害に遭わないように、夜間の外出は絶対に避けましょう。
(20)メンタルヘルス:日常生活全般で思うようにいかないことが多く、ストレスが溜まりやすくなります。アスタナの長い冬は厳しく、ちょっとした外出さえ困難です。娯楽が少ないことや、英語が全く通じないという言葉の問題もあります。狭い日本人社会の中での人間関係も負担となる場合があります。ストレスを溜めないためには、先ず、家族や友人などと何でも話し合える良好な関係を築くことが大切です。長期に渡って滞在される方は、定期的に休暇を取り、精神的にリフレッシュできるよう心掛けて下さい。
(1)旅行傷害保険の加入。
(2)生水は飲まない。信頼できるメーカーの未開封のボトル水を飲用する。
(3)生野菜は食べない。やむを得ない場合は十分に流水で洗浄して食べる。
(4)肉類は中心まで十分に加熱された物を食べる。冷えた食物は再加熱。
(5)動物や動物の糞には触れない。
(6)うがい・手洗いの励行。
(7)戸外では肌を露出しない服装。
(8)UVカットサングラス、日焼け止めクリーム、帽子の準備。
(9)入浴・シャワーは毎日。
(10)年一回の帰国時の定期健診。
(11)ワクチン接種と有効期間の確認。
(12)不特定多数との性交渉は避ける。
(13)高地では高山病に注意をする。
(14)免疫力を弱くしないため、極度の疲労にならないようにする。
(15)ストレス発散の方法を考えておく。
入国時に法的に接種を求められているワクチンはありません。長期に滞在される方には、A型肝炎(小児も)、B型肝炎、破傷風、狂犬病(特に動物と直接接触する機会のある方)、ダニ脳炎(特にゴルフやハイキングなどで山に行く機会のある方)、腸チフス(特に地方へ行く機会のある方)のワクチン接種をお勧めします。最近、日本では大学生の世代を中心に、麻疹や百日咳が流行しました。当地で麻疹、風疹、百日咳、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)、水疱瘡に罹患した場合、非衛生的な感染症病院に強制隔離となったり、所属している職場等が衛生当局から感染対策指導を受ける可能性があります。特に若い世代の方は日本で抗体価を検査し、必要に応じて、これらのワクチンも接種しておくことが推奨されます。冬季に滞在される方はインフルエンザワクチンも接種しておいた方がよいでしょう。カザフスタンで接種可能なワクチンもありますが、良質のワクチンはいつでも入手できるとは限りません。また、当地の法令により、民間の医療機関で接種可能なワクチンは限られています。日本での接種をお勧めします。ダニ脳炎,腸チフス、流行性髄膜炎のワクチンは日本では一部のトラベルクリニック以外では接種できません。
| 初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | その後 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BCG | 生後1〜4日 | 6歳 | ||||||
| B型肝炎 | 生後1〜4日 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | |||||
| ポリオ(OPV) | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 12-15ヶ月 | ||||
| ジフテリア | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 18ヶ月 | 6歳 | 12歳 | 16歳 | 10年毎 |
| 破傷風 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 18ヶ月 | 6歳 | 16歳 | 10年毎 | |
| 百日咳 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 18ヶ月 | ||||
| 麻疹 | 12-15ヶ月 | 6歳 | ||||||
| 風疹 | 12-15ヶ月 | 6歳 | 15歳※ | |||||
| おたふく風邪 | 12-15ヶ月 | 6歳 |
※ 風疹の2回目は女児のみ接種。
国際学校、現地校に入学・編入する場合、予防接種証書(コピーで可)の提出が求められます。医師のサイン付きの証明書となりますが、母子手帳のワクチン部分のコピーで代替可能です。ただし、翻訳が必要であり、国際学校の場合は英文で、現地校の場合はロシア語(若しくはカザフ語)での記載となります。入学・入園に必要なワクチンは原則的にはアメリカンスクールの場合は米国のワクチンスケジュールで求められるワクチン、それ以外の国際学校あるいは現地校は上記(2)の一覧表記載のワクチンとなります。いずれの場合も日本の予防接種だけでは不足ですので、渡航前に母子手帳を持ってトラベルクリニックを受診し追加ワクチンを接種し、母子手帳に記載してもらいましょう。当国にも母子手帳のようなものがあり、現地医師はそれに基づいて証明します。日本の母子手帳は必須です。
カザフ人の乳幼児には生後1ヶ月及び1年時に公的医療機関で小児科医、神経科医及び外科医の診察と血液検査が行われていますが,外国人の乳児を対象とした健診はありません。個別に小児科を受診することになります.当地の医療事情から、乳児の受診を勧められる医療機関はありません。
当地の医療機関は未だに劣悪で外国人の受診に適した病院は限られています。近代的な病院もできましたが、外国人の初診は受け付けてもらえるとは限りません。また、公立病院は専門ごとに分化されていますので、適切な病院を探すことが困難です。多くの公立病院は旧ソビエト時代からの老朽化した施設で、衛生的とはいえません。民間病院は契約ベースが基本で、契約がない患者や保険会社の紹介がない場合には受診できない場合があります。診療、検査、入院などで異なった施設を受診しなければならず、しばしば「たらい回し」となります。診断や治療も日本とは異なります。待つことができる病気に関しては、日本や先進国で治療することをお勧めします。急病の際には、加入している旅行傷害保険のアラームセンターに連絡し、受診可能な病院の紹介を受けてください。万が一、旅行傷害保険に加入していない場合は、以下の医療機関に相談してください。また、時間外診療はAEA/SOS International Clinic(アルマティ)以外の医療機関では行っていません。救急の場合は電話番号「003」に連絡して、救急車の到着を待って、その指示に従って受診することになります。病院ではロシア語またはカザフ語が必要です。ほとんどの医師は英語を話せません。緊急事態でお困りの際は、在カザフスタン大使館または在アルマティ出張駐在官事務所までご相談ください。重症の場合は、国外への緊急移送を考慮する必要があります。高額の移送費用(西欧先進国までの移送費用は1000万円以上)がかかりますので、それらもカバーする旅行傷害保険の加入をお勧めします。
(※以下の紹介する医療機関情報は皆様方がカザフスタンでやむを得ず、初期治療・救急治療を受けなければならない場合にお役立ていただくための情報です。大使館や大使館医務官は個々の医療機関の診療内容を保証できません。実際の受診にあたっては皆様方ご自身の判断と責任に基づき、医療機関や医師と治療内容について十分に協議され、同意の上治療を受けてください)
(Meyrim Multi-Field Medical Center)
所在地:г. Астана, ул. Сыганак, 1
電話:8(7172) 79-40-05, 8(7172) 79-40-12
歯科直通:8(7172) 79-42-25
診療時間:08時00分〜20時00分(月曜〜金曜、昼休み12時00分〜13時00分)、09時00分〜15時00分(土曜)
概要:空港より市内に入った場所に位置する半官半民の小規模総合病院。歯科もある。設備は近代的で、外科手術も可能。比較的きれいな個室もある。契約が無い患者は受診を断られることがある。各種ワクチンの接種も可能。往診がないこと、24時間体制でないことに注意。
(National Scientific Medical Center)
所在地:г. Астана, пр. Аблай хана, 42
電話:8(7172) 23-39-09, 8(7172)23-38-08
診療時間:08時30分〜17時00分(月曜〜金曜)
概要:当地の要人がよく利用している国立病院。外科系の診療科が中心で一般外科、産婦人科の他に眼科手術が可能。アスタナでは設備が整っている病院。CT、MRIなどの医療機器がある。病室はきれいな個室がある。保険会社などの紹介がないと受診ができないこともある。
(Research Institute of Traumatology & Orthopedics)
所在地:г. Астана, пр. Аблай хана, 15А
電話:8 (7172) 54-77-17, 54-77-30
概要:熱傷以外のあらゆる外傷に対応できる病院です。24時間、1週間7日の医療体制です。カザフスタンでは唯一の外傷専門病院です。
(Republic Scientific Center of Neurosurgery)
所在地:г. Астана, пр. Туран, 34/1
電話:8 (7172) 51-16-06
概要:2008年7月にオープンした病院。24時間体制です。スタッフは充実しています。
(Municipal Children's Hospital No. 2)
所在地:г. Астана, пр. Тауельсиздик, 11/1
電話:8(7172) 36-60-86
概要:アスタナ市で唯一の子供専門緊急病院です。対象者は1ヶ月児から15歳までの子供たちです。24時間体制です。子供に関するあらゆる病気を扱っています。参考までにNo1病院はアスタナ市立病院で1ヶ月未満の新生児を扱う病院です。
(Medical Center of President's Administration)
所在地:г. Астана, ул. Московская, 37/1
電話:(7172) 75-15-02、(7172) 75-15-23、(7172) 75-15-21
診療時間:08時00分〜18時00分(月曜〜金曜)、08時00分〜14時00分(土曜)
概要:当地の要人のための病院。外国人の受診は可能だが、契約が無い患者は受診を断られる場合がある。外来診察室や検査部門は充実しているが、手術室は貧弱で簡単な手術しかできない。VIPのための特別室がある。
(AEA/SOS International Clinic - Almaty)
所在地:г. Алматы, ул. Луганского, 11
電話:8(727) 258-19-11, 8(701)744-1111
概要:24時間受付。緊急移送会社SOS International社が経営するクリニック。会員制。非会員も受診可。外国人医師1名が常駐。2階建て建物で2階は産科用に使われています。専用の救急車を保有しており、入院設備はありませんが、緊急移送の待機ベッドが有ります。数日の入院可能とのこと。医療費は高額ですが、信頼性は高く、英語が通じます。各種ワクチンの接種も可能です。
(Interteach Medical Center)
所在地:г. Алматы, ул. Айтеке би, 83
電話:8(727) 258-81-00
診療時間:08時00分〜20時00分(月曜〜金曜)、09時00分〜14時00分(土曜・日曜)
概要:保険会社が経営するクリニック。保険に加入していない場合も受診は可能。外来のみ。専用の救急車を保有しています。受付では英語が通じますが、ほとんどの医師は英語を話せません。ほぼ全科の診療が可能。入院が必要な時は現地病院を手配します。レントゲンや超音波検査などは可能であるけど、機材は老朽化しています。
(Municipal Clinical Hospital No. 7)
所在地:г. Алматы, микрорайон Калкаман
電話:8(727) 270-86-14, 270-86-10 (admission department)
概要:アルマティは4つの地域に分割されて各々にセンター病院として緊急病院が設置されています。No7病院は特に外国人も受け入れているカザフスタンで最大規模の病院です。脳外科はこの病院のみ対応可とのこと。どんな緊急症例でも外科的対応は充分可能と説明を受けました。
(Daris-TTE Dental Clinic)
所在地:г. Алматы, ул.Тулебаева, 8
電話:8(727) 273-03-03
診療時間:08時00分〜20時00分(月曜〜金曜・第1土曜日)
概要:歯科医院。予約制。設備も衛生面でも充実。外国人がよく受診している。
在カザフスタン日本国大使館:
ホームページ:http://www.kz.emb-japan.go.jp/jp/index.htm![]()
メールアドレス:kobun@null.kz
カザフ語とロシア語が使われています。医療機関では英語が通じるところは、ほとんどなくロシア語を利用します。
主要言語のロシア語をご参照下さい。