在外公館医務官情報

ギリシャ

2015年4月1日

1.国名

 ギリシャ共和国(国際電話国番号30)

2.公館の住所、電話番号

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

(1)はじめに

 ギリシャはバルカン半島の最南端,地中海に面して位置し,半島およびペロポネソス半島,エーゲ海イオニア海など位置する約3,000もの島々からなっています。首都アテネ付近では,夏は乾燥し,40度近くまで気温が上がり,冬は雨が多く,稀に0度近くまで気温が下がることがある地中海性気候です。

(2)衛生・医療事情

 基本的な上下水道などの衛生状態,保健医療システム,および医師や薬剤師などの保健医療関係者は良質で,薬局などでもとても親身に相談に乗ってくれます。しかし近年,経済危機のあおりを受けて,健康保険による医療費還付が滞ったり,医療に携わる人員への賃金が滞納したり,病院や診療所などで一部物資や薬剤などが不足する事態に陥っています。緊急外来などは非常に長時間待たされる傾向にあります。また医学部卒業後の研修受け入れ機関が不足しているため,若手医師の海外流出の増加,さらには今般の財政緊縮策の一環で,公立病院に対しても一般公務員と同様に退職者10名につき1名を雇用する制度が導入され,医師や看護師の不足も問題になっています。

 社会保障基金の保健ケアと,Ethniko Systime Ygeias(ESY)が並列したシステムにより,基本的に全てのギリシャ居住者に対して無料で医療が提供されています。(EU 市民と非EU市民に対しても,多国間または2国間協定に基づいて適用されます。つまり,ギリシャに居住する外国人は社会保険(Idrima Kinonikon Asfalisseon(IKA)やOAEE(Fund for Merchants, Manufacturers and Small Businessmen)など複数の社会保険機関が存在する)を支払っている限り,医療カード(E111)が支給され,入院を含めた一般診療,眼科や歯科も無料です。ギリシャ人の約半数弱は医療保険に加入し,私的な医療ケアを受けています。保険の種類にもよりますが,通常は歯科治療をのぞく全ての診療科に私的保険が適用され,迅速かつ専門的な診療を受けられるのが特徴です。

 医療機関としては,地方の保健センター,地域の病院や診療所,都市においては専門医のいる公立病院,私立病院,社会保険基金の所有するクリニックや病院があります。しかし都市部から離れた田舎や旅行者が訪れる島々には最新設備の医療機関は少なく,アテネの病院や専門クリニックを受診する必要があります。ギリシャで医療機関を受診する場合,基本的にはギリシャ語が必要ですが,都市部ではかなりの確率で英語が通用します。緊急時にはESYに登録していれば,EKAVによって救急車が主な病院や診療所に搬送してくれます。公立病院は黄色にオレンジの線がついている救急車(電話番号166),私立病院は白やその他の色の救急車があります。公営のpublic ambulanceは通常,最も近い公立病院へ患者を搬送します料金は無料です。私営の救急車は2種類あり,①各私立病院が有するprivate ambulanceは自分たちが属する私立病院へ(連絡先は各病院),②company ambulanceは空いていれば希望する病院へどこでも搬送してくれます。(②の主たる会社の連絡先:Asthenofora (Ασθενοφόρα) Express 6980 356 356/ Athens Ambulance 2107 299 000)料金は,医者の付き添いの有無や病院までの距離によって料金が変わります。アテネ市内の私立病院の①private ambulanceは医者の付き添い無しで約100ユーロ,付き添い有りで約200ユーロです。②company ambulanceは医者の同乗なし・アテネ市内であれば約50ユーロです。医療費の支払い方法は,診療を受けた当日に支払いを行います。検査ごとの窓口支払いはありません。(一定期間の通院が必要な場合等はドクターと相談し後からまとめて支払うことも可能です。)病院の場合は,公立・私立を問わずクレジットカード利用可能の場合が多いですが,開業医の場合は現金払いが基本です。旅行者は,海外旅行傷害保険に加入しない限り,かなり高額な医療費を請求されることになります(医師との面談のみで100ユーロなど)。

 万が一に備え海外旅行傷害保険に加入しておくことをお勧めします。

 薬局では,医師の処方箋の必要な薬剤とそれ以外の薬剤があります。ギリシャ製およびヨーロッパ製の薬剤が手に入ります。かゆみ止め,風邪薬,サプリメント,鎮痛剤等,基本的な薬剤の入手には困りません。適切な保険基金の医療カードがある場合,処方箋薬は値引きされて,後日還付されることになっています。各地域には当番制で24時間オープンの薬局があり,ウェブサイトにて調べることが可能です。(薬局当番が掲載されているホーム-ページ: http://www.vrisko.gr/en/pharmacy-duties別ウィンドウで開く

5.かかり易い病気・怪我・健康上心がける事

 水道水はそのまま飲用可能ですが,硬度は高めです。軟水を好む場合は,市販のミネラルウオーターを購入して下さい。魚介類が食べられるレストランがたくさんありますが,不衛生なお店は避け食事前の手洗いを心がけてください。サルモネラ菌による食中毒も散見しますので,生卵は食べないようにして下さい。旅行者に多い症状としては,下痢があげられます。ギリシャ料理はオリーブ油を多く使っているのでメニューを選ぶ時に注意しましょう。

 夏のシーズンは,高温と強い日射しのために熱中症,脱水症,日焼けなどにも注意が必要です。日焼け止めクリーム,サングラス,帽子の着用をお勧めします。また,春先には松花粉症,ポプラの綿毛アレルギーが多発します。まれに,ライム病(ダニを媒体とする),トキソプラズマ症(生肉)が発生します。アテネ市内には多くの野犬が放置されています。噛まれるなどの被害を受けないようにむやみに近づかないようにして下さい。

 AIDS感染者(HIV陽性者)は日本を比べて非常に多く,社会問題の一つにもなっています。薬物中毒患者が出入りするような危険な地域やお店には行かないようにしましょう。

6.予防接種

現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)

 ギリシャ入国のために求められる予防接種は特にありませんが,A型・B型肝炎と,破傷風やジフテリアの追加接種をされたほうがより安全です。

(1)赴任者に必要な予防接種(成人,小児)

 特定のものはありません。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
年齢 接種するワクチン
出生時 HB
1ヶ月 HB
2ヶ月 HB,DPT,IPV,Hib,MCC,PCV
4ヶ月 HB,DPT,IPV,Hib,MCC,PCV
6ヶ月 DPT,Hib,PCV
6ヶ月-18ヶ月 HB,IPV
12ヶ月-15ヶ月 Hib,MMR,PCV
12ヶ月-18ヶ月 Var
15-18ヶ月 DPT,MCC
4~6歳 DPT,IPV,MMR,Var
6歳 BCG
11~18歳 dT
13~18歳 Var
18歳以上 dT
解説:

1)日本に比べるとかなりたくさん行うことになっています。接種の時期には幅がありますので,小児科医に相談して下さい。表にしたのは一例です。

2)HB:B型肝炎,DPT:ジフテリア,百日咳,破傷風の3種混合,IPV:注射用ポリオワクチン,Hib:インフルエンザ菌,MCC:髄膜炎菌,PCV:肺炎球菌,MMR:麻疹,流行性耳下腺炎,風疹の新3種混合,ツ反:ツベルクリン反応,Var:水痘,HA:A型肝炎,BCG:結核菌,HPV:ヒトパピローマウイルス(女児のみ)

3)現地校(幼稚園を含む)に入る際には,予防接種証明は特に要りません。インターナショナル・スクールやスポーツクラブ入会の場合は予防接種記録の記載が必要になります。要求された場合には応じられるように,母子手帳や予防接種記録を必ず持参して下さい。

7.病気になった場合(医療機関等)

 全ての病院が外国人及び旅行者を受け入れていますが,以下は日本人の受診が容易な医療機関リストです。

ギリシャにおける日本人の受診が容易な医療機関リスト

8.その他の詳細情報入手先

 在ギリシャ大使館のホームページでは,ギリシャで生活する上で必要な情報を詳しく掲載しています。
URL:http://www.gr.emb-japan.go.jp/portal/jp/proxeniko/index.htm別ウィンドウで開く

9.一口メモ

 ギリシャ語での簡単な表現は,8.で紹介したホームページのうち,ページ内右の「生活安全の手引き」15ページに「緊急時におけるギリシャ語表現集」別ウィンドウで開くが出ています。

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